第33話 トリプルへの寄り道

トリプルを作る許可証を手に入れた俺は……困っていた!

いや、許可証を手に入れたのは良いのだがトリプルの作り方を俺は知らない!

はて、どうしたものか……

誰に聞くのがいいだろうか……市長か?いや、公務が忙しいか…愛衣は、専門じゃないしな…先生か?うん、あの人なら教えてくれそうだけど……連絡手段が、無い……

しょうがない、久しぶりに普通の栞でも作るかな

作業部屋に行き、栞の製作に入る

ふむ、使う色は赤と、黒それにオレンジに黄色を少々

題材は愛衣の炎の魔法で行こう

イメージするデザインは巨大な炎の十字架と風景

風景を小さくする事で十字架を大きく見せる

そして、大まかなサイズ比はビルの3倍から4倍くらいかな

よし、切り抜き開始!

クイッと曲げて、サクサク、ジグザグ切ってと

「ふぅ……」

細かなパーツを切り分けて、貼り付けて、形を作っていく

作業を黙々と続けて、ついに

「完成だ!」

一枚の絵が完成した

ビル群の上空を炎の十字架が覆う様子を俯瞰視点から捉えた作品

「ふっ、我ながら良い出来栄えだな!」

自画自賛しつつポーズを決める!


……………………冷静になれ、俺!

気合の入った作品ではあるが、販売向きではないな

どうすっかな、コレ

気合が入り過ぎてて、ちょっと恥ずかしい

捨てるには勿体ないし……愛衣にあげるか?題材は愛衣の魔法だしな、うん、そうしよう!よし!決まり!

ぐぅーーーーーーー

腹減ったなぁ、今何時だ?

ん?3時?あれ?そういえば、作業開始したの何時だったっけか?

市役所に行って、愛衣と合って、市長室から地下に行って、魔力栞を見て貰って、許可証貰って、魔法の本を見て貰ったら特別な物だと言われて、帰ってきてから……テンション上がってたからトリプル作ろうと思ったけど、作り方知らないから勢いに任せてコレを作って……現在に至る……

あれ?ご飯食べてないじゃん!何か食べようかな……?でも午前3時に何か食べて大丈夫だろうか?胃腸への負担が心配か……いや、気にしたら負けだ!腹減ったまま眠れるかってんだ!

そうと決まれば何を食べるか……決まっている!カップラーメンだ!深夜に食べるカップラーメンは格別に美味く感じるのだ!


お湯入れて3分待つ


「いただきます!」


ズルズルズルズルズルズル


「ごちそうさまでした!」

食った食った!


腹も膨れた事だし……、寝るか

そそくさと寝間着に着替えて布団に潜る


俺は、あっという間に眠りについた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る