第11話

土曜日の朝。珍しく6時半に起きる。とっくに妹は起きていた。我ながら恥ずかしいが、妹にお願いをする。


「妹様!、どうかわたくしの服選びのお手伝いをしていただけませんでしょうか!」


そう言って土下座する。土下座をされたら、相手は断る余地がない。っていうのを雑学の本で読んだことがある。


「もぅしょうがないな~。折角だからこの咲希さき様が手伝ってあげよう。」


「んで、どうしたらいい?」


「まずは誰と行くか、目的は何か、行き先は何処か、を教えて!先ずはそこから!!」


「めっちゃ可愛い後輩と、デートで、行き先はまだ決まってませ(ry」


「えっ!ちょマジで!? お兄しっかり!夢から覚めて!ここ3次元だよ!」


「何だそのグサッてくる辛辣な誹謗中傷は。」


「でも、デートって…。」


「長くなるから詳しい話は割愛するけど、偽物のデート。」


「えっ、実は三角関係で、もう一人お兄に想いを抱いている人がいるん?」 


「何だその昼ドラな展開は!?」


「まぁ、そうだよね。お兄に恋する様な可哀想な人なんていないよね、普通は。」


こっちが可哀想になってくる。


それから普段着る服を着て妹に見て貰うと、妹が珍しく笑い転けた………。

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