第5話 小さい松ぼっくり
前回のあらすじ
キツネさんから送られた大きな松ぼっくり。それはユイを安心させるメッセージだった。
あれから3日がたった。ユイはキツネが毎日深夜に大きな松ぼっくりを持ってきてくれることがわかった。このメッセージを聞くだけで安心して嬉しい感じがしていつも待っていた。
しかし翌朝、
「あれ?お母さんー!」
朝起きてリビングに向かうとお母さんがいなく、テーブルの上に紙起きがあった。
(ユイへ、お母さんはちょっと出かけてくる。心配しないで、お母さんはただ買い出しに行ってるだけよ。ご飯は棚にある非常食を食べてね)
と書かれている。
「お母さん、どうしたんだろう?」
ユイは棚の中に入っていた非常食を食べた。
「…味が薄い…」
部屋の中はお母さんが家事をしている音も全くなく、聞こえるのは時計の振り子の音だけ。
それから何もなく、深夜になった。お母さんは帰ってこない。ユイはまたキツネさんが大きな松ぼっくりを持ってきているんじゃないかと思い、玄関に向かい扉を開けた。…しかし、そこには大きな松ぼっくりはなかった。
「あれ?キツネさん?」
ユイは少し不安になった。少し怖くなり、自分の部屋にすぐ戻り、ベットに寝転がり毛布を頭からかぶる。
「なんでだろう…お母さんはいなくなったり、キツネさんの松ぼっくりが置かれてなかったり…」
ユイは得体の知れない恐怖を少しだけ感じた。
その恐怖は日に日に大きくなって言った。あれから4日間、お母さんは帰ってこない。そしてキツネの松ぼっくりもない。
「怖い…怖いよ…」
ユイは恐怖に怯えながらも一人で一日一日を過ごす。
そして翌日の深夜、
「今日松ぼっくりあるかな…」
ユイは玄関へ行き外の扉を開けた。するとそこには、
「あった!松ぼっくり…」
ユイはそれを見てまた恐怖を感じた。そこに置いてあったのは大人の手のひらサイズの大きな松ぼっくり…ではなく、とても小さい松ぼっくり。
「え…なにこれ、どうなってるの?」
ユイはなぜかその小さい松ぼっくりを見て恐怖に怯えていた。
「…明日、キツネさんのところに行こう。そしたらわかるはず!」
と、ユイは決心した。
しかしこの先、ユイはとんでもないものを見たり、聞いたりしてしまうのである…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます