第25話 温泉

カッポーン…


今俺は温泉に入ってる…



…パラドと


継月「なんで俺たち二人だけなんだ…」


パラド「しょうがないだろ松前は飯だし田中は寝てるんだから。…もしかしてフルルとが良かったか?」


継月「まあ混浴じゃないからしょうがないって言えばしょうがないんだけどさ。…にしても」


パラド「どうした?継月」


上を見上げ呟く継月にパラドが尋ねる


継月「いや、こうやって二人でいるのも何だか久しぶりだな~って」


パラド「そうだなぁ…。継月が高校卒業して、俺たちが東京に行って、継月は聖都大学に進学して、俺は幻夢でテストプレイヤーとして働きはじめて、お互いの道を進んでいって一緒にいる時間が少なくなったからな」


継月「ちょくちょくお前がNascitaに来るってことはあったけどな」


にしても…


継月は先程の食事でのことを思い出していた


……………………………………………………


あんかけ「……残してもいい、か。言ってはいけないことを言ってしまったようだな?」


クマノミ「へ……」


あんかけ「さばいてやろうか?クマノミのこと。そんでデザートにしてやるよ。まあクマノミとか食ったことないから不味かったら残すぞ?お前死に損だぞ?それでもいいんだな?」


あんかけ&クマノミ&松前&田中以外「え……?」


クマノミ「……食べる。食べる……!残さない!」


……………………………………………………


なんであんかけさんはあそごまで?


パラド「継月?どうかしたか?」


継月「いや、さっき飯食ってた時のあんかけさんのことをな」


パラド「そういえばあの時のあんかけ、クマノミが飯を残そうとしたのに過剰に反応してたな…」


パラドも先程の食事でのことを思い出していた


継月「まあ正確には裏あんかけさんなんだけどな」


パラド「『裏』あんかけ?あいつ表と裏があるのか?」


継月「あの人のネガティブな面が裏あんかけさんなんだと。まあ俺でいうお前みたいなもんだと思ってくれりゃいいよ。もう一人のあんかけさん的な存在だから、裏あんかけさんて」


パラド「成るほどな…」


パラドは継月の説明で裏あんかけなる者の存在を理解した


「でもあそこまで過剰に反応するなんて…」


継月「まあ『出された料理を残すのは命の冒涜だ』ってシロも言ってたからあれは裏あんかけさんが正しいんだけどな…」


風呂から上がったら聞いてみるか…


そんなことをかんがえてると


ガラガラ


松前「あ、継月さんにパラドさん」


継月「お~松前君。君も風呂に?」


松前「はい、田中さんはご飯食べて部屋に戻ったら寝ちゃいましたけどね」


パラド「さっきまで寝てたのにか?」


そのあと三人で話し合った


途中松前君が駅名のこととか話してくれたが…

ごめん松前君、俺駅名とか鉄道に関しては

さっぱりなんだ…


……


暫くして


継月「そろそろ上がるか」


パラド「だな」


松前「そうですね」


三人は風呂から上がり脱衣場で着替えた


……


脱衣場を出ると


フルル「あ、継ちゃんにパラド!それに松前!三人も出たの?」


フルルと会った


継月「今上がったとこ、フルルは?」


フルル「フルルも今出たところだよ」


継月「他のみんなは?」


フルル「もうそろそろじゃないかな?」


フルルと話していると


あんかけ「いや~気持ちよかった!」


ダルタニャン「うん!」


ガブリエル「クマノミちゃん、そろそろ離れたら?」


クマノミ「だ、だって…」


クマノミ…さっきのあんかけさんとの一件で

あんかけさんにちょっと苦手意識持ってんな…


そのあと牛乳を買ってみんなで飲んで…


あんかけ「そろそろ部屋に戻りましょうか」


継月「ですね」


……


部屋へと戻る道中


フルルがふと窓の外を見た


フルル「ねえ継ちゃん」


継月「ん?」


フルル「あれ」


フルルが窓の外から見えるウォータータワーを指差した


継月「んー?……っ!!」


ウォータータワーにはよくみると所々ヒビが入っていた


経年劣化か?とにかく急がないとまずいな…


パラド「継月?どうかしたか?…っ!あれはっ!」


継月「急いで部屋に戻ろう!海月と雪衣ちゃんも交えて話さないと!」


松前「田中さんはどうしますか?」


継月「明日の朝説明する!早く戻ろう!」


俺たちは急いで部屋へと戻った


……


さみだれの部屋


ここには田中君とウツボを除く今回のメンバー全員が集まっている


継月「みんな聞いてくれ、さっき見たらウォータータワーが壊れかけていた」


雪衣「ウォータータワーが!?」


雪衣と海月は驚いていた


継月「うん、窓から確認したから間違いないよ」


海月「でも何故…」


継月「わからない…ただわかってることは

一つ、急がないと最悪海月とクマノミを除く

俺たちは永久にこの世界で暮らさなきゃいけなくなるってことだ」


雪衣「そんな…」


継月の言葉に雰囲気が暗くなる


ダルタニャン「まだ紫苑ちゃんとアイドル始めたばかりなのに…」


フルル「もうプリンセスたちに会えないの…?」


あんかけ「あいつともまだ…」


パラド「おい継月!」


パラドが継月の胸ぐらを掴んだ


「『真実が人の人生を狂わせることもある』

そう貴利矢が言ってただろ!」


継月「事実を言ったまでだ!それにまだ希望が無い訳じゃない。みんな、聞いてくれ」


パラドは継月から手を離した

継月の言葉にみんなの視線が継月に集まる


「さっきも言ったけどウォータータワーが壊れそうだ。だから明日の早朝、朝食を食べたら

すぐにチェックアウトして急いでウォーター

タワーに向かう。走ることになるから雪衣ちゃんはガブ姉が飛べるから疲れたらおぶって貰って」


雪衣「はい。ガブリエルさん、もしもの時は」


ガブリエル「任せて♪」


継月「海月は俺たちと一度別れてビッグウェーブで流された他のカクヨムユーザーを回収してウォータータワーへ」


海月「はい」


クマノミ「ウツボはどうするの?」


クマノミがウツボはどうするか聞いた


継月「多分俺たちが出発したあとここに来ることになるだろうからリュウグウさんにウォータータワーに向かったことを伝えてもらっておく。ウツボを待ってる時間はなさそうだからな」


