ハムザを帯びた名詞の部(v1-0079~0117)
v1-0079
ااتل ätil エティル河。キフチャーク地方の大河の名称。この河はブルガールの海に注ぎ、その河の一支流はルスの地から流れる。この言葉は諺ではこの様である。
اتل سؤي اقا ترور
äzil suvi aqa turur
قیل تني ققا ترور
qaza tpi qaqa turur
بلیق تلیم بقا ترور
baliq tälim baqa turur
کولونك تقي کشارور
kölüg taqi küshärür
エティルの水は岩山にぶつかって奔流となり、河の水は何処までも広がり湖沼を作り、魚や蛙が豊富に棲む。
v1-0080
اغل aghil 畜圏,、家畜を囲う柵。オグズ人は羊糞を「اغل aghil」と言う。この二つの概念は似ているからである。アラブ人が雨と雲の事を「سماء」と言うような物である。
اغل oghul 息子、男児。自分の子以外の男児も「اغل oghul」と呼ぶ。「بو اغل نا تیر bu oghul nä tär この男児は何言っている?」。「ار」の複数形が文法から外れて「ارن ärän」となるのと同じく、「اغل oghul」の複数形も「اغلان oghulan」になる。本来の複数形は「اغلار oghullar」である。「اغلات」と「ارن」は単数形としても用いられる。
اکل ökil 衆、多い。キフチャーク語。「اکل کشي ökil kishi 群衆、多くの人」。
امل amul 静止して動かない物。その意味を取って性格が温和で老成した人の事を「امل amul」と呼ぶ。この言葉は諺ではこの様である。
قنجا بردنك ای اغل
qancha barding äy oghul
اردینك مندا انج امل
ärding munda inch amul
این امدي سن تونکول
attin ämdi sän tüngül
قیلدینك ارسا قیلماغو
qiling ärsä qilmaghu
意地になって出奔した息子が家に返り、自分が未だ乗ったことのない馬を探そうとすると、父親は彼に馬を引かせず、上述の言葉を以て彼を咎める。意味は「お前は此処に居れば平穏で快適な筈だった。どうして我と仲たがいするのか?」
v1-0081
ابم öpüm 口(量詞)。「بیر ابم مون bir öpüm mün 一口の肉湯」。
ام atim 「اتم ار atim är 射手、弓の巧い者」。
ارم rum 「بیر ارم ات bir orum ot 一鎌で刈った草」。
ازم üzüm 葡萄。
اغم aghim 「بیر اغم ییر bir aghim yär 一歩で登れる場所」。
v1-0082
اقم aqim 「بیر اقم سوؤ bir aqim suv 一筋の流れる水」。
اکم äkim 「بیر اکم ییر bir äkim yär 種を一撒きした土地」。
اکم ügüm 山(量詞)。「بیر اکم یرماق bir ügüm yarmaq 一山の銭」。
الم alim 返すつもりの債務。この言葉は諺ではこの様である。
الیمجي ارسلان بیریمجي سجغان
alimchi arslan bärimchi sichghan
取られる者は獅子、与えられる者は鼠。
このことは、借金を返そうとする者の気概は獅子の様で、返さぬ者は怯える鼠のようである。
الم ölüm 死亡。
اتن atan (荷役用の)去勢された駱駝。この言葉は諺ではこの様である。
اتن یوکي اش بلسا اجقا از کرنور
atan yüki ash bolsa achqa az körünür
駱駝の荷に糧が有れば、飢え難い。
اجن üchün ~の為。事物と動作の原因を表す助詞。「سنك اجن کلدم säning üchün käldim 君の為に来た」。
اجن ichin 「内部の、相互の」という意味を含む助詞。「الار اجن ایتشدي لار olar ichin aytishdilar 彼らは互いに話し合った」。
ادن üdün ユドュン。ホータンの別名。ホータンの住民も「ادن üdün」と呼ばれる。
اذن adhin 別の、その他の。チギル語。
v1-0083
ارن ärän 「ارن توز ärän tüz 天秤座」。
ارن ärän 男たち。「är」の複数形。
ارن aran 家畜を囲う柵。
ارن örän 壊れる、壊れた物。オグズ語。私が思うに、この言葉は恐らくペルシア語からの借用であろう。ペルシア語では壊れた物を「ویران」と呼ぶからである。オグズ人の多くはペルシア人と雑居し、多くのテュルク語を忘れ、ペルシア語に言い換えた。この言葉も恐らく此の様な所であろう。
ارن ärin 唇。
ازن uzun 長い。
اژن azun 世、代、世界、世間。「بو اژن bu azun この世」。「ال اژن ol azun あの世」。
اسن äsän 平安。「اسن مو سن äsän mu sän 元気かい?」。この言葉は「安らか、健やか」の意味もある。「اسندا ایؤك یوق äsändä äväk yoq 健やかにイライラは無い」。この諺は人にイライラしない様に勧めている。
اسن äsin 微風、そよ風。
اشن öshün 肩。
اغن aghan 「اغن ار aghan är 鼻にかかった声で話す人」。
v1-0084
اغن ughan 強大な、出来ない事はない。「اغن تنکري ughan tängri 万能の神」。
اؤن ävin 種。
اقن aqin 大水、洪水。突発的な洪水の事を「مندز اقن munduz aqin」と言う。洪水の様に夜討ちを掛けてくる軍勢に、この言葉を使い「اکنجي کلدي aqinchi käldi アキンチが来た」と言う。
اکن ägin 肩。
اکن äkin 農地、田圃。
اکن ägin 幅は指尺一つ分で長さは八尺程の綿布である。サーワールは是を売って交易する。
اکن ügün 銭や花などが積もった一山。何かが積み上がった土地を「اکن تبراق ügün topraq」と呼ぶ。
الن alin 額。
الن alin 山頂。
الن ulun 鏃の無い矢。(破魔矢?)
