「世界から色がなくなった。」

あの日、あなたはそう言った。


「昨日までの日常に戻れない。」

あの日、あなたはそう言った。

「それなりに幸せだったのに。」


あの夜、励まそうと思って言った言葉が、

あなたを泣かせてしまった。


あなたの世界に色をつけようと

私は言葉を探し続けた。


そんな私の言葉のひとつひとつが、

あなたを傷つけていった。


「世界に色が戻った。」

その日、あなたはそう言った。


私の世界もきっと。

そのとき色が戻ったのだろう。

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