第47話
所々が千切れて吹き飛んだ
受け身を取って起き上がった
「オけガ、は、あ、りマ、せ、んカ……?」
ブツブツ途切れる音声は、彼女が精一杯発したものだという事が分かった。
「
彼女の声を聞き、金縛りが解けた
しかし、
「くそッ! 邪魔するじゃねぇよクズがっ! 道具の分際でッ!」
手にした機械を投げ捨てて地団駄を踏むタカの声が耳に届く。
その瞬間、目の前が真っ赤に染まるかと思うほど、
自分が叫んでいたのは喉の痛みで感じたが、音は聞こえなかった。
離れた場所に立つ男に弾丸のように走り寄る。
男が腕を振り上げて何かしていたが、
息を鋭く吐き、眼前にある相手の伸びた襟や服ではなく、爪が食い込む勢いで喉元と腕を直接掴む。
相手が
受け身の取れない相手が、硬い床に叩きつけられた事により鈍い骨折音がしたが、
「
手にしたソレは、スイッチを入れると青白い光を放ってバチバチと音を立てた。
「あの子が痛みを感じたんなら、こんなもんじゃ済まないだろうよ」
そう苦々しく言い放ち、
激しい目眩に前後不覚になりながらも、
早く側に行きたかったのに、眼前が揺れて上手く歩く事が出来なかった。
床に散らばるのは彼女の部品か。
膝をつき、床に転がる彼女の肩を抱き起し、落ちそうだった頭に手を添えた。
もう、彼女は何も音を発しなかった。
穏やかな笑みをぽってりとした唇にたたえたまま、目を見開いて稼働停止していた。
震える指で彼女の瞼を閉じると、その顔はまるで、いつものように部屋の片隅で充電している時のように見えた。
おやすみなさい──
彼女に、自分がスリープモードに移行する前にはそう言うんだよ、と彼が教えたのだ。
おやすみなさい──
彼女の動かない唇から、そんな言葉が漏れたような気がした。
彼女は、『自分の意志』で行動する事が出来たんだろうか?
彼女が欲しがっていた『友達』に、俺はなれたんだろうか?
俺にとっては──
彼は彼女の安らかな顔に自分の顔を寄せる。
そっと唇を彼女に押し当て、口から漏れ出る
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