第20話

朝のHR__

AM07:00__


「八木…結局どうなったん?」


「分かんねぇよ、昨日警察とか救急車とか大騒ぎだったみたいだけど、」


「友達のバスケ部の奴が倉庫見たらしい!血がヤバかったみたい!」


「血がヤバかったって何だよ(笑)語彙力皆無か(笑)」


「まさか八木が殺されるなんてな……、」


「いやまだ死んでねーべ!(笑)」


優(八木……すげぇな………、)



案の定朝から優のクラスは八木の話で持ち切りになっていた。

普段からあまり目立つことがない優に話題を振る人間はいないが__、



ガラガラ__、


「あ、前川入ってきたぞ!」


「お!来た!」


「起立!礼!着席!」



前川「……みんなおはよう……すでにもう話は出回っているみたいだから…先生も詳しく言うつもりはない……けど…一つだけ伝えなきゃならないことがある……、」


「……………………………………、」


前川の態度が明らかにおかしいことはクラスの全員がすぐに感じ取った。

だからこそ普段騒がしい男子生徒達は息を呑んでいた__、





前川「………八木が…今朝病院で息を引き取った……死因は脳挫傷だ………、」





前川の悔し涙を含んだような声で発した言葉はクラス全員を一気に黙らせた___、


優(……遊也が…死ん…だ……、)


優も突然の前川の報告にただ呆然としていた___。

その後の前川の言葉は優の耳に一切入ることはなかった____。

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