第49話
「きゃあっ!」
胸元から腰まで服を引き裂かれ、
幸い下着まで手がかかっていなかったお陰で全てを晒す事にはならなかったが──
白い肌が剥き出しになった
しかし、掴まれた手首は外れる事はなかった。
「オイオイ、友達がこんなんされても構わないってか。酷い男だなぁ」
肩を震わせて笑う
「そんな事ないっ……」
歯を食いしばって反論する
「お前アイツに何期待してんだよ。やっぱお前も女なんだなぁ」
下卑た笑いを口に浮かべ、
「やめろ!」
ポテトガンを携えた
「あー。状況か分かってねぇのかな? 手にしたそれは捨てろ」
「おら、こっち来い」
手招きされるまま、
そして──
振り抜いた
強烈な痛みと激しい目眩で、
なんとか手をついて立ち上がろうとするが、歪む視界と回る頭がそれをさせてくれない。
なんとか段ボールから這い出たものの、
「弱ぇ! お前そんなんでよく『男』やってられんな!」
やっと思い切り人が殴れた爽快感に、
「余計な手出しすんじゃねぇぞ。さもないと服を剥くぐらいじゃ済まさねぇからな」
踏みつける足に力を入れて
なんとか意識だけは手放すまいとしている
「おう、好き勝手やってくれたな。簡単に楽にしてもらえると思うなよ?」
髪を掴んだまま無理やり
「ぐふっ……」
そのまま一緒に込み上げてきたモノを吐き出す
楽しくて仕方ないといった顔だった。
更に硬く拳を握り込み、腕を振り上げた。
「子供相手に何してんだい外道ッ!!」
妙齢な女性の怒声が響き渡る。
折角の楽しい時間を邪魔されて、
離れた場所で仁王立ちする老婆──
「老害は大人しく墓ン中で寝てろ」
加勢が現れようと、
例え老婆の1人が加わったところで、何も事態は変わらないと、
が。
「弱点教えてくれてありがとね」
恐ろしく冷たい声がすぐ側からした。
老婆──
「そんなの効かねぇって言って──」
しかし、背中に回り込んだ彼女には手が届かなかった。
そして──
唯一肌を露出している首めがけ、
スタンガンが放電を終えるまでソレを押し付けられて、声も上げられず身体を硬直させた
「本当に、この服絶縁効果があったのね……」
放電し尽くして沈黙したスタンガンを、倒れた
「
床に倒れこむ
「気持ち悪いから揺すらないで……」
弱々しい声で、
その声に、
彼の背中にそっと手を置き、彼の耳元へと顔を寄せた。
「ありがとう…
「大丈夫かいっ?!」
慌てふためきながらも近寄ってきた
「先にこっちを片付けちゃうからね」
笑顔でそう告げ、手にしたガムテープで
まるで使い終わった食器を片付けるかのようなその口調に、
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