第6話 新たな仕事
俺が生徒会の手伝いをしてから二週間が経った。
例の部活紹介はうまくいったのかは各部活でそれぞれだろうが、龍也のいるバスケ部はなかなかの人数の部員を確保できたようで嬉しそうだった。
小鳥遊のいる陸上部も例年よりも多かったそうだ。
まぁそれは小鳥遊がインターハイに出場したことが大きいだろう。
そして俺はというと……
「如月これ配ってくれ」
「分かりました」
といった具合に学事補助委員本来の仕事をこなしている。
ただ学校が始まって二週間が経ったけれど働いているのは今のところ俺だけだ。
それは俺が男子だからなのか、小鳥遊が部活をやっているからなのか、はたまた俺の気を引こうとしているのか……いや、流石にそれは無いだろうけど、とにかく理由は分からないが男女平等をうたっている世の中とは違い、岬先生は何故か小鳥遊には何も言わずに全部俺に仕事をやらせてくる。
どうしてだ!とは思うけど今更文句を言ったところで意味がないのはもう分かりきっているので言うつもりはない。それに俺は小鳥遊に無理に仕事を押し付けるつもりもないのでそう言った話はしないことにしている。
多分だけど、俺がそういうことを言ったら小鳥遊は気にするはずだ。そういう性格だということぐらいは彼女のことを分かってきている。
そして俺は二年間で培った技術を駆使して素早くプリントを配り、自分の席に戻った。
「今日は成田から話があるそうだ」
俺の着席を確認した後岬先生はそう言った。
すると委員長の成田は黒板の前まで歩いていきそこに立った。副委員長の羽川は出てきてないのでそこまで大きな話でもないのかもしれない。
さて、成田からの話とは何だろうか?
「今週末の土曜日にある公園の清掃活動する人を決めます」
成田のその言葉で教室からは不満そうな声が上がる。
うわぁ、確かにそんなことあったわ。
俺も今その存在を思い出した。
これは四月最後のイベントだ。確か『新しいクラスになったので、交流する機会を与えます』と言うのがこの清掃活動の目的になっている。
だけどそれは表向きの理由で本当は『寄付金を集めるためのアピール』と言うのがもっぱらの噂だ。
俺の通っている笠原高校は私立なので学校を維持するには寄付金が必要だ。そのために生徒を使った地域に対する慈善活動というのは印象がいいのだろう。
この企画の主催は生徒会になっているはずなので『生徒の自主的な活動』と言うことでそこもプラス査定だ。
「もう知ってるかもしれないけど、クラスからは最低二人出てもらいます。もちろんそれ以上立候補しても構いません」
だけど、そんなの生徒側にとってはどうでもいいことで、こんなめんどくさいことをやりたいと言う人はいないはずだ。例にももれず俺もやりたくはない。
一年の時も二年の時も、立候補者など出ずにスマホのくじ引きで決めたっけ。
そして今回も誰も立候補する人はおらず静まり返っている。このままいけば去年と同じでくじ引きで決まるのだろう。
「はぁ……仕方ないわね。それじゃ私のスマホの――」
「いや、その必要はないぞ成田」
「え……?」
そして案の定、今までと同じ感じで決まりそうだったけどそこで『待った』の声がかかった。
俺はその声が聞こえてきた瞬間、背中から嫌な汗が流れ始めた。
……この流れ前にも似たようなことがあったような気がするぞ。あれは確か二週間前の生徒会室でか……ていうことはまさか!
