サァッリムを帯びた名詞の部(v1-0477~0518)
v1-477
末尾に字を加えた語彙の篇
فعلل fä'läl,فعلال fä'lal,فعلل fu'lul 型の各種動符を帯びた語彙の章
بشغت boshghut 徒弟、学徒。
ترمت tarmut 隘路。「تاغ ترمت جتم tagh tarnut kächtim」我は山の隘路を越えた。
تکشت tägshüt 入れ替え、取り換え。例えば仮の貨幣と真の貨幣を取り換える様な事である。
ربجت räpchät 徭役。例えば、ベクが民の家畜を捕まえて無償で使役する事である。ケンチェーク語。
جبغت chapghut 柔らかい敷物。
قرشت qarshut 対立。昼と夜の様な対立関係。
قزغت qizghut 懲戒。見せしめにする為に、民に与える刑罰。
قؤشت qavshut 和解。郷土の安寧の為に二人の可汗の間の和解。
قؤشت qavshut カヴシュト。男の名前。
لجنت lüchnüt 小麦など穀類を脱穀する時、農民の間で相互に助け合うこと。平時、彼らは脱穀時に家畜や人力で互いに助け合う。ケンチェーク語。
v1-478
بجغوج pichghuch ハサミ。物を裁断する道具。
بذراج budhraq ブズラーク。ヤバークー部の一人の頭目の名前。「بکج ارسلان تکین bäkäch arslan tägin」の時代、この人は嘗てムスリムの捕虜になった。
یرکوج yärküch ナン焼きの釜戸でナンを焼く時に、ナンを引っ繰り返す、扁平な長い木の板。形は刀に似ている。
بسکاج püskäch 大きくて薄いナン。
تتماج tutmach 麺片(すいとん)。テュルク人の有名な料理。この種の料理はズルカルナインの時代に漸く出てきた。その経緯は此の様である。ズルカルナインが闇夜に走り出た時、兵士たちは忽ち兵糧を食い尽くしてしまった。彼らはズルカルナインに向かって「بزني تتما اج bizni tutma ach」と、文句を言った。意味は「俺たちを飢えさせるな」である。ズルカルナインは謀士たちと商議した後、この種の料理を思いついた。この種の料理は体にもよく、色合いもつややかで、飢えにも耐えられる。麺片は食べられ、汁は飲める。テュルク人は、この種の料理を見て「تتماج tutmach」と言った。この言葉は本来「تتما اج tutma ach」であり、二つの「ا」が一つ合わさり、その結果「تتماج tutmach」となった。その意味は「俺たちを飢えさすな、この料理を作って食わせろ!」である。
v1-479
تتغوج tutghuch 食事の前に食べる食欲を増す食べ物。
تدرج tudqich 糞。ヤバークー語。
تلغوج talghuch 縛り棒。家畜に乗せる貨物を緊く縛る為に、荷物と縄の間にある棒。それに縄を巻くと、縄は更に緊く締り、家畜の積んだ荷物が動かなくなる。
تؤغاج tavghach タヴガーチュ。マチン国の名。この国はチンから離れること四ヶ月行程にある。チンは元々三部分からなる。第一、上秦、その地の東方が「تؤغاج tavghach」と称される。第二、中秦、「خطای hitay」と称される。第三、下秦、「برخان barhan」と称され、これはカシュガルにある。しかし、現在我々は「تؤغاج」をマチン、「خطای」をチンと見做している。
تؤغاج tavghach タヴガーチュ。テュルク人の一部。彼らは「تؤغاج」に住んでいるため、「تت تؤغاج tat tavghach」と呼んでいる。「タト」とは回鶻で、「タヴガーチュ」とは秦人である。
تؤغاج tavghach 凡そ大いなる古き物を均しく「تؤغاج اذي tavghach ädhi」と呼ぶ。これはアラビア語の「شی ًعای アード部族の物」というのと同じである。この言葉は可汗達の称号にも使える。「تؤغاج خان tavghach han」は「古く大いなる国の可汗」という意味である。
تت تؤغاج tat tavdhach これは対偶詞である。ここの「تت tat」はペルシャの意味である。「تؤغاج tavghach」という言葉はテュルクの意味である。私が下した定義はかなり正確であると認識している。イスラム諸国で流布している理解は此の様である。二つの理解は共に正確である。
v1-480
تؤغاج tavghach 「تؤغاج یداسي tavghach yudasi」葉が百合に似ており、薬用に使える樹木。
سرقج sarqach 菊苣、キクニガナ。
سرقج surquch ある種の貝殻虫が分泌する樹脂。刀剣の柄に塗ったりもする。
سرنج sarnich 皮袋、水桶。
سغدج saghdich 朋友、友人。
سغدج saghdich 冬の間、友人同士で順番に遊ぶ宴席。
سؤدج savdich 籠。柔らかい細枝で編んで作り、果物などを入れるもの。
سنکج sänkäch ハシバミ程の大きさの甘い林檎。白や赤などの品種がある。
قتقج qatqich 蠍の様に人を刺す虫。エールグー語。
قسغاج qisghach やっとこ、金ばさみ。
قسغاج qusghach 小さくて黒い動物、人を噛む。オグズ語。
قشغاج qushghach 雀。
v1-481
کربج kärpich 焼いてない煉瓦。「بسغ کربج pishigh kärpich」煉瓦。
کرتج kirtüch 「کرتج کشي kirtüch kishi」嫉妬深く気立ての悪い人。
بشتر boshtar 鎌。エールグー語。
بکتر bäktür ベクテュル。男の名。この言葉は元々「بك تر bäk tur 堅持」という意味である。
بکتر böktir 峰々が連なり起伏のある所。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
اغا بکتر ازا بردم
agha böktir üzä yürdim
برق یاقب قیا کردم
bariq yaqip qiya kördim
اني بیلب تقي بردم
ani bilip taqi bardim
تکل یاغي تري تغدي
tügäl yaghi töri tughdi
我は山や谷を越えて頂きに登った。遠くに一人の影が見えた。それが敵だとわかり、その場に立ち止まった。敵は土煙を四方に立ちこめた。
v1-482
بلدر baldir 「تاغ بلدري tagh baldir」山麓の突き出た端。
بلدر baldir 養子縁組。「بلدر اغل baldir oghul」継子。「بلدر قیز baldir qiz」継女。
بلدر baldir 早い、先に。「بلدر ترغ baldir tarigh」早春に種を撒く穀物。種を撒くのに最も好い時期。やや早目に行うこと、やや早めに現れる物も「بلدر baldir」という一語を用いる。仔羊の生まれる季節、先に生まれて来た仔羊のことを「پلدر قزي baldir qozi」と呼ぶ。
この四つの言葉の「ب ― b」は、どれも濁った硬い音である。
بلدر بلدر buldur buldur 「تاش قذعقا تشتي بلدر بلدر اتي tash quzughqa tüshti buldur buldur ätti」石が井戸の中に落ち、ゴロンゴロンと響いた。
بلدر bildur 去年。
بلغار bulghar ブルガール。人々が皆知るテュルクの一城市。
تلفر tülfir 婦女を隔離する穹廬。絹などで出来ている。
v1-483
جلدر جلدر chadir chadir 「اق کیشتا جلدر جلدر اتي oq kishtä chadir chadir ätti」矢が矢筒の中でサクサクと響いた。干し草が風に吹かれて発する音も、この様に言う。
جغمر chaghmur カブ。
جمغر chamughur カブ。この言葉の中の「م」と「غ」が入れ替わった。
سرکر särkär 強盗、盗賊。カルルク語。
قندر qandir 鞣すために皮を剥いだ後、残った肉皮の層。
کستر kästär 陶器。ウチュ語。
کشمیر käshmir ケシミール。テュルクの辺界にある城市。この城市は、神に祝福された聖人スレイマンが建てた。
مندار mandar アケビ。樹木に巻き付く植物、往々にして木を枯らす。オグズ語。
بردز burduz 庭園、花園、オアシス。これは本来テュルク語ではない。
بلدز baldiz 妻の姉妹。夫の姉妹のことを「بلدز baldiz」と呼ばず、「سنکل singil」と呼ぶ。
ترمز tarmaz 胡瓜。
قتسز qutsiz 不幸な、運の無い。言葉は諺ではこの様である。
قتسز قذغقا کرسا قم یغار
qutsiz qudhughqa kirsä qum yaghar
幸亡き人が井戸に落ちれば砂が降る。これはアラビア語の諺「اذا اقبل اقبل و اذا ادبر دمر」と同じである。
v1-484
قرقز qirqiz クルグズ。テュルクの部族の一つ。
قلبز qalbaz 一口。「قلبزلادي نانکني qalbazladi nängni」ものを一口呑み込んだ。
قندز qunduz 海狸、ビーバー。「قندز قیري qunduz qayri」ビーバーの睾丸で作った薬。
کندز kündüz 昼間、真昼。
مندز munduz 馬鹿、阿呆、愚か者。言葉は諺ではこの様である。
نجا مندز ارسا ایش اذکو نجا اکري ارسا یول اذکو
nächä munduz ärsä äsh ädhgü nächä ägri yol äshgü
どんなウツケでも、伴にすることは好い。どんなに曲がっていても、道に沿う。馬鹿者を伴にすることは、一人で行くよりはマシ。道が曲がっていても、砂漠の中で迷うよりはマシ。何故ならば、道が無ければ辿り着けないかからである。
مندز munduz 「مندز اقن munduz aqin」突然起きた山津波、鉄砲水。
مندز munduz 「مندز یرغا ات munduz yorigha at」奔走するだけの馬。
بجغاس pichghas 部族同士の協定、協議。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
بجغماس بتك قلرلر
pichghas bitik qilurlar
اند کی یما برورلر
and käy yämä bärürlär
خاندن بست تلرلر
handin basut tilärlär
بسمل جمل ترکشور
basmil chomul tirkäshür
ヤバークーの戦いの中、可汗に逆らわず、可汗に従う誓いを立てた。人々は可汗の援けを求めた。バスミルとチョムルが我らに抗って集まりつつある時、可汗がやって来た。彼らは破れて、虜になった。
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بکمس bäkmäs ジャム。オグズ語。
v1-486
قرباس qirbas 「قرباس ار qirbas är」禿げ頭の人。
برباش burbash 「برباش ایش burbash ish」こんがらがっている事、手掛かりが無い事。
بتزش patrush 「بترش سوؤ patrush suv」泥水、濁水。スープを吸ってブヨブヨに伸びた麺にも、この言葉を使う。
بلغاش bulghash 敵がやってくる前に人々の中に起きた混乱。
ترکاش tirkäsh 犇き合って通れない。水路から漏水して出来た水溜りを「سوؤ ترکاشي suv tirkäsh」と言う。
جلبش chulbash 服や手にこびり付いた果汁。
سرمش sarmash ある物と別の物が入り混じる、ごっちゃになる。戦乱が起きた時、人々混乱することを「سرمش بلدي sarmash boldi」と呼ぶ。
سؤسش suvsush 気の抜けたビール。ヨーグルトを水で薄めた物も、この様に言う。
قتلش qatlish 合わさる。河が合流する所を「سوؤ قتلشتي suv qatlishi」と呼ぶ。
قتمش qatmish カトミシュ。男の名。
قرتش qirtish 人或いはその他の物の表面、顔色。「کرکلك قرتشلغ کشثي körklüg qirtishligh kishi」顔色の良い人。地面の事はまた「بیر قرتشي yär qirtishi」と言う。しかし、あらゆる物の表面を「قرتش qirtish」と言える訳ではない。
قرغش qarghish 呪い。「تنکري قرغش انك ازا tängri qarghishi aning üzä」神の呪いは彼の上。この言葉は形容詞にも使える。例えば、「قرغش کشي qargish kishi」呪われた人。
v1-487
قلدش qoldash 従僕。この言葉は只、大人物に仕える者を指す時のみ用いる。
کردش kirdäsh 建物の隣の建物。
برباغ burbagh 仕事を疎かにすること、長引かせること。
برقغ birqigh 鼻を鳴らすこと。馬や驢馬が鼻を鳴らす。「ات برقغي at birqigh」馬が鼻を鳴らすこと。
برقغ burqugh しわ。革製品などによった皺。
بشلاغ bashlagh 「بشلاغ نانك bashlagh näng」放たれた物。この為、面繋が無かったり、解き放たれた家畜を「بشلاغ یلقي bashlagh yilqi」と呼ぶ。
بغرغ bighrigh 物が詰まった麻袋や皮袋に皺が出来た所。
تبلاغ taplagh 同意、賛同。「بو ایش دا سك تبلاغنك بارمو bu ishda säning taplaghing barmu」この事にお前の同意はあるか?
