Scene19. 2月14日 (2週目) 朝1

 いつも通りの朝が来た。

 私は慌てて起きて朝食を食べ、悠斗と一緒に登校しようと迎えに行ったけれど一足遅かった。

 悠斗の家のインターホンを押すと悠斗のお姉さんが出て来て、悠斗がもう学校に行ってしまった事を教えて貰った。

 おかしいな。

 確かに前回は悠斗と一緒に学校に行ったのに。

 もしかして、どこかで選択肢を間違えたって事なのかな。

 前回は確か悠斗の方からメールが来て、それで起きて、一緒に行く事になっていたんだっけ。

 しまった。

 失敗したなぁ。

 今回は私の方から悠斗にメールして、一緒に登校する約束をしなきゃいけなかったのか。

 どうしよう。

 今日の朝は通学路で悠斗と一緒に居る時に可奈子ちゃんに会うはずだったのに。

 運命と違う事をしてしまったら、結果が大きく変わっちゃうことだってあるかもしれないのに。

 私は慌てて通学路を走る。

 悠斗でも、可奈子ちゃんでもいい。

 誰かに会わないと、不安だった。

 家を出る時間が大分ずれてしまったのか、私は学校の校門付近でようやく可奈子ちゃんに会う事ができた。

「おはよう、可奈子ちゃん!」

 息を整えながら可奈子ちゃんに声をかける。

「……」

 返事はなかった。

「ねえ、可奈子ちゃん。悠斗と会わなかった?」

 可奈子ちゃんを振り向かせようと、肩に手を置いて話しかける。

「……やめて頂戴!」

 バシッ

 可奈子ちゃんに手を振り払われてしまった。

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