第13話 花札大会

家族全員で楽しむイベントは、旅行の他には花札大会があった。

毎年、お正月に家族で花札大会を行った。

吉子と剛志もお年玉を貰っていたので

少額であったが、お金も掛けた。

花札大会は、手持ちの札と駆け引きが物を言う。

昌吉と吉子は、手の内を見せてしまうので

負けてしまう事が多かった。

実は、負けず嫌いの吉子は負けそうになると

機嫌が悪くなり泣いてしまう!

そして、自分が勝つまで何度も何度も

勝負に挑むので、夜中の二時くらい迄

花札大会は、続いた。


ある日、昌吉に連れられて

昌吉の友人宅での花札大会での事!

昌吉が、負けそうなのを見て

吉子は、泣き出した。

そんな事をすると場をシラケさせてしまうのであるが、子供なのでお構いなしだ。

その上、吉子同様 親と一緒に遊びに来ていた女の子とテレビ番組の取り合いをして喧嘩になる。

吉子が、小学校低学年の頃

サインはVと言うバレーボールをテーマとした根性番組が放映されていた。

吉子は、サインはVを見たかったのだが

もう一人の女の子は、ムーミンを見たかった。

チャンネル争いになって口論していた。

すると、その口論がキッカケとなり

大人同士も喧嘩が始まった。

大人同士が口論すると、吉子達は馬鹿らしくなって、テレビ番組の事はどうでも良くなった。

口論していた男達の妻の一人が

「もう子供達は、仲直りしてるよ!」と

窘めた。


知恵子と昌吉 吉子と剛志

圧倒的に、剛志を依怙贔屓すら知恵子と

逆に吉子ばかり可愛がる昌吉!

決して、理想の家族とは言い難かったが

毎年恒例の旅行と花札大会は

家族にとって、一番の楽しみであり

絆を深める行事であった事は、間違いない。


もしかしたら、どこの家族でも こういった

些細な事が、絆を深めているのかもしれない。





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