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「イツキちゃんがそこまで言うなら今度行ってみることにするよ。でもおじさん一人で行くのはちょっと恥ずかしいかな」

「おじさんだなんて。お兄さんでしょう?」

「素敵なことを言ってくれるね。チョコレート食べる?」

 なんてね。でもそんなに可愛いお店、ちょっと気が引けるかも? きっと若い女の子ばかりなんだろうし・・・リンでも連れてカムフラージュするか。

「んー、でもほら、男性って待ち時間が長いのはあまり得意じゃないと言うじゃないですか」

「待ち時間? んー、そうだね。男は女性のようにカフェでゆっくり過ごしたりはあまりしないからね。お腹が減ったらパッと入れてスッと出てきてサッと食べられるような所を好むから」

 だからこそ一般的に男はお待ちが嫌いだと思われるのかもしれない。分からなくもないけどなぁ、俺はゆっくりしたい派だからそれなりに待ち時間も平気なタイプ。あんまり長いのは困るけど。

「やっぱりそうですよねぇ」

 あんなに楽しそうに話していたのに、今度は眉根を寄せてイツキちゃんは言う。

「今日が日曜だからって言っても多分、平日もそこそこ混んでいるんだろうし」

「どうしたの?」

 何となく言いたいことを感じ取りながらもそうやって問うてみる。意地悪? 何を今更。

「や、その・・・やっぱり長く待つのは嫌だろうしなぁって思って」

「それは誰が?」

「ん・・・んん~?」

「ん~?」

 口を一文字に結んでイツキちゃんが可愛く答える。言わなくても分かるってこと?

「多分大丈夫だと思うよ。アイツはそう言うの平気だと思うし、それに」

「それに?」

 それに、好きな子と並ぶのならむしろ長い時間一緒にいられる方が良くないか? なんてね。

「デートしたらまた写真見せてね?」

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