第31話
カレン「……“2年前みたいにアタシを殺してみる?”」
水嶋は狂気じみた満面の笑みで佐々木を見下す。
明日香「アンタ……えっ……アンタって………、」
佐々木の顔が強ばる。
それと同時に胸ぐらを掴んでいた手が緩まる__。
カレン「久しぶりだね……2年前にアンタらに殺された“中西美咲”だよ…憶えてる…?」
明日香「……中…西……?」
佐々木は何かに怯えるようにゆっくりと後ずさる。
カレン「佐々木さん変わらないよね…相変わらずの高飛車娘っていうかさ……すぐに相手を蹴落とそうとするとことか……ほんと(笑)」
水嶋は握り締められていた胸元を直しながら淡々と語り続ける。
明日香「……アンタ…ち、違う!…顔…顔が違、」
カレン「あ?何だよブス…、」
水嶋の目付きが変わる。
明日香「…………………、」
佐々木は一瞬言葉を失う。
カレン「何だよ…顔が何だよ(笑)…顔が何なの?違うって?整形したのって?(笑)」
水嶋が言いながら足早に佐々木に詰め寄る。
カレン「…アタシは正真正銘、中西美咲だよ……アンタらにペットみたいに365日可愛いがられてきたあの中西み·さ·き!」
水嶋は佐々木の胸ぐらを思いっ切り掴みながら顔の前で怒鳴り散らす。
明日香「死んで……なかっ……た……、」
佐々木の声が先程とは異なり、酷く弱々しい震えた声で呟く。
カレン「死んだよ…中西美咲は死んだよ……今のアタシは“水嶋カレン”……アンタらに復讐することだけを考えてずっとこの2年間生きてきた……、
なぁ?分かる?…次に泣くのはてめぇだからな…オイ……、」
水嶋はかなり荒々しい口調で佐々木にしっかり言い聞かせるように囁く。
明日香「ど…どうやって…どうやって…助かっ…たの……、」
カレン「はぁ?…言ってどうなんの?言ったら中西美咲は蘇るの?」
明日香「…分からない…なんで…あの時…、」
カレン「まずは謝罪の言葉だろうが!!」
ドサッ!
明日香「うぐっ!」
水嶋はそのまま力任せに佐々木を突き飛ばした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます