第9話 ヒーロースクール その2

ランチタイム、昼休みは何処の学校も騒がしい。


バーガー片手にハングリーな毎日、学生時代は腹が減る。


バーガーショップ、ピザ屋、ステーキハウス等々とカロリー高めなフードコート

になっている学生食堂は大賑わいだ。


「ヒャッハー♪ピザパーティーだ~♪」

色とりどりのピザを並べてテーブル一つ占拠してるのは、ピザ好きな生徒達。

ライトもダークもリベロも、ピザの前では皆平等だった。


「俺のバーガーは凶暴だぜ~♪」

ハンバーガー好きな面々は、自分達のオリジナルバーガーを自慢し合っている。


「どうだい?俺のステーキは♪」

すごく大きいステーキを食べる生徒もいる。


そんなハイカロリーなゾーンを通り、レイジはカレーライスを乗せたトレイを抱えながら同好の士が集うスパイシーな一角を目指していた。


女子達が集まって緑色の液体で満たされた大ジョッキや鳥のささみ等を並べて

食べているテーブルはダイエットメニューゾーンだ。


「鳥のささみは神の恵み、減らせウエスト!!」

ダイエット戦士の戦場には近づいてはいけないと、レイジは急いだ。


今この食堂は、座席ごとにハイカロリーゾーン、ダイエットゾーン、その他の三国志状態になっていて下手にどこかのゾーンに足を踏み入れたら忽ち彼らの仲間に

引きずり込まれるので食事の自由を守るのは大変だ。


「・・・・・・ふう、これで安心して食える。」

レイジは、無事に食事ができる事を神に感謝して食った。


午後の授業は能力スパーリング、教官のヒーローキャットボクサーが審判役だ。

「・・・・・嫌な奴に当たった。」

レイジが対するのはウェザーガールズのサイドキック、グラウンドガール。

緑のジャージを着た、茶髪で活発な女の子だ。


大地の全てが彼女の味方、地面の上なら無敵の少女なんて面倒くさい。

「ラッキ~、レイジが相手だ~♪」

レイジが地面を凍らせにかかると同時に、地震を起こして氷を砕く

グラウンドガール。


「くっそ、止まらねえ!!」

凍結を振動で砕く彼女が相手では、分が悪い。


氷の盾を、震度3の地震を起こしながら放たれるパンチやキックで

クッキーみたいにパリパリ砕く相手にレイジは苦戦していた。


掠っただけでも余震で揺れ転倒させられる。


結果、3セット戦ってレイジは1セットしか取れなかった。


「悔しいな、次は勝ちに行くぜ。」

レイジの握手に

「期待してるよ~♪」

と握り返すグラウンドガール。


授業も終わり放課後、下宿しているアパートに帰るレイジ。


制服から私服に着替えて課題に手を付ける。

「勉強じゃあいつに勝てるんだけどな。」

ライバルのグラウンドガールの事を思いつつ数学の問題に向き合うレイジであった。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る