個食とか孤食とか言われているけれど、食事はお腹を満たすためだけのものじゃない。「美味しいね」って微笑んだり「ちょっとしょっぱいね」って苦笑いしたりそんな心の栄養不足になりかけのアナタに派遣したいメシ友です。
誰かと一緒にメシを食べたい人の元に出向き、一緒にメシを食べるアルバイトをすることになった大学生の陽史。彼は依頼者の希望に応えながら、その人の〈誰かと一緒にメシを食べたい〉の奥にあるものを引き出していきます。他人のために一生懸命になることができる素敵な人間である陽史が、派遣メシ友をする中で思ったこと、気づいたこと、決めたことは、とても尊く、愛おしいものだと感じました。読めばきっと、誰かと一緒にメシを食べたくなる、優しくて温かい作品です。(特別審査員・蒼山皆水)
心の寂しさを埋めてくれるようなお話です。全て偶然が重なったような出会いですが、それを主人公が一生モノのように接していく姿に心打たれました。