第4話光は消えてしまった
私が高校一年の時に、祖父の容態が急変した。
その時私はバイトをしていたんだけれど、親戚が来て
「おじいちゃんが危ないみたいだから行くぞ」
そう言われバイトを早退し、祖父のいる病院へと急いだ。
病室にいくと親戚全員が泣いていた。
そときに察してしまったんだ。
「あぁ。もうダメなんだ」って
すぐに祖父のそばに行き
「きたよ」と声をかけた。
祖父の手は少しではあったが暖かったのだ。
そこからはずっと祖父の手を握っていた。
段々、祖父の息遣いが荒くなっていた。
察していた私はすでに泣き始めていた。
その時、祖父は精一杯手を伸ばし。。
「まだ死んでねぇよ。じいちゃんは死なないから」
そう言って祖父は笑っていたのだ。
その笑顔をみて私はさらに泣いてしまった。
どんどん、祖父の手が冷たくなっていくのだ。
部屋は真夏なのに寒いと思うほど冷房をつけていたのに祖父は
「あつい…あつい」
と繰り返し言っているのに体はどんどん冷たくなっていく。
祖父の目が完全に閉じる前に私だけに聞こえる声でこう言ったのだ。
「もう、お前を助けてあげられない。。ごめんな。お前も甘えたかったのにおじいちゃんなにもできなくてごめんな」と。
私は泣きながら、祖父に伝えた。
「約束したじゃん!一緒に旅行行くって!最後の最後で約束やぶんないでよ!」
そう半分叫びながら祖父に伝えた。
そうすると祖父は笑って
「やっと甘えてくれた。。。ごめんな、、、」
と言ってこの世を去った。
この日、私の大好きな暖かい光は消えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます