第37話 ご入学


思いっきり四月をすっ飛ばしていました。

はい、もう五月です。


四月はいろいろ大変でした。

何と言っても、入学&新年度。用意やら根回しやら、ドタバタとしておりました。


とにかく入学です。

カースケさんの入る中学は、二つの小学校が合わさって入ってくるので結構な人数がいます。そんな中ではなかなか手厚い援助は見込めないかも、との見方が大半でした。

不登校と自閉スペクトラム症があるカースケさん、援助はまあどっちでもいいとして(投げやりな感じではなく、現実的に見て小学校ほどの手厚さはなくて当然だろうという見解です)、こちらから事情の説明は必要だろうと考え、アポを取って中学に行ったのが3月頭。

スクールカウンセラーの先生と生徒指導の先生のお二人に、これまでの経緯や自閉スペクトラム症のことなどお話させていただきました。

不登校のきっかけがきっかけなので、お二方とも唖然とされてました。

「(教師の体罰等々)そんなことがあるなんて信じられない」と言いつつ、その事実から学校へ行けなくなったということは十分理解していただいたようでした。


さらに生徒指導の先生は、支援級への所属も勧めてくださり、急遽支援コーディネーターの先生との面談を設定してくれたのです。

行けるかどうか分からないわが子を支援級に所属させるのもなあ、と考えていたのですが、とにかくお話してみよう、と経緯や現状をその先生にもお伝えしてみました。すると先生の経験などから、本当に一歩ずつ一歩ずつできることからやっていきましょうと励ましていただき、さらに申し込み期限がギリギリだったのにもかかわらず、支援級への所属も手配していただいたのです。

援助等への手厚さを一切期待していなかったのにここまでしていただけて、ちょっと感動しました。

取り持ってくださった生活指導の先生の優しさと熱意に本当に感謝です。


そしてこの先生、これだけではなかったのです。

少しでも中学に慣れられるように、と本人納得の上で見学をお願いしていたものの、やはり当日にカースケさんが動けずお断りをしたら、なんと先生が直接家まで来て、中学の説明などをしてくださったのです。

まだ入学もしていない見ず知らずの子供にここまでしてくれはるんや、とびっくり。

たぶんカースケさんも、こんなにしてくれる先生がいるんや、と中学への恐怖心などは少し減ったのではないかなぁと思います。


だからと言って、事がうまく運ぶのかというとそうではなく。

入学式の前日まで、「イヤやけど最初に行っとかないとずっと行けないままな気がする」と言っていたカースケさんのため、私は上靴やら何やら用意をしていました。

(制服は買ってから着れないかったときの金銭的ダメージが大きすぎるので買ってません。なんと学校が当座使えるようにとレンタルしてくれました!)


そして迎えた当日。

生徒指導の先生が朝様子を見に来てくださったり、支援級の先生もお電話をくださったり。それでもいつまでたっても動かないカースケさんに私の苛立ちもつのりまして。結局うだうだごちゃごちゃ煮え切らないカースケさんと大モメにモメ、「死んだ方がよかった」的な発言にブチ切れて腹パンしてしまいました…

(それが私の至らないところだというところは重々承知。やっぱり手は出したらあきません)


結局行けなくて、それでもなんとか腹パンは謝ってカースケさんも少し気持ちを立て直し。

そうこうしているうちに、生徒指導の先生と担任の先生が家まで来てくださり、そのあとに支援コーディネーターの先生と支援級の担任の先生も来てくださり、あわあわしているうちに入学式の日は過ぎていったのでした。


ちなみに、カースケさんのことを一番分かってくれている親友くん、同じクラスでした!たぶんこれは、小学校からの申し送りも効いているんじゃないかなー、と思います。

そして入学式の日の夜、親友くん親子が誘ってくれて、カースケさんとチーコさんを連れて一緒に夜のお散歩へ。

全然学校に復帰できないカースケさんをずーっと待ってくれている親友くん親子、本当に感謝しかない。(ここのママさんも本当にええ人で、さんざんお世話になってます)


ドタバタの入学式に一日は、こんな感じで終了しました。

その後、なんとか少しでも、と思ってくれたのか、カースケさんは門までの通学(?)を頑張っております。

それも、歩いても10分かからない距離を車に乗って、隠れながらですが。

それでも「行ってみようかな」と思い行動に移していることが、彼にとっては大きな一歩!

苦手な運転も、息子のためなら頑張りますよ。


とりあえず、カースケさんのご入学はこんな感じでした!

チーコさん進級編はまた後日。


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