第8話 ヒーロースクール その1

ヒーローズ・キッチンと呼ばれる、アストレアシティ。


台所があれば食材を入れる冷蔵庫もあるわけで、ヒーローの卵や具材

とも言える少年少女や若者達とついでに大人も学ぶ学校がある。


それがヒーロースクール、小学校から高校までを内包し卒業後の進路は様々。


大学でも4年制のヒーローカレッジと、大学院まであるヒーローユニバーシティがあり経済状況やら個人の都合で選択して学ぶ。


今日はそんなヒーロースクールにスポットを当ててみよう。


夏休み前か、登校する生徒は男子は半袖のシャツとスラックスで女子も

半袖のシャツとスカートと夏服だ。


校門をくぐり、生徒達は各々の教室へと歩いて向かう。


ある教室を見てみよう、この教室はライト、ダーク、リベロの混合クラスだ。


机と椅子は教室に固定されて並んでおり、教室の前にはスマートボードの両脇を

ホワイトボードが挟んでいる。


ライトヒーローな生徒は前方、リベロヒーローは真ん中、ダークヒーローは後方に

自然と座り授業態度も熱心、普通、不真面目気味と生徒の個性が別れていた。


例外なのは一番後ろの窓側に座る、片目を隠した銀髪の少年。

彼は隣で居眠りをしている女子を尻目に真面目に授業を受けていた。


彼の名はレイジ・アッシュ、ブリザードプリンスの名を持つリベロヒーロー。


その能力は、冷却や氷結だけでなく吹雪や霧を生み出し操れる他に怪力を出して

格闘など幅広く強い。


余人は彼を、水と風の貴公子と呼ぶ。


実際に北の方にある小国、レインディアキングダムの第3王子だ。


「ねえレイジ?シャーミンのおでこ、少し後退していない?」

隣の席のダークレディことミナが語りかける。


「・・・・・ちょっと、聞こえてるわよミナ?」

ポリスレディことシャーミンが、彼女自身の能力で額からビームを射って来る。


「止めろ!!」

レイジが氷のバリアを瞬時にミナの前に張り、シャーミンのおでこビームを弾く。


弾かれたビームは退院した、キッドナックルことコーサクの机を爆破し

コーサクを壁に吹き飛ばした。


「コーサクがやられた、この人でなし!!」

ミナが自分が悪いのにシャーミンを糾弾する。


喧嘩するミナとシャーミン、逃げるクラスメート。


その中でレイジは

「コーサク!!死ぬなよ、医務室に連れて行くからな。」

と、コーサクを担いで戦場と化した教室から抜け出した。


レイジ、友達思いの良い奴である。


不運だが、人の好いコーサクとはコミックサークルに同人誌を描かれる

ほどの親友だったりする。


次回は、レイジにスポットを当てて別の場所を見てみよう。




















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