第36話

購買所__


カレン「ごめんごめん!持ってきたよ1万!……あれっ?」


水嶋は1万を手に慌てて購買所に戻ってくる。


理好奈「えっ…水嶋…アンタ、明日香に会わなかったの…?」


渡辺もさらに慌てた様子で水嶋に言い寄る。


カレン「えっ…会わなかったって…アタシ…ずっと教室で財布探してたんだけど……、」


水嶋は軽く首をかしげる。


カレン「もしかして…入れ違いになったとか?…いや、購買所と教室までのこの距離でそれはないか………、」


渡辺「別の場所に捜しに行ったんだわきっと……、」


カレン「とりあえずさ、教室戻らない?…もう昼休み終わっちゃうんだけど……、」


理好奈「えっ…でも…この昼休みが終わったらアンタ……明日香に何されるか……、」


渡辺は俯きながら哀れむように呟く。


カレン「………………………………、」


水嶋はそれをじっと見つめたあと、一人だけで教室に戻った。



2-2組___

PM12:58__


花奈「あ、ちょうどよかった、カレン?」


カレン「?」


花奈「次…あんたの番みたい…事情聴、」


「ねぇ!!」


花奈が言い切る前に一人の女子が息を切らしたように教室に滑り込んできた。


「どうした…の?」


クラスの委員長が慌てている女子に問いかける。


「塚原のクラスここだよね!?」


委員長「えっ…うん…それがどうかしたの……?」


「佐々木が…中庭で“死んでる”んだけど……!」


2組のクラス全員がその言葉に耳を疑うように黙り込む。


委員長「なに…言ってんの…?」


委員長もたまらず聞き返す。


「だから佐々木が死んでるんだよ中庭で!確かめて見てよ!」


物凄い剣幕でその女子は答えると、すぐに教室を離れ中庭に向かった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る