松前「田中さんは?」


継月「最悪たたき起こす。寝起きが悪いとか

知らん。とりあえず明日はその動きでいこう」


継月の言葉にみんなが頷いた


「それじゃあ解散だ、また明日な」


ガブリエル 「おやすみ~」

海月    「おやすみなさい」

フルル   「おやすみ~」

あんかけ  「おやすみなさい」

クマノミ  「おやすみー!」

ダルタニャン「おやすみニャン!」

雪衣    「おやすみなさい」


継月、パラド、松前の三人はしぐれの部屋へ



しぐれの部屋


三人は布団に寝転がっていた


パラド「明日は大変そうだな」


継月「ああ」


松前「zzz」


継月「って松前君もう寝てるし…俺たちも寝るか」


……その夜


ガラッ


しぐれの部屋の襖を開け


もぞもぞ


継月の布団に潜り込む一つの影があった


……


翌朝


継月「んっ…ふあっ…っ」


継月が起きると体に違和感が…


一体何が…って


「フルル!?」


フルルが継月に抱きついていた

そう、フルルがみんなが寝静まったころを見計らって継月の布団に潜り込んだのだ


フルル「ぅうん…。あっ、継ちゃんおはよ~」


継月「『おはよ~』じゃないよ。なんでこっちで寝てるの」


フルル「やっぱり継ちゃんと一緒がよかったから…」


継月「ったく相変わらず可愛いやつめ」


継月はフルルの頭を撫でた


フルル「えへへ~」


パラド「おはよう継月」


松前「おはようございます」


田中「おはようございます」


他のメンバーも起きてきた


継月「おはよう」



一方さみだれの部屋では


あんかけ「んっ…ふああああっ…」


海月「んっ……ふあっ……」


ダルタニャン「ふにゃあああああっ」


クマノミ「ふああああっ」


雪衣「ぅうん…ふあっ…」


ガブリエル「ふあああっ」


こちらも続々起きてきた


海月「おはようございますみなさん」


雪衣「おはようございます」


クマノミ「おっはよー!」


ガブリエル「おはようございます!」


あんかけ「おはようございます」


ダルタニャン「おはよ~…ニャッ!?あれ!?フルルちゃんは!?」


ダルタニャンがフルルがいないことに気づく


雪衣「あれ?そう言えば!」


クマノミ「確かに昨日一緒に寝てはずだよね!?」


海月「その筈ですが…」


ダルタニャン「一体どこに行っちゃったんだニャッ!?」


すると


あんかけ「あの~」


ガブリエル「多分…なんだけど…」


海月「あんかけさん?ガブリエルさん?何か心辺りが?」


二人は顔を見合わせて頷いたあとこういった


あんかけ ガブリエル

「「継月さん(継くん)のところじゃないですかね(かな)…」」


その後食堂で朝食を済ませてエントランスへ


途中フルルがしぐれの部屋へ行ったことを海月が咎めたが継月が仲介に入りことなきを得た

っていうか継月が海月以上の圧かけて黙らせた

「今はそんなこと言ってる暇はねぇんだよあくしろよ」……と


そしてエントランスでチェックアウト


「じゃあリュウグウさん、ウツボちゃんが来たら伝えといてください」


リュウグウ「わかりました、お気をつけて」


エントランスを出て


海月「では私は他の方々を」


継月「頼む!」


クマノミ「みんな!こっちだよ!」


俺たちは海月と別れてクマノミの案内のもと

ウォータータワーへ走り出した


……


広場


途中ここで休憩をすることに


継月「とりあえずここで休憩するか」


あんかけ「そうですね…」


雪衣「すみませんガブリエルさん…」


ガブリエル「ううん!大丈夫だよ雪衣ちゃん!」


あ、そういえば…


継月「あんかけさん」


あんかけ「はい?」


継月「昨日の夕飯の時のことなんですけど

…ほら、クマノミの」


継月は今朝までのドタバタで聞けなかったことをあんかけに聞いた


あんかけ「あ~、あれですかぁ…。もしかして怖かったですか?」


継月「はい」


あんかけ「ガーン(;゚д゚)!?」


あんかけは継月の言葉にショックをうけた


継月「嘘ですよ!まあちょっと驚きましたけどね」


あんかけ「あははっ…よかった」


継月「でも一つ気になるんです…なんであの時クマノミが残そうとしたのをあそこまで?

最悪俺やフルルが食べてもよかったんですけど…」


ガブリエル「確かに、食事は他の命をいただく行為だから残しちゃいけないのは分かるけど…」


継月「いやそれをガブ姉が言うとすごい説得力あるんだけど…」


ガブリエル「そう?」


継月「俺としてはね。…で、あんかけさん。

もしよかったら理由をお聞きしても?」


継月はあんかけに昨日の夕飯での一件について聞いた

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