第2話幼馴染が起こしにきた

「悪夢だ……」

くそっ、せっかく今日は記念すべき高校生活一日目の入学式なのにまた嫌な夢を見ちゃったよ。

でも、これくらいでへこんだりしないぜ! 高校に入ったら、もうあんな思いしないように趣味の合う友達を沢山作って楽しい学園生活を満喫するんだ! そう意気込んでから重たいまぶたを開ける。

「おはよ~あいちゃん。でもわたしが横に来た瞬間に『悪夢だ……』はちょっとひどいと思うな~。せっかく起こしに来てあげたのに~」

のんびりした口調でふわふわとした声がしたほうを確認してみると、おれが寝ているベッドの横に両膝をついてすこししゅん……となった、ショートカットの髪型に眼鏡をかけた幼馴染の顔があった。

「おはよう桃。今のはお前に言ったんじゃなくて、またいつもの夢を見たんだ、ごめんな」

「そっか~また見たんだ……大変だったもんね~」

「そうだな……でも今日から通う学校にはおれのこと知ってるやつはいないだろうから、中学生時代のことは黒歴史として封印して楽しもうと思ってる」

「それなら友達沢山できるようにがんばらないとだね~。わたしも手伝うよ~」

「ああ。ありがとな、頼りにしてる」

「うん、がんばろうね~。えへへ~、なんか面と向かって頼りにしてるなんて言われると照れちゃうね~」

「そうか? まあとりあえず学校行く準備するから先にリビング行っててくれ」

「うんわかった~。それじゃあ先に行ってるからすぐに来てね~」

そう言って桃は立ち上がりそそくさと部屋から出てリビングに直行した。

さて、さっさと準備するか。それにしてもホント眠いなー昨日ゲームし過ぎたかな?

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