第27話 ダブル製作再開
帰宅後、すぐに製作に入ることにする
作業机には青い紙の切った欠片が残っていた
「次は、成功する……」
切れ端をゴミ箱へ片付けて次に使う色とテーマを決める
テーマか、色か…どっちから決めようかな
やっぱりテーマから決めよう
テーマを決めて、それに合った色を選ぼう
テーマ、テーマ、テーマ……
やっぱり花、かな
でも、花の柄に何を合わせればいいかが問題だ
蝶は、既に試した
他には……蜂はどうだろうか……?
とりあえず作ってみるか!
蜂の色は……黒と黄色だから
黄色で作るかな……花は何にしよう……図鑑で調べるか
黄色い花、黄色い花っと
タンポポ、マリーゴールド、ヒマワリ……ん~……
あんまり大きな花は、バランスが悪いかな……
ペラペラとページをめくり他にないか探す
あ、これは良いかもしれない……
よしっ!アブラナで作ろう
アブラナの花を2、3と蜂はミツバチが良いかな
えーっと、昆虫の図鑑っと…ミ、ミ、ミ……あった!ミツバチ!
へー、良く見ると結構可愛いな
黄色の紙を用意してっと、アブラナを右下の方に描いてミツバチは中心よりやや左にずらして、うん、こんな感じでいいか
さて!切るか!
サクサクと切り取り、いっちょ上がり!
「ふぅーーーー」
集中力を使い果たして一気に脱力する
とりあえず1枚出来たな
でも、まだだ!これが上手くいくとは限らない
よし、次のアイデアを出すぞ!
そうだな、次は紫色はどうだろう?
いや、紫は難しいか……パッと思いつかないな……
他の色となると……何が良いか……
緑色は、どうだろう……
緑といえば……草、葉だろ、昆虫なんかだとバッタも緑色かな……
草とバッタって凄い地味な気がするな……
他には……竹?だとすると、もう一つのテーマは……何だ?
はぁー、思い付かない……
このままじゃマズイな……
いや、待てよ……もしかして、色に縛られ過ぎてる、のか……
だとしたら、選択の幅が広がるか……
試してみるか、うん
緑と関係ないテーマで、竹と合わせられるテーマはっと……
七夕……?
うん、七夕か……良いな!天の川を入れて……よしっ!
このデザインで行こう!
ここをこうして、こっちをこうして……
デザインは完成かな……あとは切り出してっと……
ここムズイな……慎重に慎重に……よしっ!
出来たぁーーーーー‼
「ふぅーー」
集中し過ぎたかな……今何時だろ。そろそろ昼飯でも食べようかな
えーっと……4時?あれ?もう夕方⁉嘘⁉
秒針は…動いてるな
外は、陽が傾いてるな
時計が壊れたわけじゃないなら、今は16時か
昼飯、食べ損ねたな……
とりあえず、夕飯の準備するか
冷蔵庫に何か入ってたかな……
……冷蔵庫には何も無かった
どうするかな……もう疲れて買い出しに行くのも億劫だな
カップ麺でも食べるかな
常備してあるカップ麺を適当に食べて、もう一度作業部屋に戻ろうかと考えていると電話が鳴った
「はい、塩谷です」
「あ、あの!私です!愛衣です!」
「ああ、愛衣か。どうしたんだ?」
「その、朝の事で…すいません、友達が変な事言って」
「ん?いやいや、気にしてないよ」
「そう、ですか」
「わざわざその為に電話してきたのか?」
「いえ、その。順調かなって……」
「魔力栞か?まぁ、順調といえば順調かな」
「そうですか!良かったです」
「あ、そうだ。愛衣の好きな色って何色だ?」
「え?好きな色、ですか?」
「そうそう。魔力栞の色、何色にしようか迷っててさ」
「そう、ですね。私は赤が好きです!」
赤かぁ、そう言えばシングルを作った時も赤だったな
「他には?」
「他、ですか?えーっとオレンジ色でしょうか」
「オレンジ色か、それは使ってなかったな。ありがと、愛衣。参考になったよ」
「いえいえっ!その、オレンジ色で作ってくれるのですか?」
「ああ、そうだな。オレンジと赤、この二つを追加で作ってみるよ」
「はいっ!楽しみにしてますね!」
電話を切って一息つく
あとはテーマをどうするか、だな
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