第15話

鶴橋で難波線の阪神直通列車に乗り換える。電車は阪神の9000系だ。


「ねぇ、先輩。一回試しにメール送ってみません?」


「うん分かった。」


「じゃあ送りますよ、えい!」


『ブーブー ブーブー』

メールを受信した。

さてさて、この可愛い後輩は何てかいてあるのやら。


『大好きです。先輩。』



絶句した。えっまって、見間違い!?

そうだ、そうだよね、俺の目が見間違えたんだ。

もう一回見てみよう。


『大好きです。先輩。』


えっ、まってマジで!?嘘でしょ、マジで心臓に悪いわ!!

「…今のは本命ですよ、先輩。付き合ってくれます?」

そう俺の耳元で言って、亜矢美は俺の頬にキスをした。


……………。


キッ、キス!?


えっちょっと待ってマジでキス!? 


頭がパンクしそうだ。まだ脳内処理が追い付かない。


電車が日本橋につくときに、やっと意識が元に戻った。

電車はがらがらで、この号車は俺達二人を覗いて空気輸送だ。まあ日中の後ろから2両目の難波線だから当然か。


「先輩、意識もどりましたか?」


意識が元になると、目の前に除き込むように亜矢美の顔がある。良く考えてると俺、膝枕されているじゃん!!


「あっ悪い。」


「それで、私と付き合ってくれるんですか?これでも凄い緊張したんですから。」

                 「でもめんどくさいよ。俺は。」              「覚悟の上です!」              気づいたら、電車は難波を発車していた。


急なカーブを走ることによって生じるフランジ音が地下に鳴り響く。


それは付き合い始めた二人を包み込むように。





―終―

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通学中、いつも隣に座る美少女が。   電子レンジ235 @kintetsu5200

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