本章中のムザッワーフの語彙
ابب öpüp ヤツガシラ。「ابکك öpkük」とも呼ぶ。
v1-0085
اکك äkäk 「اکك اشلار äkäk ishlär 淫蕩な女」。
اکك ükäk 棺桶、箱。
اکك ükäk 見張り台、展望台。城壁の姫垣。
الل iläl はい、諾。ハカーニヤの方言中、ベグや国王に答える時の尊敬語。
本章中のミサッラルの語彙
اات at 名前。
اات at 称号。「بک انکار اات بیردي bäg angar at bärdi ベグは彼に称号を与えた」。部族の首領を「ااتلغ atligh」と呼ぶ。
ااج ach 飢え。この言葉は諺ではこの様である。
ااج نا ییماس تق نا تیماس
ach nä zämäs toq nä tämäs
飢えて食べず、満ちて慎まず。
ااذ adh 絹織物及びその他工芸品。この言葉は簡略化されることもあり、「اذ adh」と綴る。「اذکو اذ ädhgü adh 選りすぐりの品」。
ااذ adh 吉兆、善心。「اکلك تترغي ااذ بلور iglig tutrughi adh bolur 病人の遺言は善かれ」。これは床に臥して起き上がれない病人が遺言する時の諺である。
اار ar 「ار پري ar böri ハイエナ」。この言葉は詩歌ではこの様である。
کرب نجك قجمدنك
körüp nächük qachmading
یمر سؤن کجمدنك
yamar suvin kächmäding
تقارنکني سجمدنك
tavaringni sachmading
یسون سني ار بري
yäsin säni ar böri
戦いに敗けて捕虜になった人に対して言った。お前は何故俺を見て直ぐに逃げない?何故ヤムル河を渡らない?何故財産を放棄せずに逃げない?今まさにお前はハイエナに食われようとしている。
v1-0086
اار ar 「اار نانك ar näng 赤銅色の物」。語尾を加えて「ارسل arsal」という事もある。
v1-0087
ااز az 少ない。ااز نانك az näng
ااز az オコジョ、白貂。この言葉の「ز」を「س」とすることも正しい。
ااز iz 傷跡。地上や皮上に残った長い傷跡。
از oz 「قزل از qizil oz クズルオズ」。カシュガルの山村。
ااس as オコジョ、白貂。「س」を「ز」とすることもある。婢のことも「ااس as」と呼ぶ。
ااش ash 飯。酵母の事も「ااش ash」と呼ぶ。「ایق اشلا ayaq ashla 椀に飯を盛る」。
ااغ agh 股、股下。「یوز ات منك اغدن کجتي yüz at mäning aghdin käpti 百頭の馬が我が股下を経た」。この言葉は指と指の間の股の事も言う。
ااؤ av 狩り。「بک اؤقا جقتي bäg avqa chiqti ベグは狩りに行った」。
اؤ öv 家。
اق aq 白。オグズ語。その他のテュルク諸族はただ「ااق ات aq at 白馬」と言うだけである。
v1-0088
ااق aq 「ااق سقل ار aq saqal är 白髭の老人、顎髭が真っ白な人」。オグズ語。
ااق سای aq say アクサイ。地名の一つ。
ااق تراك aq täräk アクテレク。ヤグマー地区のイリ河上の渡し口。
اال al 国王が制作した旗幟、ベグたちが制作した馬の鞍に被せる桃色の絹織物。桃色もまた「اال al」と呼ぶ。
اال al 謀り事。この言葉は諺ではこの様である。
الین ارسلان تتر کوجن ایق تتماق
alin arslan tutar küchin uyuq tutmas
謀なら獅子を捕まえられる、力だけでは案山子も捕まらず。
謀り事を用いれば獅子でも捕まえられるが、力まかせでは菜園の案山子も捕まえられない。この諺は、力づくで勝てなければ、謀り事を用いよという事を説いている。
الا ala 斑。肌に白い斑の出来る皮膚病の患者。「الا ات ala at 斑の馬」。「بك خانقا الا بلدي bäg khanqa ala boldi ベグはカガンに斑になる」。裏切って敵と通じる者の事である。
الا ala アラ。フェルガナ附近のヤイラックの名称。「الا بقاج ala yighach アラ・イガチュ」。辺境上のとある地名。
本章中の別の一類
اای ay 月。「ااي تولن ay tolun 満月」。
v1-0089
اای ay 月。三十日からなる。この言葉は詩歌ではこの様である。
قشقا اتن کاسا قتلغ یای
qishqa ätin kälsä qali qutlugh yay
تن کن کجا القنور اذلك بلا اای
tün kün kächä alqinur özläk bilä ay
幸有る夏が来ると、冬を越す備えが要る。夜昼が廻るように時も流れ逝くからである。
一月は、月が地球を一回りする時である。故に一年の十二分の一を「اای ay」と呼ぶ。この言葉は諺ではこの様である。
