第9話

今日は車内は空いていたので、二人で座る。本当に221系が転換クロスで良かったと思える瞬間だ。

彼女が出来たらやってみたいシチュエーションだ。


「あの、さっきはありがとうです…。」

亜矢美は上目遣いでこっちを見て言う。ヤバい、心臓が停まるわ!


「ううん、まぁ今思い返すとマジで恥ずかしいけど。」


「んで、私は先輩の彼女な件はどういう事です?」

ヤバい、もっと恥ずかしさが込み上げてきた。

「まっまぁ、作戦や。あんな奴に暴力で立ち向かえる程、命知らずじゃないし。」


「ふ~ん。」

何故か亜矢美は残念そうだ。


『これが本当になったらいいのに』―なんて亜矢美が考えてる事など、恭介は知るよしもなかった。

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