俺はそうして嫌な予想にたどり着き、なんとなく岬先生と顔を合わせないように顔を伏せた。
「……どうした蒼真? 腹でも痛いのか?」
「いや、何でもないから俺に話しかけるな」
「……? 変な奴」
今は龍也に構っている暇はない。
俺は無駄だと知りながらも自分の存在感を出来るだけ消すつもりだ。
「でも、誰も立候補者はいませんよ?」
「ああ、確かにいないな」
「じゃあどういうことですか? もしかして、もう内部で決まってるんですか?」
「ある意味そうだな」
「はぁ、それは誰です?」
審判の時がやって来た……のかもしれない。
とりあえず今は俺のクラスの誰かがこの清掃活動をやりた過ぎて先に生徒会の顧問である岬先生に言っていたという、どう考えも低い確率に賭けてみる。
ただ、前方斜め前からの強烈な視線にさらされてそんな可能性は幻想だったと思い直さざるを得なかった。
そして、それに続くようにいろんな視線が俺を突き刺していく。
いや~こんなことで注目されても嫌なんですけど。
チラッと小鳥遊がいる方向を向いてみると、バッチリと目が合った。その表情は非常に微妙なものだ。
――これって……私たちのことだよね?
そんな言葉が目から伝わってくる。
――そうだろうな。
俺はそんな感じに瞼を閉じて頷いた。
「だよな、如月」
「はぁ……」
「そうなんですか? ……如月くんやってくれるの?」
「いや、俺はやりたくない」
先生は当然のように俺をご指名のようだ。
そして俺は無駄だと知っていても当然一度は否定させてもらう。
成田はまだ学事補助委員の岬先生ルールを知らないし、見た目もその中身も委員長のような人だから俺の意見を尊重してくれる可能性がある。いや、見た目は関係ないけど。
「と如月くんは言ってますけど」
「そんなことは関係ない。如月は学事補助委員だから今回の学校行事において誰も立候補しないならそれを代わりにやる義務があるんだよ。だから大丈夫だ」
「……いいんですか? 如月くんすごく嫌な顔してますけど」
「ああ、大丈夫だ。あれは嬉しくてたまらないといった顔だからな」
「いや、流石にそれは無いかと……それに私そんな話聞いたことがありませんが」
「まぁ、これは私の持論だからな。だが心配するな。成田たちには何ら不都合はないし、体育委員は体育の授業の手伝いをするだろ? それと同じだと考えればいい」
「は、はぁ……」
成田はどこか納得しかねている様子だ。
「……でも、そう言うことなんですね」
「ああ、そうだ」
「分かりました。それじゃあ一人は如月くんでいいかしら?」
ただ成田も月詠と同じで呑み込みが早いタイプなのかもしれない。それか自分に害がないから割り切ったかのどっちかだな。
とりあえず俺の考えた可能性は消えたようだ。
それでも俺としては断りたいところだけど、
「……分かったよ」
としか言えないのが現実だ。
「となると、もう一人はどうしましょうか」
「それもいるだろう?」
「……やっぱりそうなりますよね」
どうやら今回は流石に俺一人だけという訳ではないようだ。
「やってくれる、小鳥遊さん?」
「うん、私は大丈夫だよ」
「そう、それなら決定ね」
教室内からは安堵する声が聞こえてくる。
それは何も今回の清掃活動についてだけじゃない。
学事補助委員になろうとしていた面々からも「やらなくてよかった」というそっち方面での安堵も聞こえてきた。別にそれらの声はどうでもいいけど俺以外にいるもう一人の帰宅部の野郎は俺の方を見ながら笑ってやがる。あれは腹立つ。
あいつは確か……生活委員だったか。……何かめんどくさい仕事でもやらされればいいのに。
「ちなみに他にやりたい人はいるかしら? 最低二人ってだけで上限は無いから」
その成田の追加招集には誰も応じない。
まぁ、当然か。ここで立候補するくらいなら最初から出ているだろう。
「まぁいないわよね。それじゃあ私たちのクラスからは如月くんと小鳥遊さんということで二人ともよろしく頼むわね」