اای تلون باسا الکن املاماس
ay tolun bolsa älkin imlämäs
月が満ちても手で指し示さず。目が有れば誰でも見えるからである。この諺は誰でも知っている様な物一切を擬えている。
v1-0090
本章中のマンクースの語彙
اوت awut 両手で一すくいの分量。「اذت adhut」とも言う。
اوت uwat 恥ずかしい。「اؤت uvut」とも言う。
اوت äwät はい等、肯定して頷く表現。「اؤت ävät」とも言う。この中、「ؤ
」の発音は如何なる場合でも、「و」と交換できる。例えば「神の使い」の意の「یالوج yalawach」は「یلاؤج yalavach」とも読める。似たような例で、「بؤا yava 野葱」は「یوا yawa」とも読める。サイラム(イスピチャーブ)の言葉で「木、樹木」を意味する「ااون awun」も斯くの通りである。同様に「一つ、一個」等の意味を持つ「اون äwin」と「اؤن ävin」も斯くの通りである。
本章中の「ی」を帯びた語彙
ایز öyäz 蚊の一種。オグズ語。
ایغ ayigh 熊。オグズ、キフチャーク、ヤグマー語。「اذغ adhigh」とも言う。
ایغ ayigh 「何と、どんなに」の意味を表す副詞。「ایغ اذکو ayigh äzgü なんと好い」。「ایغ یؤز نانك ayigh yavuz näng とっても悪い物」。この言葉は「好い」「悪い」の程度を強調するのに用いる。
v1-0091
ایق ayaq 碗、皿。オグズ人はこの言葉を知らない。彼らは、この種の物を「جنق chanaq」と呼ぶ。
ایق ayaq 脚、足。「اذق adhaq」とも言う。
ایق ayiq 承諾、承知。宜い。「انك منکا ابقي بار aning manga ayiqi bar 彼は私に肯った」。
ایق uyuq 影、幻影、案山子。オグズ語。この言葉は詩歌ではこの様である。
بردي ارن قنق کرب قتقاسقار
bardi ärän qonuq körüp qutqa soqar
قادي یؤز ایق کرب اؤني یقار
qaldi yavuz uyuq körüp ävni yiqar
客人が来ると好くもてなす好漢が世を去った。荒野の影を見て怯える様な小人が残った。思うに前に泊まった客人は、毡房を折りたたんだであろう。
v1-0092
ایك üyük 丘、土坡。隆起した小高い地。オグズ語。
ایك üyük 「ایك ییر üyük yär」立つと足が捕まって容易に抜け出せない砂地や泥濘。
ایك ik 更紗、薄絹の反物。「ییك yik」とも呼ぶ。
این oyun 遊び。
本章中イラットの文字で終わる語彙
ایا aya 手のひら。
ایا aya 巣穴、鳥の巣。
ایا uya 同胞、親戚。この言葉は詩歌ではこの様である。
تؤر اجن تنکري اذامذب
tavar üchün tängri äzlämäzip
ایا قدش اغلني جنلا بغار
uya qadash oghini chinla boghar
詩の中で同胞兄弟間の無常無義が描かれており、この様に書かれている。財物を掠め取り為に、神の前でも何ら恥じぬ者は、自分の親族をも死に至らしめるであろう。
v1-0093
本書中の四字の語彙。
ابا aba 母。オグズ語。カルルク、トルコマン人は、この語彙を硬音「ب ― p」で読む。
ابا aba 熊。キフチャーク語。
ابا aba 父親。吐蕃語。この語は元はアラビア語であろう。思うに、彼らはイエメンからテュルクの地域に逃れて住み着いた「ثبت sabit」の後裔であろう。
ابا aba 「ابا بشي aba bashi」。山上に生える、ある種の草、枝や蔓は胡瓜に似ているが、蔓には棘がある。山民は食用にする。
ابي abi アビ。男性名。
ابا oba 部落、部族、氏族。オグズ語。
ابو upu 粉、おしろい。
اتا ata 父。
اتا ata 「اتاساغون atasaghun 医者」。
v1-0094
اجا ächä 姉。この言葉を「اکا ägä」とも読む。「ج」が「ك」に変わったのである。正にペルシア語の「جرم」と「کرم」が、「جنبد」と「کنبد」に成るようなものである。
اجي ochi 老女、老婆、ばあさん。バルスカン語。
اجا ucha 背、背中。
اجي ichi 兄。年長の男性同胞。
اذو udhu 丘。砂丘を「قم اذو qum udhu」と言う。エールグーの一都市を「اذو کند ushu känd ウズケンド」と呼ぶ。
اذو udhu 後ろ。「من اننك اذو کلدم män aning udhu käldim 我は彼の後ろに来た」。同じ様に、こう言える。「من سنك اذو بردم män säning udhu bardim 我はお前の後ろに行った。我はお前の後に付いて行った」。
اذي idhi 主人。「اذم نا تیر idhim nä tär 我が主は何と言っている?」。神の事も「اذي idhi」と言う。「اذمز یرلغي idhimiz yarlighi 我が神の詔、天命」。