تبزغ tapzugh なぞなぞ。「تبزغق تبزدم tapzughuq tapuzdum」我はなぞなぞを謎解いた。
تتسغ tutsugh 遺言、遺嘱。「من اتکر تتسغ تتزدم män angar tutsagh tutuzdum」我は彼に遺言を残した。
ترتغ tartigh 荷物を縛る縄。
ترتغ tartigh 可汗があることを成すために侍従を遣わして召喚する事。「بکدن ترتغجي کلدي bägdän tartighchi käldi」ベグから御召しの使いが来た。
ترقغ turqugh 羞じ、恥しさ。「ال مندن ترقغ بلدي ol mändän turqugh boldi」彼は我の前で恥ずかしがった。
v1-488
تغراغ tughragh 可汗の璽。王の詔書。オグズ語。テュルク人は此の言葉が判らない。私もこの言葉の語源が判らない。
تغزاغ tughragh 戦時に可汗が兵士に提供し、戦後は回収される馬匹。
تلزاغ tildogh 口実。「ال انکر تلداغ قلور ol angar tildagh qilir」彼は其れを口実にした。この言葉はペルシャ語の「بهانه」である。
تغسغ tughsugh 「کون تغسغ kün tughsugh」日出る所、東。
بتسغ patsigh 「کون بتسغ kün patsigh」日入る所、西。
تلقغ talqigh 山と山が繋がっている所。
تلقغ talqigh 物事が長引くこと。
تملغ tumligh 寒冷、厳寒。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
تملغ کلب قبسدي
tumligh kälip qapsadi
قتلغ یایغ تبسدي
qutlugh yayigh täpsädi
قرلب اژن یبسدي
qarlap azun yapsadi
ات ین اشب امرشور
ät yän üshüp ämrishür
厳寒が到来して四方を覆った。それは吉祥の夏に嫉妬して、大雪を待ち散らし、大地を雪で覆った。人々は寒さの為、体に蟻が這うかのように震えた。
「تملغ tumlugh」という一語の原形は「تم tum」である。「الك یزي تملغ ölüg yüzi tumlugh 屍の顔は冷たい」。この事は即ち、人が死んだ後は、親友たちとも疎遠になるということである。
v1-489
سرتغ sirtigh 人の話を聞いて判ったことの印象。「من بو سوزدن سرتغ بلدم män bu sözdäm sirtigh buldum」我はこの話から印象を受けた。
سجلغ sachligh 髪の毛が多い。「سجلغ ار sachligh är」髪の毛が多い人。
سرسغ sarsigh 「سرسغ سوز sarsigh söz」下品な言葉。この言葉は下品な行為を止める時に使う。
سزلاغ sizlagh 歯寒し。冷水を飲んだり氷を齧った時、歯に滲みる冷たさ。
سغزغ sighzigh へり。革靴や革足袋を縫う時、皮のへりを縫い合わせる。
v1-490
سغزغ sighzigh 器物の裂け目を繋ぎ合わせるかすがい。
سقزاغ sighzagh 隙間。「تیش سغزاغي tish sighzaghi」歯の隙間。
سغلغ saghligh 限りある。この言葉の原形は「ساغلغ saghligh」である。
سؤلاغ suvlagh 家畜の水飲み場。
سؤلاغ suvlagh スヴラグ。とある地名。
قتلغ qutlugh 幸有る、目出度い、吉祥の。「قتلغ نانك qutlugh näng」縁起物、おめでたい物。この言葉は男子の名前にも使われる。
قرشاغ qurshagh 衣服の採寸、寸法。「انك قرشاغي کور aning qarshaghi kör」彼の服の大きさを見立てろ。
قرشاغ qurshagh 紐を巻く、帯を巻く。
قرشاغ qurshagh 紐。「اؤ قرشاغي äv qurshaghi」羊毛を編んで作った紐、穹廬の周りを縛って固める。
قشلاغ qishlagh 冬営地、冬牧場。言葉は諺ではこの様である。
اوز کوز ایر قشلاغ
öz köz är qishlagh
事が有っても他人を煩わせず、自分のキシュラグの様にせよ。自分のことを処理できる人間は、他人に頼らず、自らキシュラグ(草多く雪少ない山の南側)を抱えている様なものである。「مان قشلاغ man qishlagh」マーン・キシュラグ。オグズ地域の一地名。
v1-491
قرقاغ qarqagh 鳥の群れが住む所。鳥の多い場所。このような場所では狩が出来る。
قلسغ qulsigh 「قلسغ ار qulsigh är」立ち振る舞いが奴隷のような人。
نژداغ nizsigh 砥石。
بتراغ batragh 旗、旗幟。竿の先に布を結び付け、戦時には兵士の所属を識別する。
بجغاق puchghaq 方面。「ییر بجغاقي yär puchghaq」地球の四面八方。
بجغاق puchghaq 隅っこ。角。
بجغاق puchghaq 家畜の脛の皮、革靴などを縫製する。
بخسق bohsuq 捕虜や奴隷の上腕を繋ぐ首枷。
بغسق boghsuq 「بخسق bohsuq」という言葉は、方言では此の様に発音する。その中の「خ」が「غ」に変わったのである。アラビア語が「ختر」から「غتر」に変わるのと同じである。
اخسق بخسق ahsaq buhsaq カタワ。腕もしくは足の欠けた人。二つの言葉を併せた複合詞である。
بدرق badruq バドルック。男の名。
v1-492
برجق barchuq バルチュク。アフラスィヤーブが建てた城市。「بخت نصر buhtu nassar バフト・ナッサール」の子「بیزن bätzän ベトゼン」が此処に捕らわれていた。
برجق burchaq 豆。
