第21話

同時刻___

2-2組・朝のHR__


塚原「昨夜、この潮彩高校の体育館裏の倉庫で1組の八木 遊也が何者かに鈍器の様な物で殴られる事件があった…、」


カレン「……………………………、」


水嶋は神妙な面持ちで塚原の話を聞く。


塚原「そして今朝…病院から連絡があり……八木 遊也の死亡が確認された………、

今日は警察の方々が事情聴取に来られてる、昨夜のことで何か分かる生徒がいたら、全て包み隠さずに報告してほしい……、

先生達も今から事情聴取を行う……

今から自習の時間にするから、呼ばれた生徒は多目的室に来るように……以上。」


ガラガラ__、


塚原は何か言いたげな雰囲気を醸し出していたが、そのまま何も言わずに教室を後にした。


「死んだって…マジで?…殺されたのかよ…、」


「え、俺らもヤバいだろこれ……、」


「誰に殺されたの??」


「犯人…捕まってないのか……、」


様々な憶測が教室内を飛び交う中、カレンは一人、苦悶の表情を浮かべていた__、


理好奈「…ね、ねぇ?……八木…死んだって……殺された…の?」


カレンの前の席に座っていた渡辺 理好奈は

声を震わせながら、その隣の席に座る佐々木 明日香に確認する。


明日香「……塚原が言ってたじゃんさっき…殺されたって……誰が殺したか知んないけど……、」


佐々木はややキレ気味にそう言い放つ。


理好奈「なんか…あっさりしてない…?」


明日香「だってウチら関係ないじゃん……アンタだって知ってんでしょ?昨日ウチらバッティングセンターで打ちっぱなししてたんだし……、」


理好奈「う、うん……でも……、」


明日香「……なに、もっと悲しんだ方がいいわけ?……普段関わりない奴とか正直どうでもいいんだけど…、」


長い髪を肩にかけながら佐々木は教室を出ようとした。


理好奈「え、どこ行くの?」


明日香「トイレくらい行かせてよ…もうHR終わってるし……、」


理好奈「……えっ……、」


理好奈が辺りを見回すと、大半の生徒はすでに教室にいなかった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る