129.エピローグ 2次職への転職

これでこの章は終わりです。

短いですがエピローグをどうぞ。


**********


「クエストの達成を確認したわ。エンシェントガンナーに転職する条件は満たしているようね。転職も一緒に済ませてしまおうかしら?」

「はい、お願いします」


 ダンジョンをクリアした翌日、俺はガンナーギルドを訪れていた。

 理由はもちろん2次職に転職するためだ。

 他の皆もそれぞれの職業ギルドに向かって転職の手続きをしているはずだ。


 ギルドの受付でクエスト完了の処理をしてもらった後、ギルドマスターの部屋に通されて現在に至るわけだが……

 どうやら2次職に転職する際にギルドマスターに直接会うことは珍しいようだが……その辺は好感度とか貢献度の問題なのだろう。

 あまり深く考えても意味はないし、そう言うものだと割り切って転職手続きを済ませてもらう。


「それじゃあここに署名をしてもらって……これであなたもエンシェントガンナーね」

「ありがとうございます」

「それじゃあこれからも頑張って頂戴。ああ、どうせならマナカノンの製造クエストを受けていってもらえると助かるのだけど」

「やっぱりマナカノンの製造が出来る人はまだいませんか」

「ギルドランク的には問題ない異邦人も増えてきているのだけどね。錬金術士の知り合いがいないみたいね。あるいは自身が錬金術士であってもマナカノンが作れるほどの腕前になっていないか」

