永遠人(えいえんびと)

 あたしが、きみをずーっとキライにならずにすむホウホウってなんだろう。きみのことがすきだ。すきすぎて、たまらないんだ。だから、ケンカしてひょうじょうをクモらせたり、ナミダにくれるきみのかおなんてみたくないの。これからも、このさきも。


「きみは、これからもあたしといっしょにいてくれる?」

「勿論。」

「ずっと?」

「ずっと。どうしてそんなこと聞くの?」

「なんか、しんぱいだったから。」

「そっか。」


 きみは、いつもとおなじあたたかいひょうじょうでこたえた。このひろいセカイで、きみをみつけ、きみとおなじじかんをキョウユウする。あたしにとって、それがさいこうのしあわせなのだ。


「ちょっとね、やってみたいことがあるの。」

「何?」

「ほら、これきてよ。」

「えっ?...嫌だよ。」

「着て!!」

「はいはい。着ればいいんでしょ。」


 きみはフキゲンそうにこたえた。そして、めのまえで、あたしがわたしたフクにきがえた。


「は、恥ずかしいよ。」

「よくニアッテルよ。」

「Fはそう思うかもしれないけど、ほら、こことか。」

「いいじゃん、たまには。」

「まあ、いっか。」


 このヤリトリのあと、あたしたちはからだをカサネタ。そのトイキをぜんしんでカンジタ。そして、あたしは、いぜんからケイカクしていたことをじっこうするケツイをかためた。


「ちょっと、いい?」

「いいよ。」

「ぎゅっ。」

「な、なにすんの!?」

「きもちいい?」

「うん。」


 ふたりはだきしめた。ぎゅっと、とてもつよいチカラで。そして、チカラがつきてきたころ、あたしはきみをもちあげた。


「う、うわわ!」

「イキをとめて。」

「うん。」

「メもとじてて。」

「わかった。」

「あなたは、あたしのまえでエイエンになる。」

「それ、どういうこと?」

「いずれ、わかるさ。」


 ジゼンに、よくそうにミズをためておいたの。ここは、きみがトワになるばしょ。きみはメをとじたまま、あたしのテによって、ヨクソウのなかにはいっていった。きみはあわてた。そして、モガいた。だが、あたしはきみをオサエツケタ。そして、ポケットからナワをとりだして、きみをシバッタ。しばらくすると、きみはうごかなくなった。いきをとめた。そう、きみはえいえんになったのだ。


「・・・」


 私は何も言えなくなった。正気に戻った。眼から涙が溢れてきた。きみは永遠になった。だが、私は永遠ではない。有限の命を生きる身なのだ。そう自覚したとき、すべてを投げ出すことを決めた。きみは私を恨むだろう。恨んで、怨霊となって私を襲うだろう。それを私は逃れることができない。なぜなら、きみを私は殺したのだから。


 呆然としてその場に崩れ落ちた時、肩に慣れない感触がした。

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