「はいよ」
「うん」
「日時は今週の土曜日の十時からで現地集合だから。持ち物は軍手と学校指定のジャージ。一応伝えたけど廊下に張り紙も張ってるし、もし忘れたりしたらそっちを見るか私に訊いてね。それじゃあ私からは以上です」
そう言って成田は自分の席に戻っていった。
これで俺の土曜日の予定が埋まってしまった。しかもそれは公園の清掃と言う名の地域への奉仕に見せかけた学校への奉仕。
そんなことだからやる気は全く起きない。
この学校は生徒を学校の奴隷か何かと勘違いしてるんじゃないだろうな? ……まぁ、そんな歪曲した考えを持ってるのは俺くらいか。
「蒼真、お前マジでめんどくさそうな委員会に入っちまったな」
学校への恨み言を考えていると隣の龍也から話しかけられた。
「まぁ、そうだけど……別にもういいんだよ、それについては」
「お? もうすでに諦めの境地か? それともベテランの余裕か?」
「そんなところだ……でも、ベテランの余裕じゃないからな」
ベテランなのはプリント配りだけで、手伝いの方は素人だ。
そこを履き違えられると、俺が単なる奴隷人形になってしまう。
「十分ベテランだと思うんだけどな」
「違うの! もう黙らないと先生に目付けられるぞ」
「へいへい」
俺はそう言って龍也を退けた。
「他になんかある奴はいないか? いないならこれで終了だ。日直」
こうして平日の中で一番憂鬱な月曜日の学校が終わった。
※※※
そして問題の土曜日になった。
もし雨が降っていれば中止という話だったがそんなことは無く晴れている。天気予報も狙ったように今週は全部晴れだったし、しかもいつもより気温は少し暖かいときている。外での活動には最適な状態だった。
場所は学校の近くにある公園。
ここは単なる公園ではなく六月に祭りを開催できるくらいには大きかったりする。
その祭りは結構人気でウチの学校では四月、五月に成立したカップルの登竜門だったりするようだ。
そしてこの祭りを機に一旦学校内のカップルでは分かれるか、仲を深めるかの二極化が起きるようで、比率的には七対三という統計を龍也から聞いている。
まぁ、ここに向けた急造のカップルも多いだろうからそれは当然の結果だろう。
龍也もその一人になるべきだと思うけど……それは期待できないか。あいつもチキンだし。
そんなことを考えながら歩いていると、
「おはよう如月くん」
と俺に挨拶してくる声が聞こえてくる。いつの間にか俺は例の公園に着いたようだ。
現在時刻は午前十時。例のごとく俺はギリギリに集合場所に来ており人もかなり集まっている。多分俺が最後の参加者だろう。
「おはよ小鳥遊。結構人集まってるな」
「うん、そうみたい。生徒会の人達も岬先生も来てるよ」
「生徒会は当然としてやっぱり岬先生もいるのか……」
「だって岬先生も生徒会の顧問だし、監督者として必要なんだと思うよ」
「まぁ、そうだろうな……」
「どうしたのそんな顔して……もしかして先生に苦手意識でも出来ちゃった?」
「いや、そういう訳じゃ……ただ先生がいると何が起こるか分からないからさ」
「ああ……なるほどね」
俺にだけノルマを課せられたりしてな。そして達成できなかったら残業みたいなブラック企業なことは……流石にないだろうな? ……ないことを祈ろう。
「皆さんおはようございます。生徒会長の月詠です。今日は集まってくれてありがとうございます」
俺が将来に対する不安を考えていると一番前にいた月詠が拡声器を使って話し始めた。その近くには他の生徒会役員の人達、そして岬先生が立っている。
喋っていた人達はみんなして黙り込み、目の前の月詠に注目した。特に一年生は見ることが自体が珍しい月詠に目を奪われているのかくぎ付けだ。
