HF-N01-001
──水の中に沈んでるかと思うほど、音がぼやけて遠くから聞こえる。
耳に届いてるのに、音が形にならない。
「……は……ない」
その音が、人の声だという事は分かるのに、意味が脳の奥まで届かない。
「……い……かんを……かない」
目を開けているはずなのに、水の中から水面上を見ているように、像が形にならない。
なんだろう。
怖かった筈なのに、どうして怖かったのか、思い出せない。
「……だ。い……な。……い……かんを……かない」
誰かが
脳にこびりつくのに、意味が届かない。
「そ……て……」
繰り返される音が頭の中で反響して気持ち悪い。
「忘れろ」
その一言だけが、やけにハッキリと耳に届いた。
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