برجق burchaq 汗の雫。「تر برجقلندي tär burchaqlandi」豆粒ほどの大きさの汗が滴り落ちた。
بزلق buzluq 氷室。
بسرق basruq 抑える物。言葉は諺ではこの様である。
ییر بسرقي تاغ بذون بسرقي باك
yär basruqi tagh bodhun basruqi bäg
地を抑えるのが山、民を抑えるのがベグ。この諺が表すことは、大地は山が有って静まり、民草はベグによって安んじられる。ベグは民を率いて道を歩む。
بشنق bashnaq 「بشنق ار bashnaq är」兜を被ってない人。
بشمق bashmaq 革靴。オグズ語。
بغمق boghmaq シャツの釦の掛け紐。
بغمق boghmaq 頭飾り。金や銀などで作られ、宝石や真珠などを散りばめた装飾品。新婚の夜、花嫁が被る。
v1-493
بلجق balchiq 泥濘、ぬかるみ。オグズ語。
بلغاق bulghaq 混乱、パニック。敵が来た時に、人民の中に起こる混乱。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
بلغاق اکش بلسا قجن بلکنك یتر
bulghaq üküsh bolsa qachan biliking yitär
ینکشق تلم سیرب اني تمغق قتار
yangaq tälim sayrap ani tamghaq qatar
もし民草が不安に駆られたら、知恵で和らげ、元に戻すことが出来る。留まることを知らず無駄話し続けることは、顎が疲れ、口が渇くだけである。この諺は、人に口数少なくすることを勧める。
بلغاق bulghaq ブルガック。男の名。
تبراق topraq 土、土壌。
v1-494
تبلوق tapluq 地割れ、地の裂け目。
تتغاق tutghaq 敵状を話す捕虜を捕まえる者。夜間に敵の見張りや物見を捕まえる為に遣わされる騎兵隊。
ترتق tartuq タルトラック。ヤグマー地区の一城市の名称。
ترغاق targhaq 櫛。
ترلاق turlaq 痩せて弱った家畜や動物。人が老いて痩せ衰えたことも、この様に言う。
ترماق tarmaq 爪。野獣や猛禽の爪。とある植物も「قرغاق ترماقي qarghaq tarmaqi 烏の爪」と呼ばれる。
تزلق tuzluq 塩壺。
تغراق toghraq 胡楊、ポプラ。
تغراق tighraq 「تغراق ار tighraq är」辛抱強い人、毅然とした人。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
اغراق اري تغراق
oghraq äri tighraq
ییمي انك اغلاق
yämi aning oghlaq
سوتي ازا سغراق
süti üzä saghraq
ییري تقي اغلاق
yäri taqi aghlaq
オグラックの男たちは我慢強い。彼らが食べるのは仔山羊の肉。馬乳酒の袋を何時も盃に傾けえう。彼らの土地は痩せて貧しいにも拘らず。彼らの質実剛健を讃えている。
v1-495
تغساق tughsaq 寡婦、孀。この言葉の大半は「تول تغساق tul tughsaq」という複合詞の形で現れる。
تؤراق tavraq 速い、迅速。「تؤراقن کل taveaqin käl」お前早く来い。この言葉は形容詞としても使える。例えば、「تؤراق ایشجي tavraq ishchi」てきぱきした工匠、機敏な工匠。
تقلق toqluq 寛大である、満ち足りている。
تقلق toqluq 禿げ頭。角の無い家畜。
تلغوق tolghuq 斧と柄を固定させるための楔或いは釘。
تمشق tumshuq 嘴。
v1-496
تمغاق tamghaq 喉。
جخشاق chahshaq 山頂に堆積した石の山。言葉は諺ではこの様である。
جخشاق ازا ات بلماس جغرق بلا اؤت بلماس
chahshaq üzä ot bolmas chaghraq bilä uvut bolmas
石ころの積もった上に草生えず、禿に毛の無い事は羞じるに及ばず。
جخشاق chahshaq 干し杏や干し葡萄。カルルク語。
جار جرمق char charmaq 一族、眷属。この二つの言葉は連用する。
جمرق chamraq 「جار جرمق char charmaq」の別の形式。
جغرق chaghruq 「جغرق ییر chaghruq yär」踏み固められた所。
جقمق chaqmaq 火打石。点火用の火打石。この言葉は動名詞としても使える。アラビア語の「جمدت」が変化して「جمد」と「جمذالما」に変わる「جمد」と似ている。
جلبق chalpaq 不潔な、汚穢な、混乱した。「جلبق ایش chalpaq ish」混乱した事。
جمغق chomghuq 紅脚鴉。鴉に似た鳥。オグズ人は「غ」を省いて「جمق chamuq」と言う。四字で組成され、「غ ― gh」或いは「ك ― g」を帯びた言葉は、全てこの様になることを知るべし。
جمغق changhuq 故意に偽る者。陰で他人のことを取り沙汰する人を「جمغق ار chamghuq är」と言う。
بشغاق bashghuq 臀部よりも上の部位。
v1-497
سبلق sapliq 刀や剣の柄を作れる物。あらゆる物の柄を「سبلق sapliq」と言う。
سجغاق sochghaq 無駄使い。財産をばら撒いて浪費する人を「سجغاق کشي sochghaq kishi」と言う。
سجغاق sichghaq 腹を下した人。この言葉は規則に合わない。規則に按ずれば、「ق」
の位置には「ن」が来なければならない。連続した動作を表す形容詞は、このような方式で構成されるからである。例えば、他の馬を凌ぐ馬のことを「ازغان ات ozghan at」と言う。多くを見て広く知る人のことを「ال ایش قلغان ل ol ish qilghan ol」と言う。
