第7話

久宝寺に着き、おおさか東線に乗り換える。去年まではJR長瀬から高校まで歩かないと行けなかったが、

今年のダイヤ改正で、JR長瀬より少し近いところに衣摺加美北が出来たのでそちらを利用する。っといっても、他の生徒はほとんどが放出の方から来ていてJR長瀬で降りるので、実質的に亜矢美と二人っきりだ。


「ねぇ先輩、また同じ車両だけどこれって結構古いですよね。でもなんでこんな新しく見えるんですか?」


素朴な疑問だろう。中は古いが外見は結構綺麗だ。亜矢美の頭に矛盾が生じるのが理解できる。


「あ、これは今のJRの前の国鉄っていう組織が作った車両で、大分古くなったから外は綺麗にして、中もちょっと綺麗にしたんよ。」


「やっぱり。ねぇ、先輩って鉄ヲタです?」


ヤバい。おもいっきり見透かされてる?

⬆当たり前


「だって、さっきも防護無線とか乗務員室見に行くとか、携帯の着メロを京都線の接近メロディーだったり。」         

そう言った瞬間、亜矢美は顔を赤らめる。ヤバい。その顔も可愛い…。  でもなんで携帯の着信音の種類を知ってるのか?確かに亜矢美の前で鳴ったことはあるが、普通は京都線の接近メロディーだなんて知らない筈だ。しかも試されてる?

これはもしかすると―――


「私、他の人には隠してるけど、結構詳しいんですよ?自分で言うのもなんですけど。」


えっマジで?このこの美少女が俺と同じ趣味だなんて?

「そんなに疑うんだったら確認して下さいよ?」

またまた上目遣いで…。

「じっ、じゃあ今乗ってる車両の形式は?」

「201系!」

「この音楽は?」と言って亜矢美の耳にイヤホンをつけてやる。     「鳥取地区と冷水浦の接近メロディー!」              即答だった。ヤバい、この美少女マジで詳しい。




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