第19話 伝えたいこと、伝わらないこと



いろんなことが一進一退の我が家です。


たくさん笑える日もあれば、ストレスからか胃がヤバい日もあって。

まあそれはどんな家庭でもそうでしょうけど。


カースケさんのこと、チーコさんのこと、どうすればいいのか分からないことばかりの中、当座の目標として「死なさない」ということがあります。(あ、もちろんカースケさんです)


これは、カースケさんの先々を思って支援コーディネーターの先生が会わせてくれた、中学校のケースワーカーの先生がおっしゃっていたこと。

カースケさんのように、言うなれば「希死念慮」みたいなのを持っている子は、今はなんとかなっても成長してからの自殺率が高いとのこと。

なので、今、そして将来も「死なさない」ことと、そういう気持ちを薄くしてやることが大事なんです。


そこで問題は方法。

子どもを死なさないためにできること。


そんなん考えなあかん親ってまじ切ないよ。でも考えて実践していかないとダメなんです。そんなに悠長なこと言ってられないので。


この長期に渡る不登校生活の中、いろんなことをしてきました。なんとか学校に行かそうと無理やり引っ張って行ったり、帰る私を止めようと暴れるのを降りきったり、先生に迎えにきてもらったり、同級生に迎えにきてもらったり、まあ思い付く限りのことをして。


どれも不発。というか、逆にトラウマを作ってしまったり。


学校に行けるようになりたい、という思いがカースケさんにあるから、なんとかそれに添うようにやってきたつもりやったけど、今思えばもっとゆっくりのんびり構えてやれば良かったなー、なんて。


学校がなんぼのもんやねん。

焦らんと今は家でゆっくりしぃ。 

なんもせんと、そう言うてやればよかった。


そして今も。

学校に行けないのも、ゲーム時間を減らせないのも、ぜーんぶそのままのカースケさんを受け止めること。

それが出来てなかったんちゃうかなー、と思うのです。


ゲーム依存とかゲーム脳とか、心配はあるんやけど。

それでも、なんとかほかの趣味を見つけようとチャレンジしたり、あれやこれや見せたり聞かせたりした結果、それでもゲームしか残らんのなら、もうそれがカースケさんなんや、と認めてあげること。


それがなくてあかんあかんって否定ばっかりしてたら、カースケさん自身が自分を受け入れられなくなってしまうんちゃうかなー、と今更ながら思い始め。


まずはありのままを認めること。

どんなカースケさんも大切で、大好きなんや、それを伝えること。

死なさない方法として、結局、それしか思い付かんかった。


あとはこれを実践するのみ、なんやけど。


ここへきて、問題発生。

私のこの思いが、なかなか周囲に伝わらない!!


ほかの関わってくれている人たち、みんな心配して言ってくれてるんやけど、ゲームさせすぎやとか勉強させろとか、挙げ句の果てには子供の言いなりになりすぎや、とか言われ。


分かってる分かってる分かってる!!


全部分かってるねん。だって親やから。

このままでええなんて少しも思ってへん。

勉強せなあかんことも、ゲーム時間長すぎることも、全部知ってるねん!

でも、カースケさん、そこの域には到達してない。安心してココに存在することすらままならん子に、そこまで求めてたらあかんやん。


確かに私もちょっと前まではそう思ってたから、偉そうには言われへん。

カースケのためを思ってのことやし、こんなに根っこがグラグラじゃない子なら、きっとその通りなんやろう。


でもね、カースケさんやねん。

まだまだメンタルの安定にはほど遠い子やねん。それを分かってほしいねんけどなぁ…


これが、ありのままを受け入れることの難しさなんでしょうね。


こんなん言うてても、私の思う通りにしていたせいでカースケさんが引きこもりのニートになってしまう可能性だってある。

そのリスクを知りながらも、答えがないから、正解がないから、自分の信じた通り進むしかないんやけど。


あーあ、ほんとに難しいです。


今の私に必要なのは、誰に何を言われても揺るがない強さなのかもしれません。

結果親子共倒れになって、言わんこっちゃない、なんて言われないようにがんばるしかないんやろうなー。










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