2-5
翌日になり、翔也は顔合わせの為にスタジオへ若葉は学校へ行くのに同時に家を出た。
そして途中まで一緒に行くことになる。
翔也はバレないようにマフラーで口元を隠したが...
「あっつ....!」
「えぇー寒いよ...ってああ、あんた道民だったね。」
そーだったそーだったと言いながら若葉は翔也の横を歩く。
「まあ、バレるよりはマシだよな。」
「そうだね。んじゃ、私あっちだから。」
「じゃーな。」
若葉は翔也の背中をみる。自分より10センチは高いが、年は自分と同じ14歳で。
同じ歳なのに若葉は普通に学校へ行き、部活をし、仲のいい友達と遊び、悪口を言ってくるやつからは離れ、家に帰ってくる。
対して翔也は仕事で若葉ほど十分に学校へは行けず、忙しくなれば学校どころか住んでる家や家族からも離れて日本全国のファンを喜ばせるために仕事をする。
そして時としてアンチにあることない事を言われ、傷付けられる。
「同い年...なんだけどなぁ....。」
若葉は手を空に掲げて見上げる。
こんな所で立ち止まっている場合ではないと歩き出した。
朝の部活では皆心配するような表情や避けるような様子を見せたが、腹いせも兼ねて投げまくって勝ちまくり皆いつも通りになった。
しかし顧問に腹筋を更に鍛えるよう言われるとごもっともなのにへこんだ。
忘れられてなどいない。
しかし見ていたのは柔道部の一部の部員だし若葉は彼らの中で一番強いので、学校中に広まることはないだろう。
誰から引き継いだのか分からない自分の馬鹿力に感謝した瞬間だった。
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