第36話 卒業式


本日、カースケさんは、卒業式を迎えました。


当然のように、体育館で行われる式には出席できず。教室にすら行くことはできませんでしたが、現在の担任の先生の計らいにより、別時間かつ別室にて、卒業証書をいただくことができました!


先生に名前を呼んでいただき、校長先生に証書を手渡ししていただき、ちっこいシンプル卒業式でしたが、親としてはものすごくほっとして嬉しかったです。


その後、カースケさんがお世話になった別室登校担当の先生と、4年と5年のときの担任の先生、今の担任の先生にご挨拶をし、先生方からお手紙をいただき、カースケさんの卒業式は終了。

皆さんに「よく来たな」「えらかったな」など誉めてもらえて、カチカチに緊張してたカースケさんも「来てよかった」と思ってくれた様子。


最後に担任の先生に送ってもらい運動場に出たところで、カースケさんの一番の親友くんがこっそり待ち伏せしてくれていて(カースケさんには内緒にしてた(笑))、なぜか先生含む3人でボール遊びをしてから帰る、という小学生らしい時間を過ごしてみました。 


日の光を浴びながら躍動するカースケさんを見るなんて、いつぶりやろ??

これが本来の姿やねんな~、なんてちょっと感慨深かったり。

小学生活の最後の最後で、そういう姿を見られてすごく嬉しかったです。


本当に、いろんなことがありすぎた小学生活でした。特に3年生のあのときから、しなくていい経験もしたし、考えなくていいことも考え、とにかくしんどい思いばっかりの約3年半だったと思います。

それでもなんとか卒業できた。 

カースケさん、めちゃくちゃ頑張りました。

久々のドッヂボールもどきで汗だくの頭をわしゃわしゃしてみました。

本人いわく、「オレ卒業したんやな、ここまで生きてると思わんかったわ」と。


生きててよかった。

ほんまによかった。 


すぐ「死にたい」言う子やけど、頑張ったから、頑張って生きることを選んできたから、今日を迎えられたんやで!と伝えたいです。


たぶんこれからも、乗り越えないと行けないことはたくさんあって。

抱えている自閉スペクトラム症は治るもんでもないし、過去に与えられてしまったトラウマは消えるもんでもないので。

それでも、新しく進むことはできるんです。

それをこれから、カースケさんにはなんとか気づいて理解してもらいたいなー、と思ってます。


久々に運動してバテバテのカースケさん、疲れたわ~と言いながら、「中学、行ってみようかな…」とつぶやいてました。

実際できるかどうかは分からないけれど

そう言えたということがどれだけすごいことか!

今日を何かの転機としてくれることを、オカンは切に願っているのです。

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