ارا ara 中間。「کشي ارا کردم kishi ara kirdim 我は人中に行った」。
اري ari 蜂、蜜蜂。この言葉はアラビア語に似ている。アラブ人は蜂蜜を「اري ari」と呼ぶ。テュルク語では、この言葉は蜜蜂を意味する。チギル人は蜜蜂を「اري یغي ari yaghi」と呼ぶ。
اورو oru 室、穴倉。小麦や蕪等の保存の為に掘った室。
v1-0095
اري uri 大声で騒ぐ、叫び声。この言葉は諺ではこの様である。
اري قبسا اغش اقلشور یغي کلسا امرم تیرشور
uri qopsa oghush aqlishur yaghi kälsä imräm tbräshür
大声をあげれば、氏族は集まり、敵が来れば、人々は奮起する。この諺は、人々に、常に用心し、心を一つにして力を合わせるべきことを訓戒している。
اري uri 男児、男の子。「اري اوغلان uri oghlan 男児たち」。
ازو azu 或いは。二者のうち一つを選ぶ助詞。「ازوم ییکل ازو قاغون ییکل üzüm yägil ayu qoghun yägil 葡萄を喰うか 或いは メロンを喰うか」。この言葉は連続して問う時にも用いられる。「کلرموسن ازو بریرموسن kälärmusän ayu barirmusän 来るか それとも 行くか」。
ازا oza 過去、往昔。「ازاقي بلکا انجا ایوش ozaqi bilgä anchä aymish 昔の賢者がこの様に言ったこと」。この言葉は詩歌ではこの様である。
اردي اذا ارنلار
ärdi odha äränlär
اردم بکي بلك تاغ
ärdäm bägi bilik tagh
ابدي اکش اکتلار
aydi üküsh ügütlär
کنکلم بلر انکر ساغ
könglüm bolur angar sagh
昔、学識が深く広く、才知に溢れ、品徳が高尚な学者がいた。彼らは多くの箴言を残した。彼らの箴言を思い出すと、我が心はとても晴れやかになる。
v1-0096
ازی özi 山間に通じる道。チギル語。
ازی izi 後年、再来年。「ارقین ازي arqin izi 後年、将来」。
اشو ashu 赤土。
اغو aghu 毒、毒薬。
اغي aghi 絹織物。「اغیجي aghichi 絹織物の保管者」。
اؤا ava おや、いたい。痛みを感じた時の感嘆詞。アラビア語の「واویاي」と同じである。体のどこかに痛みを感じた時「اؤا اؤا ava ava」とさけぶ。
v1-0097
اؤا uva ある食品の名称。米を煮てから冷たい水で冷やし、砂糖や氷を加える冷たい菓子である。
اؤا iva イヴァ。オグズ人の一氏族。
اقي aqi 気前が良い、物惜しみしない。
اقي aqi 清められた、清らかな。「اقي یغاق aqi yaghaq 殻が開いた胡桃」。
اکا ägä 姉。オグズ人は「ازا äzä」と呼ぶ。
اکا ögä 賢い、賢明、賢哲。平民出身の年長者に賜る称号で、テギンよりも一段低い。この言葉の由来は斯くの通りである。ズルカルナインが秦に向かって進軍時、テュルクの可汗は、若者たちから成る隊伍を派遣して迎撃した。可汗の宰相曰く「上様は若者たちをズルカルナインを迎え撃つために遣わしました。彼らに、経験豊富で、年かさも高く、よく戦いに慣れた者も行かせるべきです」。可汗は経験豊富な年長者の意味を「اکا ögä」で「オゲを遣わさねばならぬか?」と言うと、宰相は「作用にございます」と答えた。そこで、可汗は年かさがあり、経験のある一人の者を遣わした。その晩に彼らはズルカルナインの先鋒を襲撃して勝利した。あるテュルクの兵士はズルカルナインの兵士の一人を頭から腹まで切り裂いて真っ二つにした。この切り裂かれて死んだ兵士の腰には金貨の入った銭袋を身に着けていた。銭袋は破れて金貨は血に染まり、地上にばら蒔かれた。翌朝、テュルクの兵士たちは、鮮血に染まった金貨を見て「これは何だ?」と互いに問い合った。ある人は「التون قان altun qan 黄金の血」と言った。これ故に、彼の地の大きな山は、この名を得た。回鶻汗国に近い此の山の周囲には遊牧するテュルク人達が棲んでいる。ズルカルナインは、この夜襲の後、テュルクの可汗と和議を結んだ。
v1-0098
الا ala まだら、斑、体に白斑を持つ人。この言葉は諺ではこの様である。
کشي الاسي اجتن یلقي الاسي تشتین
kishi alasi ichtin yilki alasi tashtin
人の斑は内側 馬の斑は外側
この諺は、表面では善良を装っていても、内心では悪意に満ちた人を指す。
الا ala 「ゆっくり」を表す助詞。「الا الا ala ala ゆっくり、ゆっくり」。この言葉の後ろに「ك」と「ل」を加えて「الاکل alakil」としてもよい。
الا ula 荒野の道標。この言葉は諺ではこの様である。
الا بلسا یول ازماس بلك بلسا سوز یزماس
