第42話

長浜バッティングセンター__

同時刻____________



雅紀「てかずっと触れてなかったんだけどさ……マイバットって(笑)」


詩織「え、あぁーこれ?(笑)」


長谷川に言われて自分のマイバットを得意気に見せつける上村。


詩織「やっぱりこういうのってマイバット使った方がいいでしょ?♪」


上村は自信満々にバットを振り回す。


雅紀「いやいや、危ない危ない(笑)危ないから(笑)」


長谷川はそんな上村を可愛い奴だと思いながら注意する。





♪♪♪


明日香「ちっ…“航ちゃん”からだ……、」


佐々木は少し怯えた様子で舌打ちをしながら携帯を確かめる。


明日香「ちょっと行ってくるから…理好奈、アンタ先に会計済ませてきて!」


理好奈「う…うん……、」


佐々木は不安げに携帯を持ちながら店内の奥にある女子トイレに駆け込んでいった___。


理好奈「…………………………、」


渡辺はその様子を不安げに見届けながら会計に向かった。





詩織「…………………………、」


上村は遠くからその様子を伺っている。


詩織「ねぇー?雅紀くんもやろうよ!ほんと楽しいから!」


上村は“近くに常備されていたバット”を長谷川に無理矢理手渡しながら言う。


雅紀「えー俺いいってマジで…、」


詩織「アタシトイレ行ってくるから!戻ってくるまで!ねっ!」


上村は長谷川に懇願する。


雅紀「しょ、しょうがないな…すぐ戻ってこいよ……?(まぁ、可愛いからいっか……、)」


長谷川はしょうがないと言いつつも笑顔で了承する。


詩織「じゃ、行ってくるねー」


雅紀「行ってらー、」


長谷川は常備されているバットを手にしながら打ち始める。





詩織「……………………………、」


上村はマイバットを手にしながら、

何かを始めるかのように佐々木達がいた2番レーンに向かって行く。


詩織(これか……、)


上村は佐々木と渡辺が別件で席を外している隙を見て、ベンチに立てかけてあった佐々木のバットと自らのバットをすり替えた___。




詩織「ごめんごめん!待った?(笑)」


雅紀「え、ちょ、早くねぇ?……つかそれ持って行ったの?(笑)」


長谷川はマイバットを持って戻って来た上村を見ながら含み笑いを浮かべる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る