王国戦記~不死鳥の乙女は蒼空を舞う~ 戦嵐の予兆編
薄紅 サクラ
Second Story.
1話 とある物語の1部――その2
むかしむかし あるところにいっぴきのりゅうがいました
りゅうはやさしく ひとびととともにいることがだいすきでした
そのなかでもひとりのしょうじょがいっとうだいすきで いつまでもいっしょにいたいとねがうほどたいせつにおもっていました
しかし あるひのことです
しょうじょはりゅうではなく べつのひとをすきになったことをりゅうにつげました
そのひとがすきだから これからはもうあうことはできないと
りゅうはかなしみました
じぶんのほうがずうっとまえからしょうじょをたいせつにおもっていたのに なぜべつのひとをすきになるのだと
じぶんがしょうじょのすきなひとのはずなのにと
かなしみのあまりうろこはくろくなり りゅうはあけてはならないとびらをあけました
えらばれないのなら ぜんぶぜんぶこわれてしまえと そうねがって
~~『とあるりゅうのものがたり』より~~
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