ula bolsa yol aymas bilgä bolsa söy yazmas
道標が有れば道に迷わず 知識が有れば言葉を間違えず
人々に知識が有れば会話中に間違ったりしない。
الا ila イリ河。ある河の名称。その両岸に棲むのはテュルクの諸族の中、ヤグマー、トフシー及びチギル人の一部である。この河はテュルク人にとってのワフシュである。
الي ili 「الي قبغ ili qapugh 閂された門」。
اما uma 母親。吐蕃語。この言葉は恐らくアラブ人が残したものであろう。
v1-0099
اما uma 家の中の来客、客人。この言葉は諺ではこの様である。
اما کلسا قت کلیر
uma kälsä qut kälir
まろうど来たらば 幸も来たり
福と客人は一緒に来る。客人は吉祥の兆しであるので、邪険にしてはいけない。
この言葉は詩歌ではこの様である。
کلسا قلي یرلغ بلب ینجغ اما
kälsä qali yarligh bolup yanchigh uma
کلدر انق بلمیش اشغ تتما اما
käldür anuq bolmish ashigh tutma uma
困窮して倒れそうな客人が来た時は、滞りなく食事を用意して歓待しなくてはならない。
انا ana 母親。
اني ini 弟。兄弟、年齢が小さい男性同胞。
v1-0100
本章中のグンニィーの語彙
انکت angit 鴻、ヒシクイ。鴨に似た赤みがかった鳥。
انکت angut 漏斗、酒を注ぐ漏斗。この言葉は諺ではこの様である。
یرت کجك بلسا انکت بدك اور
yurt kichüg bolsa angut bädük ur
容器の口が小さければ 漏斗は大きくしろ
この諺は、他人の面前で小さなことを大げさに語る人の事を指す。
انکر angar 彼に、彼に対して。「انکر ایدم angar aydim 我は彼に言った」。この言葉は詩歌ではこの様である。
ایدم انکر ساؤك
aydim angar sävük
پزنی تبا نا الك
bizni taba nä älük
کجتنك بلزی کرك
kächting yazi kärik
قرلار اذز باذك
kirlar äziz bäzük
思い人に会った時に言った。あー!我は愛している。君はどうやって広大な荒野を渡り、険峻な高山を超えて我に会いに来たのか?
v1-0101
انکر üngür 洞穴。
انکر ingir 夕方、黄昏、明と暗が溶け合っている。オグズ人は「امر imir」と言う。
انکز angiz 切り株。小麦などの作物を刈り取った後に残る切り株。
انکس ingäs ぼんやりと目をやる。「انکس کشي ingäs kishi」来たばかりで目をきょろきょろさせながら歩くような人。
انکل angil 開ける、開け放し。「انکل اجق قبغ angil achuq qapugh 開け放しの門」。
انکن öngin 別の、その他の。「بو اتا انکن کلدر bu attan öngin käldür この馬と別のを来させよ」。
簡単な語彙の篇は完り
v1-0102
多字の語彙の篇
افعل äf,äl型の各種動符を帯びた語彙の章
ارمت armut 花梨。
ارتج artuch アルトチュ、杜松。カシュガルにはアルトチュと言う名の村落が二つある。
اجلج üchlüch 兎を捕まえる道具。
اذغج odhghuch 燃え上がる炎。先端に三本の樹枝を鉄で固定して作る。
ارغج arghuch 人を引き付ける、魅了する。「ارغج اژن arghuch azun」人を魅了する世界。
ارکج ärkäch 一才の牡山羊。この言葉は諺ではこの様である。
ارکج اني اتي ام بلور اجکو اتی یل بلور
ärkäch äti äm bolur ächkü äti yäl bolur
牡山羊の肉は病を治し 母山羊の肉は病に成る
ارکج örküch 波紋、さざなみ。「سوؤ ارکجلندي suv örküchländi 水にさざ波が起きた」。
v1-0103
ارکج örgüch 編んだ髪。婦女のおさげ。
ادکج örküch 三脚の鍋架。
اذغر adhghir 仔馬、牡馬。
الکر ülkär 昴。作戦中とある戦術を「الکر جرك ülkär chärik 昴陣」と呼ぶ。四面八方から部隊を集結させ、一隊は前進し、他の部隊も踵を接しながら進む。この種の戦術を採った時は敗け難い。
ارؤز ärvüz エルヴュズ。男性名。
ارکز ärgüz 雪解け水、上流の氷雪が融けて起きる増水。「ارکز سوؤ ärgüz suv」春の増水、春に雪解け水が増えて洪水となる。この言葉は詩歌ではこの様である。
یای یروبن ارکزي
yay yarupan ärgüzi
اقتي اقن مندزي
aqti aqin munduzi
تغدي یرق یلدوزي
tughdi yaruq yulduzi
تنکلا سوزم کلکوسز
tingla sözüm külküsüz