سسغاق susghaq 柄杓等の様に水を汲む道具。これはカルルク、キフチャーク及び遊牧民たちの言葉である。
سغداق soghdaq ソグダック。バラーサーグーンに移住してきた一部族。これは「سغد soghd」の一部で、ブハーラーとサマルカンドの間に分布する。彼らは既にテュルク化している。
سغراق soghraq 飲み水及びその他の物を入れる器皿。言葉は諺ではこの様である。
ساؤن سغراق قا تکیر
savin saghraq qa tägir
話は盃に届く。人々の美しい話はベグから称賛を勝ち取る。即ち尊敬を得る。
سرماق sirmaq ロバの鞍。
سناق sughnaq スグナック。オグズの城市の一つ。
v1-498
سغلق saghliq 雌羊。この言葉の原義は「乳畜」という意味である。
سؤلق suvluq 手ぬぐい。
سقلق saqliq 警戒、警め、物事に対して手抜かりが無い事。
سقلق soqluq 貪婪な、欲深くて足ることを知らない。飲食及び他の物を貪る人。
قبغاق qapghuq 蓋、覆い。矢筒の被い。
قبجق qapchaq 水流の交わる所。合流点。
قدراق qadraq しわ。「قت قدراق qat qadraq 山の皺」言葉の来源は此れである。
قدرق qudruq 尾っぽ。あらゆる家畜の尾っぽ。羊の尾を「قوی قدرقي qoy qudruqi」、馬の尾を「ات قدرقي aat qudruqi」と言う。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
قدرق قتغ تکدمز
qudruq qatigh tügdümiz
تنکریك اکش اکدمز
tängri üküsh ögdümiz
کمشب اتغ تکدمز
kämship atigh tägdimiz
الدب ینا قجتمز
aldap yana qachtimiz
我らは戦馬の尾を緊くわがめた。我らは頻りに神を讃えた。即ち、異教徒を襲撃する時に神を讃えたのである。我らは鐙に踏ん張って敵を襲った。敵を誘い出し、その退路を断って彼らを殲滅する為、我らは偽って逃げ出した。
v1-499
قدرق qudruq 「قش قدرقي qush qudruqi」鳥の尾っぽ。言葉は諺ではこの様である。
تقم یزب قدرقتا بجك یما
toqum yüzüp qudruqta pichäk sima
皮を剥いで尻尾まで、刃が毀れる莫れ。この諺はアラビア語の「شوی اخوك حتی اذا انضج رمد」と同じである。
قدرق qudruq 肛門。尻の穴の婉曲な言い方。「قدرقي اتکان کشي qudruqi ötkän kishi」尻の緩い人。
قرساق qarsaq 沙狐、コサックキツネ。狐の類の動物。
v1-500
قرلق qarluq カルルク。彼らもテュルクの一派であり、オグズでも無ければ、トゥルクメンにも数えない。
قرلق qorluq 皮袋。馬乳酒などを入れる小さな皮袋。
قرناق qarnaq カルナク。オグズの一城市。
قرناق qarnaq 「قرناق ار qarnaq är」腹の出た人。
قرناق qirnaq 女僕、婢女。ヤバークー、カーイ、チョムル、バシミール、オグズ、イェメクとキフチャーク等の言葉。
قزلاق qizlaq 「کتي قزلاق köti qizlaq」とある鳥、尾っぽが赤い。
قسراق qisraq 仔馬を産んだことのない牝馬。オグズ人は牝馬一切を「قسلاق qisraq」と言う。言葉は諺ではこの様である。
قیز برلا کرشما قسراق بلا یرشما
qiz birlä küräshmä qisraq birlä yarishma
娘と相撲するな、牝馬と競うな。娘と相撲を取るな。何故ならば、娘の方が力が強く、お前は投げられるであろう。牝馬と競って走るな。何故ならば、牝馬の方が脚力が強く、速く走り、お前を追い越すであろう。これは、ハカーニヤのとある娘が新婚の夜、スルタン・マスウードを投げ飛ばしてから、ハカーニヤで現れた諺である。
قسماق qismaq 鐙帯。鐙の両辺の革帯。鐙は此の革帯の間にある。
قسماق qismaq 鋏。
v1-501
قشلق qushluq 午前、昼前。オグズ語。
قشلق qishliq 冬屋。冬を越すために準備された、あらゆる物について均しく此の語を用いる。
قغشاق qoghshaq 「قغشاق نانك qoghshaq näng」中が朽ちた物。
قفجاق qifchagh キフチャーク。テュルクの部族の一つ。
قفجاق qifchagh キフチャーク。カシュガル付近の一地名。
قلباق qulbaq クルバク。テュルク人の一聖賢の名前。聞く所では、バラーサーグーンの山中に住む。彼が黒い石に「تنکري قلي قلباق tängri quli qulbaq 神の僕クルバク」と書いた時、白い字が現れ、白い石に書いた時は、黒い字が現れた。この遺跡は今でも残っている。
قلتق qaltuq 野牛の角。中を繰り抜いて馬乳酒等を飲むのに用いる。
قلتق qoltiq 脇、脇の下。
قلتق qiltiq フケ。
قمغق qamghaq ムカシヨモギ。
قملاق qumlaq ホップ。キフチャーク畜に生える植物、アサガオに似ている。蜂蜜に入れて飲料を醸造する。伝説では、この種の植物が船に落ちると、海で激しい高波に遭っても、船が揺れるだけで、乗船者は危険に遭わない。
قنجق qanchiq 雌犬。女人を罵る時に「قنجق qanchiq」とも言う。
v1-502
منجق monchuq 真珠の首飾り。粧う為に首を飾る宝石。
منجق monchuq 馬の首を飾る宝石や獅爪、護符などの類の物。
منجق monchuq 鞍に取り付ける頭陀袋や容れ物などの物。
منغان munghan 「منغان کشي munghan kishi」くどくどいう人、お喋りが止まらない人。
برجك bürchäk 人の額にかかる前髪。馬の前髪。
