おれは高校生活を楽しみたい!

卯月ひろなり

第1話悪夢

「うわっきもっ!」

「近づかないで!」

「北条菌がうつる!」

「排泄物の臭いがする!」

「うえっ吐きそう……」

「死ねばいいのに!」

 などといった、他人を貶める類の言葉が容赦なくおれに向かって叩きつけられている。

 周囲を取り囲まれ、体育座りで蹲っていたおれは、そこでようやくこれは夢だと気づいた。

 正直、このシチュエーションの夢は初めてというわけじゃない。

 もう回数なんか数え切れないほど見ている。

 だからといって、罵られるのに慣れるということは絶対にない。

 マゾじゃあるまいし嫌でたまらないのは当たり前だ。

 早く朝になって睡眠状態から開放して欲しい。

 毎度のようにそう願いながら罵声に耐え、夢から覚めるのを待った。

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