第22話 二月もほんとうに逃げちゃった。
あっという間に二月が過ぎていきました。
こんなにあっという間に感じるというのも、なんの代わり映えもない毎日だったからかもしれません。
1月時点で書いていたことと、なんにも変わることなかった2月。
カースケさんは多少のアップダウンとともに暮らし、チーコさんはごくたまに学校に顔を出すのみの生活。
良くも悪くもない現実です。
それでも確実に成長を感じられる出来事が。
このまえいちご狩りに行ったのですが、人に会いたくないというカースケさんはお留守番。去年までは行けてたんやけどね。
毎年家族で行っていたので、悲しくなったチーコさんは行きの車で泣いてました。
それでも、行けなかった現実はさておき、行かないと決めるまでのカースケさんは成長を感じられるもので。
いつもこういう出かける前には、行きたいけど行きたくないという気持ちの狭間で「行かなかったら怒られる」「行かないと言ったら殺される」「殺せ」「死ぬ」などの言葉がラインで飛び交うのですが、今回はそれがなかった!
(なんと物騒なラインでしょう…親子間やのに)
意思表示を口でできないため、ラインで会話するというのはいつものことなんですが、「どうしよう」「行かないと後悔はするけどそれでも行きたくない」と迷う気持ちを示す言葉はたくさんあったけれど、極論にまで飛躍することはまったくなし。
これは絶対死ぬ死ぬ言うぞ~、というこちらの警戒心をいい意味で裏切ってくれました!
これは本当に成長やと思うんですよ。
しっかり冷静に、自分の気持ちと向き合った証拠だと思う。
だからこそ、私も無理やり連れだすことはせず、「一緒に行きたいし、家族そろわないのは悲しいけど、カースケの考えを尊重するよ」という姿勢でいられたんだと思います。
こうせなあかん、とか、こう言わなあかん、とか、視界が狭くなってしまいがちなカースケさんに、選択肢をあげたかったから。誰がどうじゃなく、自分で決めてもいいんや、と知ってほしかったんです。
寂しがってたチーコさんにはかわいそうなことをしたけれど、ちゃんとカースケさんの成長の話もして、お兄ちゃん今日はちゃんと自分で決められたんやで、と説明。
来年は一緒に行こうね、と家族で確認しあって、無事今年のいちご狩りイベントは終了いたしました。
帰ってから、お土産を渡して話をして。
やっぱり一人で寂しかったカースケさんの気持ちを汲み、家族全員で桃鉄をして。
いろんなことを考えたけれど、みんないい選択ができたんじゃないかな。
それからは、心なしかカースケさんが明るくなったような気がします。
それでも、みんな一緒にというチーコさんの願いを叶えてあげられなかったことは気になってます。できるだけフォローはしたつもりやけど。
何よりアニキの言動に影響を受けやすいチーコさん。
寝る前に「一緒に行きたかったんやー!」とカースケさんに思いっきりパンチを繰り出していたので、まあいいかな。
溜め込まないのは、謎の多いチーコさんの心のことを思うとよかったのかなー、と。多少暴力的になりがちな部分があるので、そこは気を付けないといけませんが。
そんなこんなで、一進一退な我が家です。
明日から3月。春の初めに、少しでもいい兆しを感じられたらいいな。
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