بترك pitrik 陰核。
بترك pitrik ピスタチオ。エールグー語。
بستك pistik 紡績する為に準備された棉綿。チギル語。
بستك pistik 灯芯。エールグー語。
بکسك böksäk 女性の胸。
بکسك böksäk 胸の上部。首と胸の間の部分。
تتسك tütsük 「تتسك کشي tütsük kishi」恨みを覚えている人。
تخجك tähchäk 秦の絹織物の一種。
تربك türpik やすり。「تربکو türpigü」とも言う。
ترلك tärlik 汗取の敷物。汗を吸い取る為に鞍の下に敷くフェルト。
ترلك türlüg 様々な、色々な。「قج ترلك نانك qach türlüg näng」様々な物。「قج ترلك سوز ایدم qach türlüg söz aydim」我は色々な話を話した。
v1-503
ترماك türmäk 巻いた料理。春巻き。
ترناك tärnäk 人々が話し合う為に集まる場所。
تشلك tüshlük 「تشلك اوذي tüshlük özi」泊まる時分、旅人が宿をとる頃。
تکرك tägräk あらゆる物の縁、端っこ。「قذغ تکرکي qudhugh tägräki」井戸端。
تکلك tüklüg 目盲な。「تکلك کزلإك tüklüg közlüg」目盲な人。
تؤلك tävlüg 詐欺師、狡猾な人。
جکرك chäkräk 毛制でポケットの無い衣服。奴隷が着るものである。
جرلك chärig 「کوزيي جرلك közi chärig」昼盲者。明るい所で視力が落ちる人。
جلبك chälpäk 目やに、目くそ。
جلدك childäk 馬の胸に生じた腫瘍。体液と膿を流した後、火で焼いて血止めすると治る。
سرتك sürtüg 「سرتك اشلار sürtüg ishlär」同性愛の女性。あらゆる押しつぶされた物、摩擦された物も、皆「سرتك sürtüg」と言う。
سذرك sädhräg まばらな。「سذرك بوز sädhräg böz」粗い白布。
سذرك sädhräg 「سذزك قبغ sädhräg qapugh」格子のある門。
سرجك sürchük 夜の宴。オグズ人は「ج」字に開口符を付けて「سرجك sürchäk」と読む。
سلجك sälchük セルチュク。セルチュクのスルタン達の祖先の名。彼は「سلجك سو باشي sälchük sü bashi」とも呼ばれる。
v1-504
سکرك säkrik 山を越えられる場所。
سکرك sügrük 女性の生殖器。
کبرك köprük 橋、橋梁。
کتلك kötlük くそったれ。罵る言葉。
تمرك tümrük 手鼓。オグズ語。
کبجك köprük 鞍鞽。オグズ語。
کربك kirpik 睫毛。
کرتك kärtük 木を刻んで割ったもの。「کرتكکرتك کمرك kärtük kämrük」とも言う。
کرتك kärtik 記号。ナンや其の他の物を数える為に木に刻む記号。
کرشاك kürshäk 米を水か乳で煮てから、油を加えて食べる料理。
کزلك käzlik 婦女が服に挿したり、随身携帯する小刀。
کزلك közlük 遮眼帯。馬の毛で編んだ一種の網。目が痛い、或いは日差しが眩しい時に目を覆う。
کسرك kösrük 木綱。「کسرك تشاغ kösrük tushagh」馬蹄を縛る絆。
کؤرك kävrik 高く伸びる木の一種。
v1-505
کؤرك küvrük 銅鼓、鼓。
کؤرك kävräg 中が空洞の。「کؤرك نانك kävräg näng」カラゴマと其の他茎が割り易く空洞な物。
کؤشك kävshäg 「کؤشك نانك kävshäg näng」軟らかい物。薄い衣服、その他類似の物を此の様に言う。
کؤشك kövshäg 「کؤشك ات kövshäg ät」柔らかい肉。
کؤشك kövshäg 「کؤشك اتماك kövshäg ätmäk」発酵させたナン。
کؤلك küvlük 泥弾。投石機を用いて投げる湿った泥弾、或いは乾いた泥弾。
ککلك käklik イワシャコ。
ککمك käkmäk 「ککمك ار käkmäk är」多くの困難を越えた人。困難の中で磨かれた人。元の言葉は「کك käk」で「艱難」を意味する。これは稀見の形容詞である。文法に従えば「ککمان käkmän」でなければならない。
کمرك kämrük 「کمرك سنکوك kämrük söngük」肉を削ぎ取った骨。
کنجك könchük 襟。オグズ人は「ج」に開口符を当てて「کنجك könchäk」と読む。
کنجك känchäk ケンチェク。テュルクの部族の一つ。
کنجك سنکر känchäk sängir ケンチェク・センギル。タラス附近の一城市、ここはキフチャークの辺境である。
v1-506
کندك kändük 陶土で作られて象嵌された器皿。小麦粉などを盛る。ケンチェク語。
کنلك künlük 日雇い。その日暮らしをする。
کنلك künlük 「کنلك یم künlük yäm」一日の飼料。一日の糧。この言葉はあまり使わない。
مردك märdäk 子熊。「اذغ مردکي adhigh märdäk」とも言う。とあるテュルク人は子豚のことを「تنکز مردکي tonguz märdäk」と言う。
مادك mäldäk 「ملدك نانك mäldäk näng」攪拌した物。
بجغل pichghil 手や脚に出来たひび割れ。地の裂け目も此の様に言う。
بسبل basbal 一本の糸。
بسمل basmil バスミル。テュルク部族の一つ。
بشغل bashghil 白い頭。「بشغل یلقي bashghil yilqi」頭の白い家畜。
بتمل batmul 畢撥。胡椒に似た香辛料。
بشکال pöshkäl 一種の薄いナン。ハカーニヤ語。
بغرل boghril 皺のある所。物が詰まった革袋や麻袋の類の物に出来た皺。