「なるほど。まあ自分の練習にもなりますし、マナカノンの製造はやっていきますよ」

「それじゃあ、受付で手続きをお願いね」

「わかりました。それじゃあ失礼します」


 ギルドマスターの部屋を出た後、受付に行ってマナカノンの製造クエストを受注する。

 いつも通り最大数の50丁分を受注して製造用の部屋に案内され、1時間弱でクエストを達成する。

 検品は作ってる最中にもしてもらっているので、あとは受付に戻って報告して完了だ。


「……はい、マナカノンの製造について確認しました。これが今回の報酬です」

「ありがとう。……ところでランクアップまであとどれくらいかかるのかな?」

「そうですね……トワ様は既に必要な貢献度の半分は達成していますね。ただ、14に上がるための貢献度はかなり高いのでまだしばらくかかると思います」

「そうか……うん、わかったよ。ありがとう」

「いえ。またのご利用をお待ちしております」


 各ギルドの貢献度がどれくらいなのかについては開示されていないデータなので、こうして住人に聞いてみるしかない。

 検証班によると必要貢献度はランクごとに上がっていっているのは確からしいが、時々上がるのに要求されている貢献度がかなり高いランクがあるらしい。

 それぞれのギルドでそのランクも異なるようで、その辺りの検証はまだ進んでいないそうだ。


 確かめたいことの確認も終わったので、いつも通りワグアーツ師匠の家によって練習用素材をもらう。

 その際に修行の進捗具合を聞かれたので「まだまだ全然ダメです」と答えておいた。

 その答えに対するワグアーツ師匠の反応は「そう簡単にできるものでもない。時間をかけて反復練習するように」という内容だった。

 結局のところ、新しい技術をスキルブックのような近道なしで覚えるには反復練習しかないと言うことだ。

 こればっかりはどうしようもないので、素直に「がんばります」とだけ答えてクランホームへと戻ることにしよう。


 クランホームに戻るとちょうどユキも戻ってきたところのようだった。


「あ、トワくん、お帰りなさい。そっちはどうだった?」

「うん、ただいま。クエスト完了状態になってたしな。完了報告と転職手続きだけ済ませて完了だったよ」

「ああ、やっぱりそうだったんだ。私もそれだけしかなかったからちょっと拍子抜けだったよ」

「むしろクエスト完了してるのに、追加課題が出る方が問題だと思うけどな。無事に転職出来たようで何よりだ」

「うん、そうだよね。でも、特殊クエストだって言うから少し身構えちゃったかな?」


 確かに、特殊転職クエストだったものな。

 まだ何かあると思ってもしょうがないか。


「ちなみに聖戦巫女だっけ? それのステータス詳細ってどんな感じなんだ?」

「えっと、ちょっと待ってね……はい、これが詳細だよ」


 ユキから見せられたSSスクリーンショットには以下の内容が表示されていた。


 ―――――――――――――――――――――――


 聖戦巫女ひじりいくさみこ


 薙刀と神聖魔法に精通したランサー


 薙刀による攻撃と神聖魔法による攻撃・回復などを得意とする

 また、自信が前面に出て戦うことも可能な万能職である


 職業補正


 HP:1.35

 MP:1.35

 ST:1.30


 STR×1.05

 VIT×1.10

 INT×1.10

 MND×1.05


 薙刀装備時の攻撃力に補正・小

 回復魔法の回復力に補正・中

 光属性の攻撃力に補正・小

 神聖属性の攻撃力に補正・小


 ―――――――――――――――――――――――


 これまた万能型のジョブのようだな……

 よく言えばどのポジションでもこなせるけど、悪く言えば器用貧乏になりやすいタイプだ。

 俺のエンシェントガンナーが完全に魔法寄りになっているのとは対照的だな。


「なんというか万能型って言えばいいのかな? そんな感じのジョブになってるけど、どう思う?」

「まあ、確かに万能型だな。後は装備やBPの割り振りで、どうなっていくか分かれそうなジョブではあるな」

「やっぱりそうだよね……ねえ、トワくん。この後時間ある? 少し戦闘してみてどの程度変わったのか確かめてみたいんだけど……」

「そうだな。特に用事もないし、少し出かけてみるか」

「本当? ありがとう、トワくん!」


 2人でも安全な場所となると……鉱山ダンジョンが一番の候補になるが、ユキのジョブを試すなら鉱山ダンジョンは余り適していないだろう。

 昨日までも潜っていたけど、墓地ダンジョンの1階程度を軽くまわるぐらいなら2人とフェンリルだけでも大丈夫だろう。


「それじゃ、墓地ダンジョンの1階を少し歩いてみようか。あそこならそんなに敵も強くないし、神聖属性の威力上昇も確認できるだろう」

「うん、わかった。プロちゃん達は呼ぶよね?」

「さすがに2人だけじゃ難しいからな。シリウスとプロキオンにも頑張ってもらわないと」

「うん、わかった。それじゃあ向こうに行ったらプロちゃんを呼ぶね」

「俺も向こうに行ってからシリウスを呼ぶことにするか……とりあえず移動しよう」

「うん。楽しみだね」


 ユキもかなりこのゲームに慣れてきてるようでいい感じだ。

 さて、いくら攻略済みのダンジョンとは言え2人だけでの行動だ。

 細心の注意を払って行動しなきゃな。



**********



~あとがきのあとがき~



第4章は当初のプロットよりも大分長くなってしまったため、2つの章に分割しました(

第3章も大概長かったのですが、あちらは上手く分割するタイミングがなかったもので……


とりあえず、恒例のトワのステータス公開をして1話閑話を挟み第5章の開始です。


名前:トワ 種族:狐獣人 種族Lv.43

職業:メイン:エンシェントガンナーLv.8

    サブ:錬金薬士Lv.20

HP:209/209 MP:547/547 ST:214/214

STR:14 VIT:24 DEX:62

AGI:37 INT:79 MND:49

BP: 0 SP:48

スキル

戦闘:

【銃Lv30 MAX】【ハンドガンLv13】【ライフルLv18】【マナカノンLv1】

【マギマグナムLv22】【格闘Lv30 MAX】【体術Lv10】

魔法:

【炎魔術Lv17】【海魔術Lv22】【嵐魔術Lv23】【雷鳴魔術Lv25】【氷雪魔術Lv15】

【神聖魔術Lv28】【魔導の真理Lv34】

生産:

【中級錬金術Lv29】【中級調合術Lv28】【料理Lv24】【生産ⅡLv34】

【道具作成Lv32】【家具作成Lv31】【魔石強化Lv51】

【生産製造数増加Lv3】【調合の極意Lv3】

その他:

【気配察知ⅡLv15】【魔力感知ⅡLv15】【夜目Lv50】【隠蔽Lv55】【看破Lv55】

【罠発見Lv46】【罠解除Lv46】【罠作成Lv1】【奇襲ⅡLv12】【隠密ⅡLv9】

【採取Lv26】【伐採Lv16】【採掘ⅡLv7】【言語学Lv30】【集中ⅡLv22】

【アーマーチェンジLv1】【聖霊開放Lv3】【ウェポンチェンジLv2】

【器用さ上昇Lv30】【敏捷性上昇Lv12】【知力上昇Lv12】【精神力上昇Lv2】

【ホークアイLv12】

特殊

【AGI上昇効果・中】【INT上昇効果・中】【風属性効果上昇・中】【風属性耐性・中】

【二刀流】【眷属召喚】【魔石鑑定】【聖霊石合成】【聖霊武器修理】【聖霊武器強化】

眷属

【神狼・フェンリル(亜成体)Lv8】【猫妖精・ケットシー(一般)Lv1】

称号

【初心者講習免許皆伝】【風精霊の祝福】【かつての英雄に連なる者】

【中級錬金術士】【中級調合士】【魔導を求める者】

【眷属を従える者】【神狼に打ち勝ちし者】【神狼の導き手】【猫妖精の導き手】

【聖霊と共に歩むもの】【第1回武闘大会マイスタークラス優勝者】

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