第7話 千恵子 子育てPart3

新しい土地での生活が、始まった。

吉子は、5歳となり地元の幼稚園へ通う事となる。

剛志は、異常出産のせいか?

周りの発達が遅れていた。

体は小さく、言葉も遅かった。

でも、話の内容は理解していたので

知恵子は、心配していなかった。

ところが、昌吉は吉子の時とは明らかに

対応が違っていた。

吉子の時は、何度も何度も

寝顔を覗きに行ったり、いろんな場所へ

連れて行ったのに、剛志の顔を見に行く事は

ほとんどなかった。


吉子は、幼稚園に入学したが

同じ年齢の子供と遊んだ経験がなかったせいか協調性がなかった。

また、早生まれと言う事もあり

何かにつけて、理解が遅かった。

と言うか?先生の話を全然聞かない。

四歳迄、一人遊びしていたのだから

当然と言えば当然である。

吉子は、先生にこっ酷く叱られたが

「なぜ叱られるのかが、分からない。」

とにかく、先生に嫌われて

知能指数も良くないと言われた。

そんな吉子が、歯痒くて

知恵子は、吉子に厳しく当たるようになった。

吉子は、幼稚園でも家でも叱られる。

そんな吉子が、不憫に思った昌吉は

「そんなに怒らんでもええやろ!」と

戒めた。


そんな吉子であったが

近所の弟の剛志や近所の子供達を

とても可愛がり、面倒見のいい姉御肌の

一面も持っていた。

言葉の発達が遅れていた剛志であったが

母と姉と接していく間に、3歳で

言葉を習得した。


吉子と剛志は、とても仲のいい姉弟だった。










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