初デート?

第10話 

初めて話して3日後、すっかり打ち解けて話をするようになった。   「ねぇ、お願いがあるんですけど…。」

亜矢美が頼んでくるなんて初めてだ。


「この前、幼馴染みに告白されたんです。断ったんですけど。」


「へぇ。」

断られた人、御愁傷様です…。


「でもね、その幼馴染みが彼氏を見てみたいって言ってきたんです…。」


「まさか、彼氏が居るって言ったん?」


「うん、もちろん嘘ですけど。」

笑顔で断言する亜矢美。こんな美少女の彼氏になる奴が羨ましい。


「んで、先輩が私の彼氏に成りすまして欲しいの。お願い?」

上目遣いでおねだりしてくる亜矢美。一瞬、頭がハテナでいっぱいだったが、音速レベルで理解が追い付く。

即効で二つ返事で了承する。


「じゃあ、次の土曜日でOKです?あっ、その幼馴染みと話したりはしなくて良いですから。先輩って、人と話すの苦手そうだし。」


然り気無くディスられたが、まあ良い。

仮想でも初デートなんだから――



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