春が来て雪解け水が洪水の様な奔流となった。明星が東から昇る。笑う勿れ、趣のある話を聞け。
v1-0104
اکسز ögsüz 孤児、居場所のない。これは智慧とか理知を表す「اك ög」という言葉から派生している。
اتمش ötämish オテミシュ。男性名。
اذرش adhrish 追分、分岐点。
اذرش özrüsh 選択、選択の自由。
اذغش adhghish アズギシュ。一地名。
اذکش ödhqish オズギシュ。「اوزجند özchänd」に居住するテュルクの一部族。この言葉は元々「اکذش ögdhish」だったが、文字の位置が入れ替わってしまった。
ارتش ärtish エルティシュ。「یماك yämäk」草原を流れる一条の河流の名称。幾つかの支流を持ち、大きな湖沼に流れ込む。この河を「ارتش سوؤي ärtish suvi」と呼ぶ。この言葉は自動名詞「ارتشواك ärtishmäk」の語幹「ارتش ärtish」で、意味は「我と競って渡ろう、誰が早く渡れるのか?」である。
v1-0105
ارتش irtäsh 論争、弁論。民衆の間で事件の発生により起きた論争。「ارتش قبدي irtäsh qopdi 言い争いが起きた」。
ارقش arqish 隊商。この言葉は諺ではこの様である。
یراق ییر ساؤن ارقش کلدرور
yiraq yär savin arqish käldürür
遠くの地より話を対象が来たらす。
これはアラビア語の「ویا تیك بلاخبار من ام تزود」と同じである。
ارقش arqish 文使い。遠くに住む家族から手紙を託された人。「انك ارقشي کلدي aning arqishi käldi 彼の文使いが来た」。この言葉は「手紙」そのものの意味にも使われる。
القش alqish 讃える、賞賛、賛美。「ال بك کا القش بیردي ol bägkä alqish bärdi 彼はベグに賛美を与えた」。「یلاوجقا القش بیرکل yalswachqa alqish bärgil 神の使いを褒め称えた」。
اترغ otrugh 島、島嶼。
اتلغ atligh 馬に乗った。「اتلغ ار atligh är 馬に乗った人」。
اتلغ otlugh 草の有る。「اتلغ تاغ otlugh tagh 草山、牧草が生い茂る山」。
اتلغ itligh 犬の居る。「اتلغ اؤ itligh äv 犬の居る家」。
ارتغ artigh 女性用のチョッキ。
ارتغ artigh 荷駄、家畜に乗せた荷物。
v1-0106
اغرغ aghrigh 痛み、身体の何処かの痛み。
اغرغ aghrugh 鎖骨。「اغرغ سنکوکي aghrugh söngüki 鎖骨」。
اغرغ oghrugh 河谷の果て、行き止まり。「تاغ اغرغي tagh oghrugh 山の行き止まり」。
اتلق otluq オトルク。タラス附近の一城市の名称。
اتلق otluq オトルクの住民の言葉では家畜を囲う柵の意味である。
اجغق uchghuq 風邪。
اذرق adhriq 冰草(Agropyron cristatum)、飼料として使われるイネ科の植物。アラビア語では「ثیل」と称する。
اذرق adhruq その他の、別の。オグズ語。テュルク人は「اذن adhin」と言う。この言葉は諺ではこの様である。
اذن کشي نانکي ناك سانماس
adhin kishi nängi näng sanmas
他の人の物は物として数えない。
何故ならば、遅かれ早かれ返さねばならないからである。
اذلق odhkuq 上腕骨。
اذلق udhluq 家畜を囲う柵の中で牛が臥す場所。エールグー語。
اذمق udhmaq 雇工、徒弟。
ارتق artuq 余分な、余った。
ارتق ortaq 一緒に組む仲間、オルタク。この言葉は諺ではこの様である。
ارتق اردن ارتق الماس
ortaq ärdän ortaq almas
オルタクはオルタクから多くとらない。
この諺は人に貪欲にならないよう勧めている。
v1-0107
اژمق azmuq みょうばん。禿げ頭の比喩にも是を用いて「اژمق تاز azmuq taz」と言う。何故ならば、禿げ頭の上のフケはみょうばんを塗した様だからである。この言葉の「ژ」は、二つの発音の中間の音である。
اسرق isriq まじないの言葉。子供が鬼怪から害されないよう、目が悪くなるのを防ぐために念じる呪い。駱駝の瘤を燻製にしたものを子供の顔に当てて「اسرق اسرق isriq isriq」と詠唱することには、妖魔を退散させる意図がある。「𐰽𐰺𐰴 𐰽𐰺𐰴」
اسرق osruq 屁。
اسرق usriq 居眠りをする人、うたた寝をする人。
اغدق aghduq 「اغدق کشي aghduq kishi」某所にて庇護を求める余所者の事。この言葉は「ادغف adghuq」とも言う。
اغرق aghruq 重荷、負担。「اغر اغرق قیودا قلدي aghir aghruq qayuda qaldi」重い重荷は何処に残った?
