第61話
宴もたけなわ。
誰もが満腹になり、気怠い空気が流れ始めた頃。
チラリと見た時計で時間を知り、
旅行でいない両親。
本来保護者的な役割だったはずの
本物の
今夜はどこに泊まろうか。
「
そう声をかけたが、
「ねえ
その顔は、眠っているかのように目が閉じられていた。
「
しかし、彼は反応しなかった。
「……お婆ちゃん!!」
何事かと、他の者たちも
何かに感づいた
彼の身体を弄って、コントロールパネルを露出させる。
光っているはずのランプは消えていた。
「
その表情は、酷く悲しげに歪められていた。
「
「嘘だ!」
彼の顔を見上げて必死に声をかけた。
「嘘だよね! あれでしょ?! スリープモードとかになってるんでしょ?! 起きてよ! 起きて!」
彼の身体をユサユサと揺らすが、
それでもやめない
「終わったんだよ。彼の役目が」
「嘘だ!」
しかし
「役目が終わったら、ちゃんと認めてあげないとダメなんだよ。それが、尽くしてくれた彼への弔いになるんだ」
けど例えそれが、機械相手だったとしても。
「やだ……」
駄々っ子のように泣いて聞き分けない
しかし、気持ちが追いつかない。
それはとてもぎこちないものだったが、
彼の胸に顔を埋めて、悲しさをぶつけるかのようにひたすら泣き続けた。
「
そう、彼は機能停止したのだ。
この時代には、彼を直す術がない。
つまりそれは、機械である彼の、死を意味していた。
時を待てば直せるかもしれない。
しかし、彼の持つ記憶媒体はそれほど長い時を待たずに朽ちるだろう。
それを知ってか知らずか、
例え私が壊れても、この子は必ず守ります。
それが私の──家族と言ってくれたこの子自身が──存在意義だからです。
家族と言ったのは、未来の
でも確かに。
この時代でも、
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