第3話

「うーん、そうだな」


「そうしよう」


引き返すことにしました。


そして歩いて歩いて歩きましたが、今度は何時まで経っても入口にたどり着けません。


「いったいどうなっている」


「俺に言われても」


しかし出口はまだ見ていませんが、入口は確かにありました。


そこから入って来たのですから。


自転車も入口にあるし、もう一度出口に向かうと言う選択肢はありません。


そして歩き続け、かれこれ一時間は歩いたでしょうか。


でも入り口がまだ見えてこないのです。


とうやが足を止めて言いました。


「おい、何でこのトンネルから出られないんだ?」


「俺に言われても」


そうは言っても、もう入口に向かうしかありません。


とうやが歩き始めたので、私もついて行きました。


歩きながらとうやが何かぶつぶつと言っていましたが、私は聞こえないふりをしました。


そしてさらに一時間ほど歩き続けたところ、ようやく入り口が見えました。


「やった、入口だ」


私は思わず走り出しました。

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