306.ショットガン試製
仕入れてきた薬草を使い、ポーションを作り終えたら早速ショットガンの作成に移る事に。
ショットガンのレシピとしては魔石を3つ使うから、魔石は……ヒグマのものを用意しておこう。
作るのはまずは普通の鉄を使ったショットガンでいいか。
魔石も加工をくわえないでそのまま使うとしよう。
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アイアンショートバレルショットガン(ヒグマ) ★10
鉄の銃身とヒグマの魔石からできたショートバレルショットガン
鉄製の装備としては限界まで強化されている
装備ボーナスDEX+30
ATK+90 DEX+30
耐久値:120/120
装弾数:2
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うん、まあ、鉄製だしこんなものだろう。
多分これ以上のものを作ろうとすると魔力過剰になる気がする。
品質が★10で止まってるのも、おそらく素材の製造限界だろう。
確か、普通のポーションでも★10を越えることはできないとか聞いたことがあるし。
ショートバレルショットガンの性能だが、どうやら攻撃力はかなり高めのようだな。
後は射程がどの程度なのかも調べなきゃだけど、それは後回しだ。
さて、次はロングバレルショットガンだな。
こっちも条件を揃えるために魔石はヒグマで作ろう。
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アイアンロングバレルショットガン(ヒグマ) ★10
鉄の銃身とヒグマの魔石からできたロングバレルショットガン
鉄製の装備としては限界まで強化されている
装備ボーナスDEX+30
ATK+50 DEX+30
耐久値:140/140
装弾数:4
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うーん、ロングバレルの方はハンドガンとほぼ同じ性能か?
多分、今の実力で鉄製のハンドガンを作れば似たような性能になるはず。
使い分けとしてはどうなるんだろうな。
とりあえず、試し撃ちに行ってみるか。
「トワくん、ショットガンはできたの?」
「うん? ああ、できたけどどんな感じなのか試し撃ちをしてみないとわからないから訓練所に行って確かめてくる」
「そっか。私も一緒に行ってもいい?」
「構わないけど、大して面白いものでもないと思うぞ」
「うん、大丈夫だよ。私もどんな感じなのか気になるから」
「そうか、なら行くとしよう」
こうしてユキと一緒に試し撃ちに行く事になったのだが、談話室に入るとそこにはおっさんがいた。
「おや、トワ君。どうしたんだい?」
「ああ、ショットガンを作ったから試し撃ちをしようと思って」
「ほほう。それは興味があるねぇ。おじさんも一緒に行っていいかな?」
「構わないけど、試作品だから大して強くもないし、面白味もないと思うぞ」
「構わないよ。おじさんもショットガンには興味があったからね」
「そうなのか?」
「盾を構えた状態から攻撃するには、普通のハンドガンだと狙いをつける手間が必要だからねぇ。ショットガンならその手間を省けるかもしれないからね」
「……ああ、その可能性はあるだろうな。それじゃあ、訓練所に向かうか」
「そうしようかな。いやはや、楽しみだねぇ」
同行者は増えたが予定通り訓練所に向かう。
訓練所は最近は使ってなかったから久しぶりだな。
「さて、それで何を試すんだい?」
「まずはそれぞれの射程距離だな。ショートバレルショットガンの方は大分短いと聞いてるけど」
「なるほど、それは大事だね。実際どのくらいの距離が届くんだろうねぇ」
「わからん。だから、まずは2メートルくらいから試していく事にするよ」
「了解。せめて5メートルくらいは届いてくれるとありがたいんだけどねぇ」
「さて、どうだろうな。……よし、的の設置も終わったし始めるとするか」
ショートバレルショットガンを装備して的に狙いを定めて引き金を引く。
さすがにこの距離だと命中するらしく、的にはしっかりとダメージが入ったようだ。
「さすがに2メートルなら有効射程内か」
「そのようだね。次はどうするの?」
「妥当なところで3メートルかな」
的を再設置してショートバレルショットガンを撃つ。
3メートルも的にダメージは入ったが、2メートルの時よりもダメージは少ないようだ。
その後も繰り返し実験をしてみたが、ショートバレルショットガンの有効射程は3メートルが限界、4メートルになるとほぼダメージが入らなかった。
同様にロングバレルの方も試してみたが、こちらは6メートルだった。
また、ショットガンの特性なのか、的との距離が近ければ近いほどダメージが上がっていた。
その他、ショットガンらしく攻撃は扇形に広がっていくこと、一回攻撃するごとに弾丸を8発消耗することもわかった。
さらに、撃ったときに反動で銃身が跳ね上がるが、おそらく筋力不足ではなくそういう仕様なのだろう。
さすがに鉄製の武器でペナルティが入るほどステータスは低くないはずだし。
「ショットガンだから期待してなかったけど、想像以上に射程距離が短いな」
「そのようだねぇ。もう少し長いとおじさんは思ってたんだけどね」
「7メートルになるとハンドガンとほぼ同じ射程距離になるし、ゲーム的に差をつけたかったのかな?」
「おそらくそうだろうね。……それで、トワ君。完成品はいつ作るんだい?」
「うん? とりあえず、ドワン達に作ってもらった素材分は練習用として全部使い切る予定だけど。どうかしたのか?」
「いや、おじさんの武器として作ってほしいんだよね、ショットガン」
「それは構わないけど。ショートとロングどっちを使うんだ?」
「できれば両方をお願いしたいところだね。状況によって使い分けられるように」
「わかった。試作が終わったら、イリスにモンスター素材製のグリップを作ってもらってそれで完成品を作ろう」
「お願いするよ。いや、楽しみだね」
「出来る限り期待に添えるように頑張るよ」
「頼んだよ。それじゃあ、よろしくね」
実験結果も出たことだし、俺達は訓練所を後にする。
おっさんは自分の工房に行くみたいだし、ユキはもうログアウトするらしい。
2人を見送った後は、俺も自分の工房に戻って試作の続きだ。
それぞれの素材で耐久値限界を調べるために色々と魔石を換えて作ってみたが、鉄製だとレベル30程度、魔鉄製だとレベル45程度、ミスリル製だとレベル60程度までは耐えることができた。
メテオライトとアダマンタイトはそれ以上を耐えることができるので、耐久値の実験には使っていない。
また、意図的に製造クリティカルを出した場合、クリティカルが出ていない場合よりも少し低レベルなモンスターから得られる魔石を使わないとダメなこともわかった。
ちなみに、いつものボス魔石を使いメテオライトとアダマンタイトで製造クリティカルを出したときの攻撃力は、ショートバレルショットガンで500から600、ロングバレルショットガンで400から450だった。
明らかにライフルやハンドガンよりも強いのだが、訓練所に行って実験した結果、距離による減衰率が半端じゃなく大きいこともわかった。
……これは、完全に至近距離での戦闘向きだな。
とりあえず試作と実験は終了したので、イリスにモンスター素材のグリップを発注しておくことに。
おっさん以外にも欲しがるプレイヤーはいるだろうから、とりあえずという事で10個ほど依頼しておいた。
……さて、もういい時間、というかもうすぐリアルだと日付が変わる時間になってしまっているので今日のところはここまでだな。
おっさん用のショットガンはイリスの作成待ちという事で今日作る必要はないしもう落ちるとしよう。
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