「今日はここ岡島公園の清掃活動ということでよろしくお願いします。では簡単に説明します。一年生は公園の北側の、二年生は公園の中央の、三年生は公園の南側の清掃をお願いします。それぞれの場所には私たち生徒会がいますので分からないことがあれば訊いてください。午前十一時になったら終了です。いったんここに集まってください。それでは一年生からゴミ袋とトングを渡しますから前に取りに来てください」
そうして一年生から生徒会の人に必要なものを取りに向かっている。
少し待ってから俺たちも受け取りに行った。
「あら? 如月くんと小鳥遊さんじゃない。あなたちもこれに参加してたのね」
そして、俺らが受け取る時の相手は月詠だった。
「まぁ、やりたかった訳じゃないけど」
「それって如月くんもじゃんけんとかで負けた口?」
「いや、それならまだよかったんだけど……ほら、俺たちってさアレじゃん」
「ああ……学事補助委員ね。ということは岬先生に言われたのね」
「正解」
「ホント二人とも大変ね。しかもこんな学校のパフォーマンスに付き合わされるなんて」
「それ、生徒会長の月詠が言っちゃう?」
「そうだよ月詠さん。岬先生に聞かれたら大変だよ?」
「いいのよ。だってこれ岬先生も言ってることだから」
全くあの人は……曲がりなりにも教師なのに……
絶対教師になってなかったら辛口のマスコミとかコメンテーターになってただろうな。
「はいこれ。あなたたちのゴミ袋とトングよ」
「どーも。それじゃあ行こうか」
「うん」
「頑張ってね」
そうして俺達はゴミの住む公園への中へ向かった。
そう言えばゴミ拾いはいつ以来だろうか。
そう考えてみると小学校の時の課外授業でやった記憶が蘇ってきた。
よくそんな時のことを覚えていると思うかもしれないけど、それだけ印象的で衝撃的な出来事があったのでそれだけ記憶に強く焼き付いていたのだろう。
あれは確か今日みたいな公園のゴミ拾いをしていた時だ。
皆が木の下とか草むらとか普通な場所に落ちているゴミを拾ってる中、俺だけ何故か遊具の下のそれもあまり人が来なさそうな場所で一人ゴミ拾いをしていた。
多分好奇心からだろう。……さすがにそのときからさぼり癖があったとは思いたくはない。
そして普通そんな所にゴミなどないはずだけど、その時俺は見つけてしまった。
それは、肌色成分の多い表紙とそこにR18と書かれた雑誌を……まぁ、エロ本だ。
高校生の俺なら興味はわくけど流せる出来事だろう。だけど当時小学生の俺には初めて見る代物で雷に打たれたような衝撃が体に走ったのをよく覚えている。
それまで俺は純情少年でそういう世界を知らなかったのだからそうなるのは仕方がなかった。
それからは時たま公園で遊んではエロ本探しをしたものだ。……小学生の男子としては普通だよな?
まぁ、そんな遊びも年を重ねるごとにしなくなっていったけど……と言うか落ちているエロ本自体が減っていって探しようがなかったんだけどな。
あの頃から電子媒体への移行が始まっていたんだろう。まったく……技術の進歩は時として子供の夢を奪ったりするものだ。エロ本探すのって意外と楽しかったからな。見つけた時の感動と言ったらもう……はぁ、懐かしいぜ。
「如月くん、そんな悲しそうな顔してどうしたの?」
と、ゴミを拾いながら過去を振り返り技術の進歩を嘆いていると小鳥遊にそう訊かれた。
「あ、いや、ちょっと昔のことを思い出してただけ」
「何か嫌なことでもあったの?」
「いや、昔には特に……どっちかって言うと今かな?」
「……今? それってこのゴミ拾いのこと?」
「ああ、いや、なんでもない。すっげーくだらないことだから別に気にしなくていいよ」
「……?」
エロ本のことだなんて言える訳がない。
「え、えっと……それよりも、あっち行ってみない? 誰もやってないみたいだし」
だから、話を変えるために適当にそう言ってみた。
「今、なんか隠したね如月くん」
だけど話の展開が不自然だから当然疑われる。
「い、いやぁ? そんなことないって。深読みしすぎだ」