بغرل boghril 白い頚。「بغرل قوی boghril qoy」白首羊。
v1-507
بکتل büktäl 「بکتل ار büktäl är」がたいの大きい人。「بکتل ات büktäl at」背が広い馬。
بکرل bögrül 「بکرل ات bögrül at」横腹の白い馬。雑色の羊及び其の他の家畜を此の様に言う。
بندال bandal 木から肩甲骨の様に掘り出した木片。子供たちが晩に燃えた木片を投げ合って遊ぶ遊戯。これを「اوت بندال ot bandal」と呼ぶ。馬球で遊んでる時に遊ぶ。
ترغل targhil 黒斑な。「ترغل یلقي targhil yilqi」黒斑の家畜。馬の外、その他の家畜にも此の言葉を用いる。
تغرل toghril トグリル。猛禽の一種。千羽の野鴨を襲うが、その中の一羽だけを食べる。この言葉は男の名前にも使う。
تغرل toghril 馬の腸。香辛料を混ぜた挽肉で作った腸詰。ケンチェク語。
جشکال chäshkäl 陶器及び其の欠片。
سنکل sängil そばかす。
سرسال sarsal オコジョ。貂の一種。
قرتال qartal 「قرتال قوی qaltal qoy」雑毛の羊。
v1-508
قرغل qirghil 「قرغل ار qirghil är」中年男。
قزغل qizghil 「قزغل ات qizghil at」紅沙馬(鹿粕毛?)。
بجکم pächkäm 印、記号。戦時に英雄たちは馬印として、絹やヤクの毛を身に付ける。オグズ人は「برجم bärchäm」と呼ぶ。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
بجکم ارب اتلقا
pächkäm urup atlaqa
ایغردقي تتلقا
uyghurdaqi tatlaqa
اغري یؤز اتلقا
oghri yavuz itlaqa
قشلر کبي اجتمز
qushlar käbi uchtimiz
我らは馬に印を立て、鷹の様に回鶻の異教徒、悪賊たちを討った。
v1-509
بجکم pächküm 前廊。
بذرم bädhräm 節日。人々の娯楽。草花で飾った所も「بذرم ییر bädhräm yär 娯楽場」と呼ぶ。私はこの言葉の原義が何か知らない。何故ならば、私はこの言葉をペルシャ人の所で聞いたからである。オグズ人は「بیرم bäyräm」と呼び、意味は「歓楽の日」である。オグズ人は「ی」を「ذ」に言い換える。上述に拠れば、別の言葉に過ぎない。
برتم birtäm すっと~、ぱっと~。「ال یمشقا برتم بردي ol yumushqa birtäm bardi」彼は使いとして、とっとと行った。戻ってこないニュアンスが有る。
بغرم baghram 「بغرم قم baghram qum」大砂漠。カシュガルとヤルカンドの間の砂漠を「بغرم فمي baghram qumi」と呼ぶ。
بخسم buhsum 黍を使って醸造した飲み物。
تمرم tomrum 「تمرم یغاج tomurum yighach」革職人が使う机或いは砧の様なもの。
تشرم tüshrüm 好く紡がれた一塊の糸。
v1-510
زنکم zünküm 秦で織られた一種の絹織物。
سدرم sidrim 皮紐。オグズ語。「سدرم اشلغ ار sidrim ishligh är」仕事を他人に頼らず自分だけで遣り遂げる人。
سرقم sarqim 霜。
کترم kötrüm 縁側。
کجرم köchrüm 強制的に村人を町に移住させること。
کدرم kädrim 「کدرم ات kädrim ät」皮を剥いだ肉。
کستم kästäm 夜間に飛び入りの客の為に設ける宴席。
字が重なる語彙の章
ترتر tartar 斑鳩に似た鳥。
جرجر chor chor 「تؤي امکي جرجر tävi ämiki chor chor」駱駝の乳を搾る時、乳が桶に入る時に発する音を表す。
قرقر qur qur 「قرن قرقر اتي qarin qur qur ätti 」お腹がゴロゴロ鳴った。
سکسك söksök サクサウールという灌木。
سملم sumlim 「سملم تت sumlim tat」テュルク語の分らないペルシャ人。テュルク語が判らない人のことを一般に「سملم sumlim」と呼ぶ。
v1-511
کرکم kürküm サフラン。この言葉はアラビア語と同じである。アラブ人は紅花を「کرکم」と呼ぶ。この言葉は詩歌ではこの様に歌われる。
بکلر اتن ارغرب
bäglär atin arghurup
قذغو اني ترغرب
qadhghu ani turghurup
منکزي یزي سرغرب
mängzi yüzi sargharip
کرکم انکر ترتلور
kürküm angar türtülür
アフラスィヤーブの逝去を此の様に悼んで言う。ベグたちは馬を馳せてやって来て、一人一人の悲しみは深く、顔色はサフランの様に黄色くなった。
v1-512
فعالل fäaläl,فعالل fäalul,فعالل fäalil 型の各種動符を帯びた語彙の章
سراغج saraghuq 女性の頭巾。
سباقر sipaqur 餌袋。この言葉は「二歳馬用の飼葉桶」の意味である「سب اقري sip aquri」という言葉が由来である。
قلابز qulabuz 先達。この言葉の中の「ب」が「و」と交替した。言葉は諺ではこの様である。
قلن قار قلاوز سوز بلماس
qalin qaz qulawuzsuz bolmas
群れの鵞鳥も先達が無ければ飛ばず。この諺は、指導者は如何なる時も己の内輪の人を従わせるように勧めている。
ججالق chichalaq 小指。
ججامق chichamuq 薬指、指輪を嵌める指。この言葉を知ってる人は少ない。
سلامق solamuq 左利き。