اؤرق ivriq 首の長い壺。この言葉は発音も意味もアラビア語によく似ている。「ب」の音が、テュルク語では「ؤ」に変わってしまった。この言葉は詩歌ではこの様である。
اؤرق بشي قزلیق
ivriq bashi qaylayu
سغرق تلو کزلیو
saghraq tolu köyläyü
سقنج قذي کزلی
saqingch quzi kizlyü
تن کن بلا سبؤنلم
tün kün bilä sävnälm
酒壺の首は鵝鳥の首の様、酒杯の象嵌は溢れんばかりに酒で満たされる。昼夜の行楽で我らの憂いを晴らそう。
v1-0108
اقرق oqruq 投げ縄。この言葉は諺ではこの様である。
تغغ اقرقن اکماس تنکزني قیغقن بکماس
taghigh oqruqin ägmäs tängizni qayghiqin bögmäs
投げ縄では山を捕らえず、小舟では海を渡れず。この諺は微細な措置で以ては大事を処置できないことを言ってる。
اقلق oqluq 箙、矢筒。
v1-0109
الجق alchaq 心が穏やかな、温厚な。
الدق ulduq 「الدق ات ulduq at」蹄鉄してない馬。その他、蹄鉄してない家畜も同様に言う。
الغق alghuq アルグック。カシュガルのとある郷村の名前である。
امرق amraq 愛、好き。「امرق کنکل amraq köngül」熱い心、清らかな心。
ابرك iprük ヨーグルトと乳を混ぜた物。砕いたチーズを食べて便秘になる人は、これを飲むことによって便通する。
ابمك äpmäk ナン。ヤグマー、トフシ、一部のオグズ、キグチャーク人の言葉。
اتلك ätlik 肉を掛ける台。屠られた羊をこう言う。「اتلك قوي ätlik qoy」肉羊。「اتلك کشي ätlig kishi」太った人。肉を得た人の事も「اتلك کشي ätlig kishi」と呼ぶ。軟音の「
ٰك ― g」で発音する。
全ての形容詞について言及する気はないが、ここに説明せざるを得ない形容詞について紹介した。
اترك äträk 色白で赤みを帯びた人。オグズ語。
اترك ötrük 悪巧みをする人、騙す人、嘘つき。オグズ語。この言葉は詩歌ではこの様である。
اترك اتن اغري لیو یزکا بقار
ötrük utun oghrilayu yüzgä baqar
الکن تشب برمش اشغ بشقا ققار
älkin tashup bärmish ashigh bashqa qaqar
客を泥棒を見るような目で見る狡い奴、彼らは余所者に少しの食事を与えて頼みにし、恩着せがましく、他人を侮辱するのである。
v1-0110
اتلك ötlük 教え、諭し。「اوت öwüt」もまた同じ様な意味である。しかし語源は「اکت ögüt」である。
اتمك ätmäk ナン。
اجلك ichlik 下鞍、韉。鞍の下に敷く毛氈。
اجمك ichmäk 皮製のチョッキ。
اذرك idhrig 粗悪な物。エルグー語。この言葉の原形は「ارك irig」である。
v1-0111
اذلك ödhläk 時代、世のあり様。この言葉は詩歌ではこの様である。
اذلك قمغ کفردي
ödhläk qamugh küfrädi
اردم ارغ سؤردي
ärdäm arigh sävrädi
ینجغ یؤز تؤردي
yunchigh yavuz tavradi
اردم بکي جرتلور
ärdäm bägi chätilür
世道は衰え、道徳は乱れ、悪人が蔓延る。それは品徳高尚なベグ、アフラースィヤーブ可汗が世に居ないからだ。
اذرك üdhräg 「اذرك نانك üdhräk näng」増えた物。最初は少なかったが、やがて多く増えた如何なる物についても言うことが出来る。
v1-0112
اذلك ädhlig 「اذلك نانك ädhlig näng」利用しうるもの、有益な物。
اربك ürpäk 毛が堅く起った。毛の堅い人や動物。
ارتك ärtik 賑わってる道。
ارتك örtük 覆いかける物。例えば鞍に被せる物。大人物の墓の上にかぶせる絹織物などの物も「ارتك örtük」と呼ぶ。
ارجك örchük お下げ(髪)。オグズ語。これは「ارکج örgüch」という言葉の変形である。
اردك ördäk あひる。この言葉は諺ではこの様である。
قاز قبسا اردك کولك اکانور
qaz qopsa ördäk kölig igänür
鵞鳥が湖を去れば、アヒルがやって来る。この諺は偉大な人物が死んだ後の替りに小人物が現れることを比喩している。
ارسيك ärsäk 好き者、淫乱な、淫婦。「ارسك اشلار ärsäk ishlär」男好きな女、淫婦。この言葉は諺ではこの様である。
ارسك ارکا تکماس ایؤك اؤکا تکماس
ärsäk ärgä tägmäs äväk ävgä tägmäs
男好きな女は男に至らず、慌て者は家に至らず。
淫蕩な女は男の嫁に成れず、慌て者は家に辿り着けない。嫁入りを急ぐ我儘な女は男から断られる。何故ならば、女は迫っても待てず、望んでも必要な条件を考えないからである。同じく性急な人は家に辿り着けない。何故ならば、急ぎする者は、家畜を疲れさせるからである。この諺とアッラーに捧げる賞賛と天祐を保つ先知の聖訓「ان المنبت لا ارضا قطع ولا ظهرا ابقی」と相い似る。この諺は事に当たって慌てない事を人に勧める。
v1-0113
ارلك ärlik 勇敢、大丈夫の気概。
ارنك ärnäk 指。又は「ارنکاك ärngäk」とも言う。
ایزلك izik 皮製の靴。テュルク人は獣皮を用いて履物を作る。この言葉は諺ではこの様である。
ازلك بلسا ار الدیواس اجلك بلسا ات بغرماس
izik bolsa är uldimas ichlik bplsa at yaghrimas
靴が有れば人は苦しまず、下鞍があれば馬は傷つかず。
この諺は物事を成す前に考える様に勧めている。
اسرك äsrük 酔っ払い。
اؤشك ävshük 持病。
الرك ilrük 蕓香、ヘンルーダ、ミカン科の常緑小低木。ウチュ語。
امزك ömzük 鞍橋の前後。前輪と後輪?
