挿話【??】 繰り返すループの狭間で

Scene24. 日時不詳

 君は信じられるかい?

 昨日まで疎遠だった幼馴染の女の子が「私はあなたを助けに未来から来たの」なんて言って来たとして。

 俺の場合は……どうだろう。

 ただの言葉遊び、思考実験としては面白かったかもしれない。

 でも実際に自分がそれを言う立場になったとしたら、信じざるを得ないよね。

 むしろ、相手に信じて貰わなくては困る。

 だってその相手を助ける為に未来から過去へ行ったのだから。

 ここから語るのは、俺が体験した奇妙な2日間の……いや、正確には2回分の2日間。つまり4日間の出来事の回想だ。

 だからタネを明かしてしまえば、とりあえず俺は2回目の2月14日までは辿り着けたわけだ。

 いま俺は、この事件の真犯人をおびき寄せて、待ち構えているところだ。

 うまくいけば、ここでループは終わり。

 2月15日を迎える事ができるだろう。

 うまくいかなかったとしても、この時点で事件の真相は解明されている。

 次のループにあの信頼できない語り手を送り込むのはちょっと気が引けるけれど、まぁなんとかなるだろう。

 どうすれば俺たちの事件を回避できるのかは既にわかっているのだから……。

 さて、それじゃあ話していこうか。

 まずは、何も知らない俺の所に未来からあの子が来た所から……。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る