قراجق qarachuq カラチュック。ファラブ・シェヘルの名称。これはオグズの城市の一つである。
v1-513
قرامق qaramuq 麦わら。
قمجاق qamichaq オタマジャクシ。
تنارك tünärik 「تنارك ییر tünärik yär」暗闇の地。墓のことも「تنارك tünärik」と言う。「ار تنارککا کردي är tünärikkä kirdi」人が墓に入った。
جمارك chümärük 「جمارك کشي chümärük kishi」よく涙を流し、視力が衰えた人。
خجونك höchünäk 硬めの皮で香り立つメロンの一種。
بجانك pächänäk ペチェーネク。ルーム附近に居るテュルク部族。
بجانك pächänäk ペチェーネク。オグズの氏族の一つ。この言葉は「بجنك」とも書く。
v1-0514
فعلعل fääl'äl,فعللو fäällu 型で二番目三番目の字に動符を帯びた語彙の章
تؤلغوج tavilghuch 籠などを編む枝。
بغردا bughruda 「بغردا سج bughruda sach」巻毛。
جنخسي chinahsi 秦で織られた模様のある絹織物。
تبزغو tapuzghu 「تبزغو نانك tapuzghu näng」なぞなぞ。
تترغو taturghu 「تترغو نانك taturghu näng」頼れる物。
سبزغو sibizghu 笛。
سرجغا sirichgha 玻璃。
سرجغا sarichgha バッタ。体の弱い人のことを例えて「سرجغا ار sarichgha är」と言う。
قبرغا qoburgha 梟。
تررقو tirirqu 「تررقو ییر tirirqu yär」草の少ない地。
تترغا tatirgha 実り過ぎた白板の表面。
تؤلقو tavilqa 籠などを編む枝。「تؤلغوج tavilguch」とも言う。
v1-0515
اؤلقو avilqu 赤い実を結ぶ樹木。果汁は飲め、果皮は眼病に効き、染色にも使える。
تقرقا toqurqa 甕や壺等の口。
تقرقا toqurqa トクルカ。カシュガル草原上の一地方の名称。
سقرقو saqirqu ダニ。
قسرقو qasirqu 旋風。
تشرکو tüshürgü 比較的小さな水流が大河に合流する所。水車を動かす水路が大河に交わる所。その他にも使う。
جکرکا chäkürgä 蝗。オグズ語。テュルク人の言葉では飛ばないバッタを指す。子供や兵士が非常に多いことにも例える。「جکرکاتك سو chäkürgätäg sü」雲霞の如き軍勢。
سبرکو süpürgü 手箒。
کترکو kötürgü 物を持ち上げる道具。
کسرکو käsürgü 袋。
کسرکا küsürgä 地栗鼠。野鼠の一種。
دنشکا dünüshkä 菥蓂、なずなの類。ケンチェーク語。
کمشکا kimishkä カシュガルで織られる柄のある絨毯。
تکرما tägirmä 「تکرما نانك tägirmä näng」丸ナン、臼や銀貨などの様に丸い物。
v1-0516
سکرما säkirmä セキルメ。ホータンへ行く途中にある小さな町の名称。
قترما quturma 「قترما برك quturma börk」前後の檐を折って上げた帽子。
کجرما köchürmä 「کجرما اجق köchürmä ochuq」竈を動かす。ある所から別の所に動かせる竈。「کجرما این köchürmä oyun」とは「十四」と呼ぶ遊び。地面に四つの道で区切られた城堡を書き、更に十の門を開く。石などの物を使って駒にする遊び。
二番目の字に静符、三番目の字に開口符を帯びた語彙
مندتو mindätü 絹織物の名称。
قلنجي qulnachi 「قلنجي قسراق qulnachi qisraq」孕んだ牝馬。
قرنغو qaraghu 「قرنغو ار qaraghu är」腹の出た人。
سغنغو saghnaghu 干した瓢箪。
قندغو qundighu 研磨に使う工具。
قمجیغو qamchighu できもの。唇や手指に出る腫物、一般に痛みや痒みを伴う。
v1-0517
تربکو türpigü やすり。
تمرکو tämrägü 白癬、たむし。
سکنکو sügnägü 爪郭炎、爪と肉の間に炎症が起こる腫物。
کرشکو kärshägü 「کرشکو ات kärshägü at」背骨がボロボロの馬。
بلغما bulghama 小麦を水で溶いたもの。
جقرما choqrama 「جقرما یل choqrama yul」噴水。
بلغنا bulghna 駱駝が食べる柳の様な赤い灌木。「ملغنا mulghuna」とも言う。
فعللي fu'luli 型の語彙の章
بلدني bulduni 干葡萄或いは生葡萄を加えて作った食品。ケンチェーク語。
سندري sunduri 海。言葉は諺ではこの様である。
اشیك ایر بشم بلسا ندري دا سوؤ اجکای من
äshyäk ayur bashim bolsa sundurida suv ichkäymän
驢馬曰く「我が頭有れば(生きてるだけなら)、海の水を飲みたい」。この諺は、長生きしようと思う人の言う事を指し示している。
مندري munduri 新婚の夜、新郎新婦の頭に銭を蒔いて祝う儀式。チギル語。
v1-0518
بستلي püstüli ハマアカザ。食べられる草。
کزکني küzküni 蛍。晩にぶんぶんと飛び舞う。
فعلندي fu'lundi 型の語彙の章
سبرندي süpründi ゴミクズ、塵、埃。
سرقندي sarqindi 「سرقندي سوؤ sarqindi suv」滴り落ちる水。
قجغندي qunchghundi 玉葱。チギル語。
四字の語彙の篇は完。
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