اکدك igdük 鮮乳とヨーグルトを混ぜて発酵させた乳製の豆腐の様な食品。
اکرك ägrik 紡がれた糸。
اکرك ögrük ゆりかご。
اکشك äkshik 酸っぱい物。例えば石榴。
اکسك äksük 足りない、欠けた。「اکسك برماق äksük yarmaq」穴の開いた銭。
v1-0114
اکمك ökmäk 婦女が耳に就ける金銀などで出来た耳輪、耳飾り。この言葉は元々動名詞である。
اکمك ügmek 集めた物。この言葉も元々動名詞である。
اندك ändäk 顔、物の顔。オグズ語。
اجکل üchgil 三叉の物、三脚の物。
ارسل arsal 「ارسل سج arsal sach」褐色の髪。
اشتل ashtal 最小の。「اشتل اغل ashtal oghul」最も小さい息子。
اندك ändik 「اندك ار ändik är」愚かな人。この言葉は諺ではこの様である。
اندك اما اؤلکني اغرلار
ändik uma ävlikni aghirlar
愚かな客人は主人を敬う。この諺は元々は客人が敬われるべきことを強調している。この言葉は詩歌ではこの様である。
اندك کشي تیتلسون
ändik kishi tätilsün
ایل ترو یتلسون
äl törü yätilsün
تقلي بري قیتلسون
toqli böri qatilsun
قذغو یما سؤلسون
qadhghu yämä savisun
我らの剣によって此の様に道を切り開いた。呆けた人を目覚めさせた。国家の大治は、子羊と狼が共に安らかに暮らすことである。患いを憂い、苦しみを悲しむことは再びなからん。
v1-0115
اترم ötrüm 下剤。「سوت اترم süt ötrüm」大戟、タカトウダイ、根を利尿剤とする。kこの種の草を「شبرم」と呼ぶ。
اخشم akhsham 晩、夕、暮。
اذرم adhrim 鞍の下に敷くフェルト。
اذرم ödhüm 選りすぐりの物。
اردم ärdäm 礼儀、美徳。この言葉は諺ではこの様である。
ازدم بشي تل
ärdäm bashi til
美徳の頭は舌(言葉)である。口の巧い人こそ栄誉を得られる。
استم üstäm 鞍やベルトなどを金銀で装飾したもの。オグズ人は、「ساخت」と呼ぶ。
v1-0116
اسرم isrim 「اسرم کشي isrim kishi」眉を顰める人。
اشکم ishküm 御膳の皿。帝王が食事の時の食卓の上に置かれる大きな木皿。
اقتم oqtam 「بیر اقتم ییر bir oqtam yär」一矢の地。
اکرم ägtim 水溜り、排水穴。
امرم imrän 衆人。何らかの為に集まった群衆。「امرم تبرشتي imräm täbräshti」群衆が集まった。
اتغن otghun 鞍の左側に取り付けられている、繋ぎ止めのバックルのついた幅広のベルト。
ارقن arqun 雑種馬。野生の牡馬と飼われた雌馬を交配させて生まれた馬。競わせると、この種の馬は往々にして勝ちを得る。
ارکن örgän 皮紐。オグズ語。
ارکن ärkän 情況を表す虚詞。「ال کلر ارکن کردم ol kälür ärkän kördüm」彼が来るのを私は見た。
ارکن irkin 「ارکن سوؤار irkin suv」積水、集まり溜まった水。何らかの集まってたまった物を「ارکن irkin」を用いて表す。カルルク人の首領を「کل ارکن köl irkin」と呼ぶが、またこれも、この言葉に由来する。意味は、知恵が湖水の様に豊かな人である。
v1-0117
ارکن irkin 「ارکن یغمر irkin yaghmur」長雨。
ارقن arqun 来年の名称。「ارقن ازي arqun izi」来年、明年。
ارکن ürkün 恐慌、パニック。敵を恐れる人達はパニックに陥る。恐慌に陥った人たちは城堡に入ったり、隠れ家に身を隠す。
اتران otran ズボン。この言葉はヤグマーの部落で聞いた。
اجکن ichkin 「اجکن ار ichkin är」敵から投降して庇護を受ける人。
استن üstün 高い、優越した。「اندان استن andan üstün」それより高い、それより強い、その上に。
استن astin 底、下。この言葉は正しくない、正しくは「التن altin」である。
التن altin 底、下。
اؤران avran パン焼き釜。外形が鉄匠の炉に似たナン焼きの穴。
اشغن ishghun 大黄の一種。
اشن äshkin 「اشکن تبراق äshkin topraq」流れてくる沙土。遠路のことも「اشکن äshkin」と言う。早馬の乗り手のことを「اشکنجي äshkinchi」と呼ぶのも、此れに由来する。
امشن ämshän 皮製の上着を作るのに用いる皮。
اندن andan そこから、その後、しかる後。オグズ語。「اندن ایدم andan aydim」その後、我は言った。テュルク人は、この言葉に「ا」を用いて「اندا anda」と言い、意味は「そこで」である。「من اندا اردم män anda ärdäm」我はそこに居た。
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