HF-F02-002

 先日からとんだ茶番を見せられて、沸き起こった嫌悪感を私はその都度奥歯を噛み締めて耐えた。


 お涙頂戴番組だとしたら、脚本家は三流だ。


 もしかしたら、古い時代なら喜ばれる話の流れなのか?


 だとしたら理解できないのも頷ける。

 感性が古すぎるだけだから。



 しかし、これは番組ではない。

 いま現実で起こっている事である。


 こんな事で全てが丸く収まるのなら、

 戦争は起こらないし怨恨による殺人事件も自殺もなくなるだろう。


 こんな事で全てが丸く収まる、とでも思っているのなら、

 この場にいる全ての人間の知能指数が低すぎる。


 本当に、とんだ茶番だ。

 馬鹿馬鹿しくて欠伸が出そうだ。


 まあいい。

 敵は少ないに越した事はない。


 不要な苦労はしたくない。


 のだ。

 障害は出来るだけ先に排除されていた方が、道のりはより楽になる。


 ただ、それだけだが。



 私は、今後の事を考えると、楽しみで笑いがこみ上げてくる。



 例え私──ても、私自身────それでいい。


 だって、私の────ても、私の────残るのだから。

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