第7話 知恵子!子育てPart2

昌吉は、吉子を溺愛していた。

昌吉は、オムツとミルクを持って、吉子を

どこへでも、連れて行く。

競馬場にもスナックにも、場所を選ばず

吉子を連れて行った。

吉子は、どこへ行ってもアイドルだった。

吉子は、特に美人と言う訳でもないが

愛嬌がある。

人見知りせずに、誰にでも愛想を振る舞う。

また、吉子は想像力が豊かだったので

一人遊びが、得意だった。

祖父母の家に預けていても

ほとんど、周囲を困らせる事はなかった。

ただ、同じくらいの年齢の子供と遊ぶと言う

経験をほとんどしないまま育った吉子は

後々、知恵子を困らせるような子供に育ってしまう。

ただ、共稼ぎで大変だった知恵子は

仕事と家事の両立が精一杯だった。


吉子が、3歳になった頃

知恵子と昌吉に第二子が授かった。

待望の男の子であったが、難産で

異常出産であった。

その子は、剛志と名付けた。

剛志は、生まれた頃 医者から

「もしかしたら、将来 なんらかの障害が

出てくるかもしれない。

まともに育つかどうか?保証できない。」と

宣告された。


昌吉と吉子が、病院へ見舞いに行くと

剛志は、3000グラム近くあるのに

未熟児のように保育器に入れられていた。

唇がとても青ざめていた。

吉子は、大人になるまで、あかちゃんは皆んな保育器に入っていて、唇が青ざめていると思っていた。


剛志が生まれると同時に、知恵子は

退職を決意した。

退職金を頭金として、堺の田舎方面に

家を購入した。

家と言っても、テラスハウスのような

二軒が連なった小さな家である。

専業主婦となって子育てをする事が

後々、知恵子を苦しめる事となろうとは

全く予想していなかった。









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