第100話 ユウとリン
リンの卒業パーティーの数日後、ユウとリンは二人でポタリングをしていた。いつもの川沿いの遊歩道脇の桜の花は満開だった。
「すっかり暖かくなりましたね。」
「うん、少し汗かいちゃうから、帰ったら一緒にお風呂に入ろう。」
「えっ、本当に入るの?」
「ユウが言い出したことじゃない。それともユウちゃんは嘘つきなのかなあ?」
「ううう、、、分かりました。。。」
「恥ずかしがらなくても大丈夫よ。ハルは帰省していないし、私がユウを隅から隅まで優しく洗って、あ、げ、る♡」
「けっこうです!!」
リンは、あははと笑って、少しスピードを上げた。
私、今日無事に帰れるのかしら?貞操の危機を感じるユウだった。だが、自分が言ったことなのだから仕方ない。それにこれからもリンと一緒なら何も怖くないし、楽しめる。
ユウもリンについてスピードを上げた。
アイボリーと黒の2台のスチームローラーは風を巻いて、桜のトンネルの下を駆け抜けて行った。
(シングルスピード 完)
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