第17話 秋の風物詩
日曜日は運動会でした。
コロナの影響で、例年のように大々的なイベントとして開催するわけにも行かず、取り止めにする学校も多い中での開催。
結局は、各学年ごと2種目のみで、保護者は生徒一人につき二人までの完全入替制となりました。
さて、そこで我が家の状況。
まあ、当然出ませんわ。
二人ともダンスの練習とか絶対無理やし、カースケさんに至っては大人数が無理、言うてんのに行けるわけないので。
そこで出てくるのが、見学っていう可能性。
対学校、としては本当にどうでもいいけれど、運動会は友達がたくさん頑張った結果なんですよね。せめて応援してあげたら?という気持ちで誘ってみたりして。
チーコさんは、前々から見に行く、と言ってました。友達のことを「親目線で見るわ」とか言うて(笑)
それならそれで、私は一緒についていくのみ。二人で学校まで行ってきました。
チーコさんの場合は、別に周りに人がいても大丈夫。見学しにいきたいねんから私服であれなんであれ行くよ、ていうくらい堂々としてます。それがいいのか悪いのかは正直分からんのですが。
二人して門をくぐり、チーコさんは保健テントへ。今年は特に徹底して見学ルートなどを定められているため、親はそこには入れないことになっています。なので私は私で与えられた席へと移動。
まわりがカメラやビデオを構える中、やることのない私はぼさーっと立ってるだけ。だって撮るモンないんやもーん!
我が子の出ていない運動会を見る、というのもシュールなもんで。なんかもう、手持ち無沙汰というかせつないというか、どうにもよー分からん気持ちになりました。
一生懸命走り、踊る子供たち見ながら思うのは、何が違うんやろう、なんていう取り留めのないことで。
ウチの子は二人とも、この場にいられないわけで。運動会に出る、とか、学校に行く、とか、普通やと思っていた現場に二人ともいられなくなって、でも二人は前からずっと変わらず私の子供で。
この差はなんやろ??
ただただ純粋に、差を知りたい。
どこがどう違ってこうなったのか、原因を知りたいんです。
一つはっきりしてるのは、私は別にこの「差」を悪いことやとは思ってなくて。
普通、と呼ばれる流れに乗っかれるならその方が楽やけど、無理なら無理で別の方向性を探せばいいやん、て思ってるんです。
というか、これまでの流れを経て、そう考えられるようになったんですが。
でも、別の方向性を考えるにあたって、ここの差を知っておくことは大きなヒントになる気がするんですよねー。
でもいまだ掴めずで。
ああ、うまくいかんもんや。
と、まあそんなことをごちゃごちゃ考えつつ、チーコさんの今年の運動会は終了しました。
そして、その約2時間後、カースケさんの運動会。
彼の場合は、「見るだけ行こうかな」「やっぱりやめとこうかな」と前から揺らいでました。
直前も「やめとくわ」と結論を出したんやけど…
「親友くんもみんな頑張ってたんちゃうん?行くだけ行けば?」
と最後に声をかけたら、「やっぱり外から見るわ」と。
もう競技の始まりの時間は過ぎていたけれど、ウチの家、皮肉なもんで学校から近いので、全然余裕!「やっぱりイヤやなー」「人おるんイヤやー」など愚痴るのをスルーしながらなんとか学校の前まで来て、門の外から覗いて。
中にいる先生方に、「入れますよ~、どうぞ~」等言われるのを笑顔で断り、同級生たちを遠目で見てました。
それでも、登校してくる次の学年の子供たちが増えてくるにつれ、「人無理~(涙)」となってしまい、最後までは見られずに帰ったんですが。
まあ、そんなこんなで我が家の運動会は終了。出ていない運動会でこんなに疲れたんは初めてでした。
今回の件で分かったこと。
チーコさんは、少しゆっくり別室等で過ごせば、学校生活に戻れる可能性があるということ。
帰り道の保護者の波に揉まれても平気そうなこととか、「見てたら走りたくなったわ~」という前向き発言から、その可能性は感じるのですよねー。ただ、タイミングを間違うととんでもなく拗れそうなので、様子をしっかり見ることが大切かな。
そしてカースケさん。
周囲に人が増えてくるだけで吐き気や心臓の痛みなどが出現してきてしまった状況を見ると、これはしっかりと治療する必要があるのかなー、と感じました。
学校に行けない罪悪感なんて早く捨てて、自分らしく過ごせる毎日を手に入れてほしいから、そこの部分のサポートを強化しないといけないのでしょうね。何にしろ、これは次の通院時の相談案件になるでしょう。
こんな感じでいろいろ見えてきた運動会。
たぶん、あの輪の中に二人が入ることってしばらくはないんやろうけど、ちょっと問題点が整理できた気がするのでよかったかなー、と思います。
以上、新しい「運動会の使い方」でした!
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