第62話 レイ先輩とコトコ先輩

ミトが『ワンスモア』の現部員をレイとコトコに紹介した後で、まずは、レイが挨拶をすることになった。


「私がダイエットにはロードバイクが最適であるという経験のもと、設立した『ワンスモア』が今もなお存続していることを嬉しく思います。今日はコトコちゃんと私のおごりですので、好きなだけ飲んでちょうだいね。」


「レイ先輩、少し太りました?」


「うるさい、ミト。最近あまり走れないのよ。」


次にコトコが、


「ロードバイクは、転倒や事故に気を付ければ、適度なスピードによる精神の高揚が得られる最高のスポーツです。ガッツ入れて楽しんでね。あと日焼けにも気を付けて。そのうちポタリングに参加させてください。」


あ、あのミトの口癖は、この先輩譲りなのねと、周りのみんなは思った。


和やかで楽しい歓迎会だった。ミトとリンも先輩たちがいるせいか、それほど飲み過ぎることもなかった。


レイとコトコは、ユウによく話しかけてきた。ミトから何か聞いているのかも知れない。レイがミトに今後の活動予定を尋ねた。ミトがユウに何か考えてると振ってくる。


ユウも雰囲気に流されたのか、


「私、『ワンスモア』のみんなとしまなみ海道に行きたいんです。」


つい言ってしまった。場がわっと盛り上がる。


「いいね。」「行きましょう。」


レイとコトコも、


「私たちも行くわ。それまでに少し鍛え直さないと。楽しみね。」


歓迎会が終わった。レイとコトコは、かなりの金額を払ったらしいが、嬉しそうだった。ユウと握手して、「しまなみ海道、楽しみにしてるわ。」と言った。


レイとコトコはミトと並んで歩きながら、「次も安心ね。」とミトに言ったのだった。

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