二、夏 その1

 夏は昼間の北山がいい。


 京都の夏は暑い。盆地故、熱がこもり易いのかな。

 今日は昼間に涼を求めて北山へ行ってきます。

 乗ってるバイクはホンダのCD90。昔、お巡りさんが乗ってたあれです。通称「ゴキバイ」。今日はポコポコとゆっくり走ります。

 集合場所は上賀茂神社(京都市北区)にしましょう。


 上賀茂神社の前には鴨川(賀茂川)が流れてます。御園橋を渡ったところにお食事処が幾つかありますので、まずは腹ごしらえ。


 お腹がいっぱいになったら、鴨川の東岸の土手、府道38号線を北に進みます。まだまだこの辺は日陰もなくて暑いです。京都産業大学の総合グラウンドを越えて人里から離れるとT字路がありますので、右折して市原バイパスに入って下さい。因みに、真っ直ぐ行くと府道61号線で雲ヶ畑に行ってしまい行き止まりです。


 信号の有る交差点を直進し、叡山電鉄の踏切を越えます。少しずつ空気が変わってくるのが分かりますが、まだまだ暑いですね。この辺りで標高は200メートル位です。

 トンネルを抜けた辺りでY字路になりますが、右の鞍馬、花背を目指します。暫く走ると右の山肌に湧き水があります。ここで一息入れてもいいですね。見逃しても大丈夫です。この先にも湧き水はあります。


 天狗や牛若丸で有名な鞍馬寺の前を右に曲がり、「くらま温泉」を過ぎるとそこからは北山杉の森の中に突入です。幅員が狭いので対向車に充分注意して下さい。また道路の端は落ち葉が多いのでスリップに注意です。標高が300、400、500メートルと上がって行きます。


 ほら、徐々に空気が冷たくなってきましたね。


 ヘヤピンカーブを過ぎると標高600メートルの「百井別れ」というY字路に着きます。ここからは「酷道」と呼ばれている国道477号線です。

 Y字路を左に進むと、高度を上げながら曲がるヘヤピンカーブが続きます。ワインディングを楽しみながら走ってもいいんですが、ここは路線バスも通りますので要注意です。音楽を鳴らしながらやってくるので、多分分かると思いますが、初めて遭遇した時は驚きました。


 道路脇右手をよく見ながら走ると水場があります。山に降った雪や雨が地下に浸透し、道路の脇から流れ出てます。パイプが有るので多分気が付きます。この水でコーヒーを入れると美味しいコーヒーが飲めます。車で来て、ポリタンクに入れて帰る人もいました。


 更にワインディングロードを登って行くと標高769メートルの花背峠に着きます。ここで休憩ですね。眺めが良いわけではありませんが、停まってヘルメットを脱ぐと、峠の向こうから吹き上げてくる涼しい風が気持ちがいいです。


 充分に涼を楽しんだら帰りましょう。帰ると言っても戻るわけではありません。そのまま花背峠を下ります。ダウンヒルを楽しむと、次はお蕎麦屋さんがある花背の集落の中を抜けますのでスピードは控えめに。


 谷底をずっと走ると、大布施という集落でT字路に出ます。左に曲がりそのまま国道477号線を進みます。


 T字路から5分程進むと左に橋が見えてきますので、左折して橋を渡ります。因みにこの川は、桂川です。また、この辺の旧地名は京北町ですが現在は京都市右京区になりました。左京区と右京区が隣接してる珍しい所です。


 ここからは灰屋川沿いに府道361号線を走ります。8.5キロほど走るとY字路に出ます。道なりに右に小さい橋を渡る方が府道361号線です。真っ直ぐ行ってしまうと旧花背峠を経て、もとの道に戻ってしまいます。


 橋を渡ってからは更に道が細くなり、落ち葉がいっぱいで路肩には苔が生えてますのでスリップに注意です。どうしても「暑くてたまらん」って人はバイクを止め、横の川へ裸足で入るとめっちゃ冷たいですよ。


 そこから芹生せりゅう峠までの昼でも薄暗い約1キロの区間は、ゆっくり走りたいですね。植物から蒸散された水蒸気でしょうか、空気中には大量の水分が有るように感じます。雨降りの次の日は、普通に走ってるだけで服が湿ります。マイナスイオンをたっぷり吸いながら走りましょう。


 標高680メートルの芹生峠を越えると高度が急に下がります。道幅1メートルで20%勾配の所もありますから慎重に走ります。


 道幅が広くなったら、そこは川床や貴船神社で有名な京都の避暑地、貴船です。お茶屋で一服してもいいですね。


 どんどん下り、叡山電鉄鞍馬線の下をくぐると、往きに通った府道38号線に合流します。左からくる車両に気を付けて合流し、上賀茂神社に戻ります。


 如何でしたか。このコースは天然のクーラーが身心を癒やしてくれると思います。暑い京都に懲りたなら、是非涼みに行っておくれやす。



※走行データ

上賀茂神社(京都市北区)-花背峠(京都市左京区) 約12km

花背峠-芹生峠(京都市左京区)          約22km

芹生峠-上賀茂神社                約14km

                      合計 約48km



★2018年7月20日現在、以下の【通行止】は解除されましたが、迂回ルートとして残しておきますね。


【通行止】2018年7月9日現在

 「平成30年7月豪雨」の影響で、本文のルート上の下記区間で通行止めが発生してます。


「鞍馬寺-百井別れ」(京都市左京区) 府道38号線 約4km


 ※迂回ルートはありますがスーパー酷道を走るので余りお薦めはできませんが、一応書いておきます。

 二ノ瀬トンネルの手前を右折して府道40号線を走ります。江文峠を越えると、T字路に当たるので左折です。大原駐在所の交差点を右折して突き当りを左折して国道367号線を進みます。因みに大原駐在所の前をそのまま真っ直ぐ行っても途中で国道367号線に合流しますが道は狭いです。

 大黒山北寺を過ぎると交差点がありますので、そこを左折して国道477号線に入ります。暫くはいいのですが、登りがきつくなると道は細くなりヘアピンコーナーが続きます。酷道ですが、生活道路なのでたまに対向車も来ますから要注意です。

 大原百井の集落を過ぎて、百井峠を過ぎると急な下りになります。急ブレーキを掛けると転倒の恐れがありますから、ゆっくりとエンジンブレーキも併用して下りましょう。道を湧き水が流れてたり落ち葉や苔もありますので、まさにスーパー酷道です。

 百井別れで府道38号線に合流したら、ヘアピン気味に右折です。余談ですが、普通車以上で切り返さないと曲がれないカーブがあるのは、国道ではここが唯一のカーブだそうです。

 そのまま国道477号線を進めば花背峠に行けます。

 ※この迂回ルートは約21kmです。

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