第9話無事に許してもらえました
結局、すぐに許してもらえた。言い訳など一切せずに全力で土下座したことや、制服に掛けたジュースが無色透明の炭酸飲料で、見た目には判りにくいことがよかったのだと思う。匂いは大した事なかったし、消臭剤でも吹き付けておけばいいだろう。
「ねえねえももちゃん! せっかくだからいっしょにおふろはいろうよ!」
「え? でも……」
そこで、桃がチラリとおれの方を見てくる。
なんだ? 水道代でも気にして遠慮でもしてんのか?
「向日葵もこう言ってるんだし、うちの風呂に一緒に入ってやってくれよ。な?」
桃が濡れ鼠になる羽目になったのは、おれと向日葵のせいだから変な遠慮なんかしなくていいんだぞ。
すると、少しだけ考える素振りを見せたかと思うと、いつものようにニコッと微笑んだ。
「ありがと~。じゃあひまちゃん、二人でお風呂行こうか~」
二人ともそのまま脱衣所に吸い込まれていった。あれ? 着替え持って行ってないけどどうするつもりなんだろ?
とりあえず、向日葵には教育的指導ということで、後で拳骨をお見舞いしておこう。
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