「そうかなぁ……? 私の目を見ながらでも言える?」
「えぇ、それは……」
そんなことしたら嘘なのが絶対にバレる。
と言うかこの衆人環視の中、小鳥遊の目を見ながら言えとか恥ずかしいから勘弁してほしい。まぁ、こんな場所じゃなくても出来はしないけど。
「まぁ、そんなに言いたくないなら無理して訊かないけど……」
「そんな深刻なことじゃないんだけど……そうしてくれるなら助かる」
「じゃあ、訊かない。それよりも早く行こ」
そう言って小鳥遊は歩き出した。
はぁ……マジで助かった。
小鳥遊にと言うか女子にエロ本話は危険だろう。それも最近友達になった子となるとなおさらだ。
一歩間違えれば退かれるだけだからな。
俺は少し安心してから小鳥遊に付いて行った。
それからもぶらぶらとしながらゴミを拾っていくと時刻は午前十一時少し前を指していた。もう少しでこのゴミ拾いも終わりだ。
なので俺たちは最初に集合していた場所を目指しながらゴミを拾っている。
でもあらかた拾われたのか、それとももともと無かったのかほとんどゴミは落ちていない。
「もうゴミは落ちてないみたいだね」
「皆ちゃんとやったってことだろう」
「そりゃ皆ちゃんとやるよ。だって、サボってるところ岬先生に見つかったら何言われるか分からないもの」
「確かに……だけどそれって被害にあってる俺たちにしか分からなくない?」
「あ……それもそうだね。私、すっかり岬先生に染められたみたい」
「なんか嫌な染色だな、それ。それなら俺は汚染されてるかも」
「そんな風に言っちゃダメだよ。岬先生に訊かれたらおしまいだよ?」
「おしまいとか言うな。それに小鳥遊と意味そんな変わらないだろ?」
「そんなことないよ。『汚染』と『染色』じゃ、如月くんの方が悪く感じるよ?」
「いや、それ印象が俺の方が悪いだけで内容は同じだよな」
「でも、印象が違うだけで結果は変わると思わない?」
「確かにそうかもしれないけど……まぁ、どっちにしろ岬先生ここら辺にいないみたいだし大丈夫でしょ……?」
そんな岬先生に聞かれるとヤバめの話をしてると俺はベンチの下に何かがあるのが見えた。
しかも見方によってはそこに隠すかのように置いてある。
俺はそれに惹かれるかのように近づいていった。
「如月くん……?」
「あ、ああ、小鳥遊はそこで待ってていいよ。すぐ終わるから」
そしてベンチ下にあった雑誌サイズの紙袋を手に取り中を確認する。
「……」
そこには、肌色成分の多い表紙とそこにR18と書かれた雑誌が……まぁ、エロ本だ。
落ちてるエロ本は本当に久しぶりに見つけた気がする。今でも紙媒体で見る人がいるとは……
昔とは違い今はネット時代。
やっぱり紙媒体のエロ本はそれだけで珍しい。
だからこそこうやって見つけた時の感動は意外とあったりする。
「如月くん……? 何かあったの?」
だけどそんなにじっくり眺めている訳にはいかない。
今の俺には同級生の女子が近くにいる。
このままでいれば何かしらを思ってこっちに来るかもしれない。そうなった時の俺と小鳥遊の間に流れる気まずい空気と言ったら……想像したくもないな。
俺はそう思い、R18な雑誌を俺はそっと紙袋の中にしまい、元の場所に戻した。
どこかの宝探しに来た誰かに見つけてもらおう。それまでの辛抱だぞ。
「ねえ、如月くん」
「いいや、何もなかった」
「そう? その割にはそこでしゃがんでたような……」
「ゴミかなって思ったけど勘違いだったみたい。さぁ行こ」
「……また何か隠したね」
「い、いや? そんなことないよ?」
「そう? なら私見てきていい?」
「あ、あぁぁ、ダメ、絶対ダメ! ほら行くよ」
「あ、ちょっと待ってよ~」
雲行きが怪しくなったので俺は強引に先に行くことにした。
現在時刻は午前十一時ちょうど。清掃活動の終わりの時間だ。
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